見出し画像

世界中の人がいっせいに海に入ったら、海面はどれくらい上昇する??

息子と風呂に入ると湯船のお湯の乱高下が話題になる。デブな私が湯船に入ればお湯の水面は上昇し、身体を洗うために湯船から出れば湯船の水面は下降する。このΔhの増減幅が大きいため、翻弄された息子から苦情が出るのだ。

そんなとき、ふと疑問が湧いた・・・
もし、世界中のすべての人が、一斉に海に入ったら、どれくらい海面が上昇するのだろうか?その海面上昇は、我々の生活を脅かすほどの水害を引き起こすのだろうか?一度、計算してみたいと考えたのだ!

結論を先に言うと・・・・、正直、災害級の事態に陥ってしまう。それは、沿岸部のみならず、海から離れた地域でも浸水している。これは、湖や沼、河川からの影響を受けているのだろうと推測される。ありきたりになるが何か防波堤を作るなどの対応策が必要だろう。では、具体的にどれくらい上昇するだろうか、是非ご覧いただきたい。

算出の方針について

算出の方針は、こうだ!水面上昇を算出するには、アルキメデスの原理を利用する必要があるだろう。

アルキメデスの石像

アルキメデスの原理とは、「水中にある物体Aは、物体Aの体積の水の重量と等しい浮力を受ける」という原理だが、それによって導きだせる原理がもうひとつ。上記でお風呂に浸かるとき、水かさが増えるという話をしたが、これは、

水かさの体積=浸かっている体の体積

という原理がいえるのである。もしアルキメデスの原理をもう少し詳しくしりたいという方がいれば、例えば、こんなサイトがあるので、時間があるかたは読んでいただきたい。

そうなると、世界の全人口の身体の体積を知る必要がある。その体積を知ることができれば、海面上昇した水かさの体積を知ることができるのだ。そして、その水かさから、海面上昇した高さを算出すればいい。

世界のすべての人たちの身体の体積を求めよう!

体積m3を求めるには、体重kgと密度kg/m3の情報が必要だ。

では、まず、世界のすべての人たちの体重を知りたい。
最初は、各国の体重の平均値を知ることができれば、人口数を掛けることで、その国の全人口の体重和を計算していくことができるだろう。しかし、世界には、195カ国ほどの国がある。そんな計算をしていては、日が暮れてしまう・・・・。

そんなとき、とっても私にとって都合のよいサイトを見つけることができた。それは、世界全人口の体重の和と人体の密度に関する情報だ。その出典先を公開することは控えるが、

世界の全人口の体重の和 = おおよそ3億1600万トン

人体の密度 = 985kg/m3

という。

SI単位系で揃えて、概算すると世界の全人口の体積は、次のようになる。

つまり、世界の全人口の体積は、3億1600万m3となるのだ。

海底の平均深度と海の体積を求めよう!!

次に、海について知る必要がある。その理由は、海はお風呂のように、深さが一定ではないからだ。海は、浅いところもあれば、世界一深いマリアナ海溝という場所もある。ちなみに、マリアナ海溝の深さは11,000mだという。地上で最も高いエベレストがすっぽりと入ってしまう深さだから驚きだ。

では、海を"理想化"する必要がある。そこで、海に関する情報が詳細に記載されているサイトを発見した。それは、以下のサイトだ。

これによると、海の全海水の体積と海の平均深度が掲載されているのだ。

海の全海水の体積 = 14億km3
海の平均深度 = 3,800m

出典:https://www.aori.u-tokyo.ac.jp/project/hadeep/knowledge.html

これらの情報を活用し、理想化された海を描いてみるとこのようになる。

では、海面上昇Δhを求めていこう。

つまり、世界の全人口が海に全身を沈めた場合、13mも海面上昇することがわかったのだ!

浸水被害はどれくらい?

浸水被害を可視化するためには、以下のサイトが利用できる。

使い方は、とても簡単だ。サイトの左上に海面の上昇を選択し、確認したい国や地域を見るだけ!たったこれだけだ。

では、サイトで、13mを選択して、東京近郊がどれくらい浸水してしまうのか、みていこう。その結果がこれだ!

青紫色で塗られているところが浸水する地域だ。東京の江東区、江戸川区、足立区などの浸水被害が深刻だ。川崎市、横浜市、千葉市、習志野市など神奈川県、千葉県の沿岸部の被害も深刻だ。そして埼玉の川口市や草加市までその被害は及んでいることがわかる。

また、千葉県の印西市、佐倉市など海に面していない地域でも浸水被害が及んでいることも特徴的だ。

まとめ

いかがだっただろうか。ぜひコメントをいただきたい。そして、辛口なコメントをいただきながら、私の能力が対応できる限り改良や改善をしていきたいと考えている。

実際に世界のすべての人が一斉に海に入ることはあり得ないが、こんな事態がありえないように地球が造られたのではないかなんて不思議な錯覚さえ感じてくる。

何気ない日常生活でふと気づいたことから、このようなフェルミ推定を実施してみると、意外と驚く発見や気づきがあり楽しい。また、別の視点からの情報や知識も得ることができ、何か得した気分になれる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?