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最近の記事

8月27日

死にたいと言いたくなるとき、もしかしたら、寂しいことに気づいてほしいのかもしれないと思った。 先週、やっと『死のやわらかい』を買った。 本当はこれを読む人たちに向けてポジティブかつ良さがたくさん伝わるような感想を書きたいなと思っていた。大抵予想通りに進むことなどないのだと散々思い知ったというのに。 優しい人に限って、どうして冷たくてかたいふりをするのだろうと思うことがある。それは、簡単に人の心に入り込まないためなのかもしれない、とも思う。 死のやわらかい、ひいては短歌集。一つ

    • 3月9日

      「毎回毎回同じ場所で躓いて自分の未熟さに悔しくなってしまうので正直もう逃げ出したいんですよね」 と、簡単に言えたらいいのだけど、そんな事を言った暁にはもっと悔しくなるし多分もう人前に立てなくなっちゃう気がするんだよね。 前職でどうしても行きたくなくなってしまったのもこの時期だった。 今回はまだ入って一年半なのに前回と同じような立場にいる。それを成長と呼ぶべきなのか、たった一年早く進めたのは経験があったからだと思うべきなのか。 どちらの方がいいとかなくて、それを成長だと自分で自

      • 22歳の今日において

        「じゅりって、ぎりぎりスリザリンだよね」と言われたことをよく思い出している。偽りじゃないけど、作られた「私」は、限りなくわたしに近いのだと思う。 今週末にバースデーイベントを打つことになった。なったといっても、先月から、実を言えばもっと前から決まりきっていたことだ。 途轍もなく怖くて、逃げ出したい。誕生日を祝われることも、だれかが私のために何かをすることも、ずっとずっと前から怖い。もうすぐキャバ嬢のようなものを始めて一年なのに、いまだにこんな生活が怖くなる。 つい先月、

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        • 6がつ18にち、あさ。

          ここで何かを書こうとすると緊張して、恥ずかしくなって、格好つけようとしてしまうだろうけど、今までのどれも嘘をついたことはなかったと言い切りたいし、自分が一番そうだと信じていたい。 去年の11月、ニートを辞めようと思った理由は単純で、お金と無駄な時間を消す手段と、経験が欲しくなったから。その三つを一度に得るために真っ先に思い付いたのが、水商売だった。 この半年、マイペースでのんびり屋な自分の割に、意外と成長しながら続いたように思う。 その中で、「相手にどう見られるか」を考

        8月27日

          懐旧

          綺麗な文章しか好きじゃないし、書きたくない。感情的なものは子供っぽいから嫌い。馬鹿にされるから、書きたくない。でも、私は未だに、精神外傷ちゃんのツイートが大好きだし、ZOCの曲で自分を鼓舞しているし、何かがある度に、手越くんの歌や涙や笑顔を思い出してしまう。ここに書ききれないほどに、世の中ではメンヘラだとか厨二病だと名前が付けられてしまうものばっかりが大好きで。私の好きなものに勝手にダサいレッテルを貼っていく世界が大嫌いだ。 他人の綺麗な部分を無理やり抽出して見続けていたら

          透けた空

          冬の、膜みたいな白い雲に覆われた空を連想させる人のことを、近頃よく思い出す。厳密には、忘れた日は一日もなくて、忘れようとしたことと、無かったことにしようとした、だけ。 渇いた笑いで閉じ込めたその人にまつわる記憶とか、塗り替えていこうとした日の事とか。描き直すなら、キャンバスを真っ白にする所からやり直さないといけなかったのに。 喧嘩した事も、気に食わなかったその人の一部も、忘れたわけでは決してなくて、ただ、もうそんな全部が最初からどうでもよかったのだと気付いてしまった。それ

          透けた空

          冷却

          つい二、三日前に、過去に書いた文章を見返してしまった。あの時のどうしようもない必死さと見苦しいほどの情熱はどこにいってしまったのだろう、と、悲しくなって、お店のブログにろくな事を書けなくなった。 何年か前に好きだったドラマ、ずっと好きな漫画、私を育ててくれた世界での時間を順々に辿ってみた。でも、どれも真新しく感じて、私の居場所はもうそこにはないのだと思ったりした。 世界は30年周期で変わっていく、とはよく聞く話だが、あと十年くらい待てば、私の青春だった頃と噛み合うのだろうか。

          自分の悪い部分を隠さずにいたいんだよ。そんなの、やっぱりさ、なんだかんだ言っても誰も本当に悪い人じゃない事なんて分かっているから。同じ場所まで引き上げられる人間になるまでは、本当に赦せるまでは、同じくらいの人間でいてあげたいの。そうやって私は他人を見下しているんだろうなぁ。

          自分の悪い部分を隠さずにいたいんだよ。そんなの、やっぱりさ、なんだかんだ言っても誰も本当に悪い人じゃない事なんて分かっているから。同じ場所まで引き上げられる人間になるまでは、本当に赦せるまでは、同じくらいの人間でいてあげたいの。そうやって私は他人を見下しているんだろうなぁ。

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          とどのつまり、私は何も分かっていないのだなと、感情的になった後はよく考える。 人に対して怒らないのは、怒り方が分からなくて恥ずかしい思いをするからだ。そうして逃げてきた結果、怒りたくなるくらい感情を揺れ動かしてくる大切な人の前で毎回失敗してしまう。経験でものを語るのは確かに馬鹿なのかもしれないけど、経験がなければ上手く生きていけないのもまた事実だ。 そして本当は、本来は、大切な人にこそとびきり優しくしてあげるべきだ。自分が生きてていいと思いたいから、とか、返して欲しいから、と

          遮光

          私は、いつか必ず何者かになれると思っていた。それが偽善者でも嘘吐きでも、大人でも、変われるなら何だってよかった。 自分一人じゃ何にもできなくて、何もあげられなくて、そんな大事でもない事実で失望したことが確かにあったのだと思う。 「嘘を吐いてはいけない」と母親に怒られ続けたことだけは、なぜか忘れられなかった。でも社会に出て、自分の世界も広がっていくうちに、いい大人は優しい嘘吐きなのだと思わされる場面が何度もあった。 昨夜、初めて、職場の女の子と二人で遊びに行った。光も人も絶えな

          積み重ねた愛は、永遠。

          「推しは推せる時に推せ。」 今や有名となったこの言葉を、オタクとして生きていく私たちは何度胸に刻むことになるのだろう。 日付が変わる一時間前、私も元々推していたグループの脱退報道があった。元ファンと言えど思う事がたくさんあって、それなら現在進行形のファンはどれだけ悔しくて悲しいだろうと、口を閉ざしておくつもりだった。けれど、この怒りを無かったことにできるほど私は大人じゃない。 最近、どのアイドルも「海外」「世界」と口にする事が多いと思う。夢を抱くことは素晴らしくて、何も悪いこ

          積み重ねた愛は、永遠。

          窓ガラス越しの夜

          ベランダに置いてあるサンダルを履くことが最近まで出来なかった。そういうこだわりが、私という形を作り上げているように思う。 自らの唇を通りまっすぐに伸びてゆく煙をよく目で追っている。東京にはなんでもあって、だから私は何も知らなかった。神奈川のどこか、友人宅のベランダ、家の換気扇の下では見られないほどはっきりと白い煙が映る。空気が澄んでいると、星と同じように汚れたものも明瞭になるのだろうか。やっぱり私は、いろんな事を知らない。 最近、引きこもりながらに人と話す機会が多い。そうして

          窓ガラス越しの夜

          君たちがあたしから奪ったのに、どうして泣くの?

          君たちがあたしから奪ったのに、どうして泣くの?

          【小説】午前9時の自殺

          何の変哲もない朝。毎日、毎日、何年も、空っぽのまま生きている。僕は、今日も僕のままだ。 「死にたいな」 天井を向きながら、発した感情。 「どうして?」 煙草を吸いながら問いかけてくる彼女に驚いた。いつもなら適当に同意しかしてこないのに。思えば、もういつもと同じ朝ではなかった。 「……何もない、から」 「何もなくていいじゃない」 ちがう、違う。良いわけがない。僕は表現者だ。文章と、音楽と、映画と、写真。やりたいことがいくつもある中で、映画作りが一番楽しかった。何年も作り続けた。

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          【小説】午前9時の自殺

          【小説】独白

          「左手で歯磨きできるようになったこと先生に言ったら喜んでくれるかな」 「風呂に入ったって言われた方が喜ぶんじゃないか」 それもそうだ。開けてしまった口から泡がこぼれそうになる。拙い左手での歯磨きに満足して、歯ブラシを右手に持ち替えた。こっちにおいでと仕上げ磨きをしてくれた母を思い出す。あの空間は温かかったな。歯磨きを終えてタオルで手を拭くと、いつもより体が軽く感じた。 歯磨きさえできなくなった日々があること。この人に言う必要はないなと思う。さらけ出すことと、全てを見せることは

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          【小説】独白

          【小説】君の好きが守るもの

          「自らの罪悪を告白することなんて、相手への甘えだよね」 許されたい、許されるだろうってそんな魂胆でしょ、と手で顔を覆った立花は言い放った。残念ながらここは演劇サークルの練習場でもなければ、火サスでよくある崖の上でもない。ただの昼休憩中の学食である。時々学生がこちらを一瞥しては、また談笑を続けて通り過ぎて行く。 「さすがに罪悪は夏目漱石に引っ張られすぎじゃない?」 「それはそうだけど……。でも羊羹勝手に食べるのは大罪だよ」 涙目で私に訴えかけるこの立花という女子大生は、二日前、

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          【小説】君の好きが守るもの