【一日一捨】 デスレース2000年のTシャツ
『デスレース2000年』というカルト映画がある。西暦2000年がまだ近未来だった頃に作られた映画だ。無名時代のスタローンが出演していたりして、B級映画ファンの間では有名なんだけど、実は僕は映画そのものは未見で、なんとなくファッションとして着ていた。本当に底の浅いサブカルクソ野郎だ。
何年か前、太陽の塔の内部が公開されたとき、このTシャツを着て大阪まで見に行った。帰りに万博記念公園を歩いていたら、見知らぬお兄さんに突然声かけれた。
「うおーーっ! 『デスレース2000年』じゃないすかああぁっ!」
「えっ、知ってます?」
「あたりまえですよ! めっちゃ好きなんすよ!」
「名作ですよね!」
「それ、どこで買ったんすか!?」
「Amazonで買いました!」
「マジすか! うおおぉーーーっ!」
ひとしきり盛り上がる。
横で見ていたお兄さんの連れらしき女の子が呆れて見てた。
『デスレース2000年』は好きな人は本当に好きらしく、仕事の打ち合わせに着ていくと同業者から「おおっ!」と食いつかれ、行きつけのバーの店員さんからも「デスレースじゃないですか!」と反応されたりはあったけれど、通りすがりの見知らぬ人に声をかけられたのは初めてのことだった。
でも、ごめん、あのときの大阪のお兄さん。言えなかったけど、僕は映画を観てませんでした。すみません。でも、声かけられて嬉しかったです。だいぶ着古して、へたってきたので捨てます。
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