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コラム担当:西法寺若院

「掃除機で頭を吸う⁉」とあるヘアカット専門店にてそんな体験をした。正しくは『エアウォッシャー』。シャンプー洗髪の代わりに、吸引ブラシで頭部の残髪をきれいにする仕組みだ▼

もちろんはじめは不安である。自分の常識にはないからだ。しかし、これが意外とサッパリ心地良い。散髪後なのに水もドライヤーも使わない。ものの見方がまたひとつ広がった▼

《新発売》と聞くと、つい手が伸びる。そこに深い理由は無い。ただ、何気なく試すことができるのは、仮にそれがイマイチでも「いつものやつ」に戻ればいいという、いわば保険のような安心があるからだろう▼

某研修会で《原稿の手直しは上書き保存の繰り返しではなく、毎度データをコピーしてから行う》という方法を聞いた。更新しながら、見返す状況も整えておく。心にもそのくらいの容量が欲しいものだ▼

コピーライター谷山雅計氏は著書で『人間って、いまの自分がかわいいから、いまの自分を中心に考えて、昔の自分を忘れようとしたり、否定したりしがちです。でも、「あのときに自分はこう思った」という気持ちは、いまの自分にはない大切な視点なんです』と語る。肝に銘じたい。


若院コラム『和而不同』2024/10