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観察時の議論はリアル菜園ゲームの重要な要素かもしれない

岩田好宏「植物観察学入門」に面白いお話が出てきます。
「大きな葉っぱ探し」をしたところ、子どもたちはホオノキとハリギリを持ってきた、葉の長さで決めればホオノキの方が大きいが、幅で言えばハリギリの方が断然大きい、
子どもたちの間に議論が起こったと言うのです。

僕は「森林土壌調査」のワークショップを何度かやったことがあるのですが、この時は、実験や観察の前に質問をして子どもたちに「議論」をさせました。

砂と土、どちらが酸性度が強いかと聞いたら、「砂」と答えた子がいました。
なぜ?と聞くと「砂の方が尖っているから」と言うのです。
お酢とか塩酸とか、酸っぱい、ピリピリする、と言う事が「尖っている」と言うイメージに結びつき、尖っているものの方が酸性が強いと言う観念を生んでいることが分かりました。

直接、その観念を否定も肯定もせず、では砂と土の違いはなんだと聞くと、今度は、白いのが砂、黒いのが土と答えました。

じゃあ、砂に水をかけたら、黒くなるけど、あれはどうなんだと聞くと、砂は水をかけたら、土になるんだと答えました。

その辺で他の子どもが、そんなことはないと言い出し、「議論」が起こりました。

「土」でも「葉っぱ」でもいいのですが、私たちは分かっているようでいて、分かっていないのです。

「時間」について、問われなければ知っていると言ったのがアウグスティヌスです。

「時間とはなにかについて誰も質問しなければ、私はよく知っている。しかし、聞かれると私は何もしらない」

議論をすると言うことは、私達が知っているようで知らない自然の姿について、あれはそもそもなんなんだと考える機会です。

畑で植物を観察し、畑のありようを変えていくのが「リアル菜園ゲーム」です。

その際には、これはなんなんだろう?、こういう風なことをしたら、畑はどう変わるのだろう?と問いを投げかけ、議論をしてもらうことが大事だと思います。


2週間予報値は、来週、かなり気温が高くなるとしています。
そうこうしている間に節季は大寒を迎えます。
その後は、立春です。
春野菜植付の時季が始まります。

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