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毛皮が「商品」になった事と日本の開国の関係など
アダム・スミスの国富論にこんな一節があります。
「人間が最初に衣服の材料として用いたのは、比較的大きい動物の皮であった。それゆえ、この動物の肉を主食としている狩猟民族や牧畜民族の間では、食料を自給することによって、各人の必要以上の衣料の材料を自給する事が出来る。
外国との貿易が全然なかったなら、この材料の多くは無価値なものとして捨てられたことであろう。
北アメリカの狩猟民族の間では、かれらがヨーロッパ人に発見されるまではおそらくこれが事実であったろう。
しかし、現在では、かれらはその余剰の毛皮をヨーロッパ人の毛皮、火器、ブランデーなどと交換し、それによって彼らの毛皮になにほどかの価値を与えている。
現在の世界貿易のもとでは、最も野蛮な民族でも、そこに土地財産権がすでに確立されているなら・・・と私は信じているが・・・この種の外国貿易を多少とも行っており、その結果、彼らの土地で生産はされるが、自国内で加工も消費もされない衣服の材料は、彼らよりも富んだ隣国の国民の間に需要を見出している。
そしてその需要は、材料をこういう富んだ隣国の国民へ送り届けるのに必要な費用以上にそれらの価格を引き上げているほどである。」
スミスは、北アメリカの先住民からヨーロッパ人が毛皮を買う「貿易」について述べています。
この「毛皮」への需要は非常に高く、北アメリカからヨーロッパに「送り届けるのに必要な費用以上にそれらの価格を引き上げている」事が記されているわけです。
言い換えると、毛皮を北アメリカからヨーロッパに持っていけば儲かると言うことです。
ところで18世紀ごろから日本近海には「外国船」が出没するようになってきました。
この「外国船」の中には、「毛皮」貿易に従事する船がかなり多かったようです。
北アメリカの先住民との間で、「ヨーロッパの毛皮、火器、ブランデー」と「余剰の毛皮」を交換し、ヨーロッパに持っていけば儲かる、そこで毛皮貿易の船が増え、日本近海に外国船が出没するようになっていったわけです。
スミスは、北アメリカの先住民を「野蛮」な民族と評価しています。そして、それまで無価値だった毛皮がヨーロッパ人の毛皮、火器、ブランデー」と交換されるようになって「なにほどかの価値」を生じるとしています。
こういう「価値」の創造によって、資本主義と言うものは生まれてきたと言うか、非ヨーロッパの世界も「資本主義」の中に巻き込まれていったわけです。
マルクスは、共産党宣言の中で、非ヨーロッパ世界が資本主義に巻き込まれていく様子を「ブルジョワジーはその姿に似せて世界を創造した」と書いています。
そして、毛皮貿易の発展は、日本についても、ブルジョワジー(=資本主義の世界)の姿に似せて創造されることを要請し、ついに開国、明治維新、近代化と言うものにつながっていったわけです。
今更、「昔」には戻れないと思いますが、かつて、欧米諸国が、「富」を求めていったアジア・アフリカ・アメリカ大陸の「植民地」だった地域が、「新興国」として台頭してきています。
農業を取り巻く環境の変化、それは、例えば、資材・肥料・飼料代などの高騰となって現れていると思いますが・・・、
そういうものも、大きな世界の変化の中で生じているわけです。
いち早く、自らの姿をブルジョワジーに似せて作り直し、近代化を達成した日本は、先進国になりました。そして、世界に工業製品を売りまくり、21世紀のはじめには、アメリカと日本だけで世界のGDPの半分近くを占めている状態になったわけです。
しかし、今やそうした状態は昔物語となり、今後は、更に国際社会における日本の経済的地位は低下していくでしょう。
そういう中でどうしていくのか?、
答えは簡単でないと思います。
ただ、「資本主義に巻き込まれる事によって、アジア・アフリカ・アメリカ大陸の人々は、活用していなかった資源になにほどかの価値を得るようになった」と言う考え方、
この考え方を見直してみることは必要かもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1680472426197-1eDIkOtmKN.png?width=800)
2週間予報は、今後も最高気温20℃前後の日が続いていくとしています。
日最高気温は、
3/24は例年値 13.5℃、観測値 22.8℃、
3/29は、14.7℃と18.2℃、3/30は15.6℃と19.7℃、3/31は15.2℃と20.8℃でした。
つまり、3月末は例年値(1980-2023の平均値)よりも、日最高気温が4-5℃かそれ以上に高い日が多かったわけです。
この状態は、4月下旬には解消され、観測値は例年値並になると思われます。ただ、「解消」される前後の時季にどんな事が起きるでしょうか?
2週間予報は、4月初は、雨が降る日はない、4/7-12の間、雨が降る日はかなりあり、その後はまた雨が降る日はないとしています。
その先の事・・・4/25前後が関東で雹が降る日が出現するピークと言われていますが・・・4/20前後から先の様子がどうなるか?、ちょっと心配です。
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