【短編法話】お浄土を想う-〔毎月発行〕さいほうじの読みもの『世間解』9月号
皆さまにはご本願のおはたらきの中、爽やかな季節を感じつつ「なんまんだぶ、なんまんだぶ…」とお念仏ご相続のことと存じます。以前にもお聞かせをいただいたことでありますが、お彼岸のご縁に改めて…。
さて、我々のご宗旨は“浄土真宗”と申します。
阿弥陀さまが、「お前さん、必ず私の浄土に生まれてかえってくることが出来ると欲って、それまでの日暮らしはお念仏を称え聞きながら生ききってくれよ」と願い、その通りにおはたらきくださっている本願力のことを“浄土真宗”とおっしゃってくださったのであります。
“お浄土に生まれさせていただくことを真のよりどころ、かなめ(宗)とさせていただく生き方”ということであります。彼岸とはお浄土のこと。私にとってお浄土とはなんでしょう。“お浄土”のことを想うのであります。
利井明弘先生は、
とお教えくださいました。
梯實圓和上は
とおっしゃっていました。
山本仏骨和上(梯和上のお師匠さま)は、
ご病床で上に向って何か指を動かしておられていた。その時、看病をされていたご子息 攝叡先生の奥さまと和上の会話はこうだったそうであります。
お浄土は決して遠い遠い所にあるのではありません。ご往生くださった方は遠い所に居られるのではなく今お念仏となって、何時でも何処でも私と一緒におってくださるのです。
私が悦んで「ただいま~」と生まれていける所。先立たれた方々が待ってくださっている所。お浄土とはそういう所だったのであります。お浄土があってくださってよかったなぁと思うのであります。
合 掌