【一日一捨】　ボルタレン

痛み止めの薬はお守りがわりになる。使わなくても、持っているだけで安心する。今はもう寛解してるけど、関節が腫れて歩けないくらい痛んだことがあった。以来、またあの痛みが来たらと思うと怖くて、お守り代わりのボルタレンをずっと持ち歩いていた。幸いにして使ったのは１度だけだった。自分のためではなく、自主映画撮影の現場で撮影助手さんの頭痛が酷くなり、「誰か痛み止め持ってませんか？」と言われて一錠あげた。処方薬なので本当は勝手に人にあげてはダメなんだけど、聞けばボルタレンは過去に処方して貰ったことがあるそうなので、まあいいかと判断した。多摩川の土手に座ってロケ弁を食べながら、リュックに入れたピルケースからお守りの一錠を出したあのときから数年がたち、映画は未だ完成しないまま、薬の使用期限だけが過ぎた。痛み止めを飲んで頑張ってくれたスタッフには申し訳ない。捨てる。