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超弩級♪~バアチャンの恩返し

昔あるところに、見沼菜園クラブがありました。

ある時、耕していると、近所のバアチャンがやってきました。

「水路に生えているセリが欲しい、脇に生えているフキノトウを採らせてくれ」。

バアチャンはそう頼んできました。

前から水路の周りにフキノトウが生えるとは聞いていましたが、もう芽が出ているとは気付きませんでした。

それに水路にセリが生えているのにも気付きませんでした。

ついこの間までは極渦寒波でセリもフキノトウもなかったのです。

そうか、もうセリやフキノトウが芽吹く時季になったか、気づかなかったなぁ。まあいいや、バアチャン、ほしいなら採らせてあげよう。

そこで「別にいいよ。採っててくれ」と返事をすると、バアチャンは自分の家はどこだ、畑はどこにある、旦那は死んだと、聞いていないのに身の上話を始めました。

やがて夕方になりあたりは暗くなってきました。

でも、バアチャンはセリとフキノトウを採り続けています。

「水路に落ちるなよ。俺は帰るからな」と言って、見沼菜園クラブを後にしました。

それから1週間ほど経ったある日、また見沼菜園クラブで耕しているところにバアチャンがやってきました。

「肥料使ってくれ」

「は?」

「後について来い」

バアチャンの漕ぐ自転車の後について行くと竜宮城には行きませんでしたが、何やら破けた2-3トンのフレコン(土砂や堆肥等をトン単位の重量で入れる袋)が置いてあります。

フレコンの破れ目から地面に出ているのは、元は肥料だったのでしょうか?完全に土に戻っています。

「バアチャン、これ牛ふんか?」

「なんだか分かんねぇ。でも、牛ふんじゃねぇ。牛ふん欲しいなら、馬事に知り合いいっから、頼んでやる」

(バアチャン、それは牛ふんじゃなくて、馬ふんですが。まぁ、いいでしょう。馬ふん貰えるなら、それはそれで役に立ちます。)

と言うわけで「ありがとうございます。」とお返事すると、

「旦那が生きてる時に買ったんだ。誰も使わないから、やる」

更にバアチャンは「耕うん機もある、作切り機もある。くれてやってもいい」と言い出します。

えー、セリとフキノトウの恩返しは、なんだか知らないけれども、超弩級なものになってきました。

ドットハライ・・・♪



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