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オンライン学習が必要である理由1

【オンライン学習支援校プロジェクト37】
「オンライン授業」とは、インターネット回線を通して遠隔で行う、時間や場所に囚われない教育手段のことですね。それは主に次の二つに分けられます。オンデマンド型(授業者が講義資料や動画コンテンツなどを配信し、学習者が自らそれにアクセスして課題を知って自ら学んでいくタイプ)と同時双方向型(授業者と学習者がとリアルタイムでオンライン授業を行うこと。互いのやりとりがある)。また、非同期型と同期型という捉え方もあります。

私はここでは、学習者の立場から見た「オンライン学習」という視点で捉えたいと思います。私が、オンライン学習の必要性を最も強く感じたのは「コロナによる一斉休校」の時でした。「今こそオンライン学習に取り組むべきだ」と思い、動きました。その後、これからの時代にはオンライン学習は不可欠になるだろうという意識も持ちました。世の中でもこの2年間で、多くの人が、オンライン学習に目を向け始めました。

「オンライン学習が必要である理由」として次の3つが挙げられます(長瀬拓也 2020 ゼロから学べるオンライン学習:明治図書)
①子どもたちの安全確認
②学習の保障
③多様性に応じた新しい学びを生み出す

コロナ禍において、「子どもたちにオンライン学習を」といった声の裏には「学習の保障を」という願いが込められていることが多いです。確かにそうだと思います。不登校児童・生徒とっても然り。しかし、長瀬(2020)の主張を読むと、①の「子どもたちの安全確認」を、オンライン学習の理由としてまず取り上げています。不登校児童・生徒のことを思い浮かべながら読むと、その意味がクローズアップされてきます。

現在は長期休校は減りましたが、短期の休校や学級・学年閉鎖、分散登校などは、コロナの流行や感染状況に応じて行われています。新たにオンライン学習を希望して、登校を避けるケースもあります。全国の学校や学級には様々な状況の子どもがいます。担任は一人一人の心の健康状態や家庭環境を把握して、対応しようと努めます。中には健康や安全が脅かされている場合もあります。しかし子どもが家庭にいる場合、それがなかなか見えません。

そこにオンラインで家庭と繋がることで、子どもの様子が見えます。心の状態を把握できると、担任はある意味ほっとします。何かあれば手立ても打てるからです。画面を通して保護者と繋がったり家庭の様子がわかる場合もあります。これまで学校には行けなかった子どもが、オンラインをきっかけに画面上に姿を見せることもあります。オンライン効果と言えるでしょう。

一方で、学校のオンラインでも繋がることができないケースもあります。担任がオンラインでも子どもとほとんど会うことができない、家庭訪問もできない状況では、不登校の子どもたちの存在や状況が、ますます見えにくくなっています。オンライン学習をきっかけに、家に引き籠ったという先ほどと逆のパターンもあります。それはあくまできっかけであり、原因はわからないことも多いでしょう。

さて、私が毎朝会う子どもたちも様々な状況です。毎日出会う子ども、時々やってくる子ども、全く会っていない子ども。学校で状況が把握できなくても、こちらにやってくるお子さんもいます。だから情報交換も大切になります。ただし私が把握できるのは表情でなく、カードだったり文字だったりリアクションだったりなのです。それでもやってくる子どもに関しては、健康観察を通して安全確認もやっているのです。


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