「交換」は「自愛心の刺激」から起きるのか、それとも「返礼の義務」から起きるのか
アダム・スミスは「交換」を引き起こす原理を「自愛心の刺激」に求めています。
つまり、わかりやすく言えば、「肉、酒、パンをくれたらお金をあげますよ。そうすれば、あなたはそのお金で好きなものを買えますよ」と言うことによって、私たちは「肉、酒、パン」を手に入れている。
それぞれが自分の利益を追求する結果、「交換」が生じていると言うのです。
ところがマルセル・モースの「贈与論」には、「交換」が起きる理由について、もうちょっと別な事が書かれています。
モースはマオリ族が「贈られた物(タオンガ)の霊(ハウ)」と言う観念を持っていることについて述べています。
モースは、なにかをもらったら、お返しをする義務があると言う「規則」によって、「贈りもの」と「お返し」が行われることが「交換」の基礎にある、そして、贈り物には霊が宿っていて、その霊は本来、贈った人の物であり、お返しをしないことはその霊が自分のところに留まっていることになる、そのように、霊を自分のところに留めておくことは、自分に悪いことをもたらす
そう言う観念によって、交換が起きているとしているわけです。
ところでアメリカ民主党は、高騰する肥料代対策として、緑肥などを用いた「環境再生型農業」に65兆円規模の予算案を検討しているそうです。
サウジアラビアと中国は人民元での石油売買を進めることで合意しました。
ブラジルとアルゼンチンは共通通貨を作り、中南米に普及させることを目指すとのことです。
必ずしもアメリカとの間での貿易でなくとも、「ドル」で決済する、平たくいえば、「ドル」で石油、ないしは石油があって作られている物を売買する国際秩序が存在してきました。
今、徐々にそうした体制が崩れつつあります。農業の脱石油化、環境再生型農業の推進は、そうした大きな背景の中で構想されるべきことでしょう。
こうした中で「交換(取引、交易)」はそもそもなぜ生じるのか?について、考えてみることは大切かもしれません。
字数の関係で今回は中途半端な説明となりましたが、今後もこの件については論じていきたいと思います。
2週間予報は、1/30頃から最高気温10℃越えの日が増えてくることを告げています。最低気温-2℃~-3℃の日もあり、大雪の可能性も排除できません。
春野菜の種まきを立春後にするか、バレンタインデー頃まで待つか、思案のしどころです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?