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1st Single「ルーペ/日々はまだ続く」 セルフライナーノーツ

彩(さい)のギターボーカルのイノウエタカユキです。
今回はセルフライナーノーツを書くことにしました。

まだ聞いていない人はこちらからどうぞ!

なぜ今回いきなり書こうかと思ったかというと、
自分たちの曲に芸術的な要素をたくさん閉じ込めることに成功できたのに、
それを素通りされてしまうのはもったいないなあと思ったから。

いままで自分は文章を書くことに抵抗があったけれど、
自分の考えていることを発信するのはTwitterだとなかなか難しいので、ブログをがんばってみることにした。

もう音源を聴いてくれた人は、もっと深めてもらえたら、
まだ聞いてない人には、興味をもつきっかけになってくれたらいいな。

そして、すこしずつ、文章を積み重ねて、
「夢と現実の狭間から、あなたの日常を彩る音楽を」という自分たちが掲げたテーマに近づいていけたらいいね。
それを成し遂げるためにはこうやって文章を書くことがどうしても必要なんです。

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●作品全体について
「日常」という大きなテーマを扱う中で、「朝と夜」にフォーカスして作ったコンセプチュアルな作品になっている。
憂鬱な朝の通学通勤を切り取った「ルーペ」
明日が来るのが嫌で眠れない夜を切り取った「日々はまだ続く」

この世界は朝が来て、夜が来てを繰り返すみたいなので、
つながり感を出したくてどちらの曲も同じ終わり方をさせている。(ファー、っていうギターの音)

ところで、「この曲はなになにっぽい!こういうの意識してるのかな?」とか考えるのすごい楽しいよね。
なので今回の作品はそれをちょっと盛り込んでみた。
今回の作品は、あえて言うなら、くるりを意識してます。伝わるかな。
ほかにもいろいろあるけど、言ってたらキリなくなるので省略します。笑


●「ルーペ」という曲について

歌詞はこちらからどうぞ↓

曲を作りたいと思ったきっかけ。
自分は普段はサラリーマンとして働いていて月から金で、毎日同じ道を歩いて毎日同じデスクで働いてる。
いつの間にかそんな毎日に慣れて、時間を消費してしまうのが怖いなと思ったのがきっかけです。

「ルーペ」というタイトル。言葉について。
子供の頃持っていたみずみずしい感性の隠喩です。
単語自体に懐かしさパワーみたいなのがあり、かなり気に入ってる。ルーペ、懐かしくない?

曲の速さ。
最初はこんな速い曲を作るつもりはなかったのだけど、結果的に速い曲になってしまった。
せわしなく過ぎる毎日を表現するにはこのBPMでやるしかなかった。

イントロ。特にこだわった部分かもしれない。
もごもごさせたギターから始まり、バンドインでドリーミーな音、すこし汚めのギターの音が混じる。
これは朝、半分眠りながら急いで支度するのを表現したかった。
自分は睡眠時間を極限まで確保したいので、家を出る10分くらい前まで、布団から出ないんですけど(ダメ人間)
そういう人間だからこそ、こういう音を結果的に選ぶことになったのかなと思う。
これがさわやかな、綺麗なギターの音だけだったら成立しない、この音じゃなきゃダメなんです。

アウトロ。
イントロと音を変えて、イントロよりも明るい感じになるようにしています。
この曲を聴いて、聴いた人の頭の中の世界が少しでも明るくなればいいなという願いを込めて。

ほかにも。
Aメロは、急いでいる感を出すために、1回しの小節数を3にしたり(普通は4の曲が多いです)、
Bメロは、思い出している感を出したくて、綺麗なギターの音を使ってみたり、
すべては説明しないので、なんでこの音なんだろう?なんでこの歌詞なんだろう?って考えてもらえたら。きっと楽しいよ。

この曲は、おそらく人生で一番時間をかけて作ったんじゃないだろうか。
自分は普段からたくさん音楽をするために、1時間単位で自分の行動を管理しているんだけど、数えたら100時間を超えていた。
作っては壊して、作っては壊して、作っては壊して、作っては壊して、作っては壊して、とてつもない。
たった5分のために100時間以上をかけるって、そうそうないな。

実は、11月中旬まで一音もできてなかった。12月の下旬にレコーディングということもあり、時間がなさ過ぎてとても焦っていた。
レコーディングの3日前まで、アレンジをずっと磨いていた。メンバーにはとても迷惑をかけた。ありがとう。
でもその焦ることそのものが、曲のテーマに合っていたし、それをうまく練りこめたのかな、と思う。
本当に素敵な歌詞ができた。読んでるだけで何度か泣いた。歌ってても泣いた。


●「日々はまだ続く」について


歌詞はこちらからどうぞ↓

この曲は去年の冬あたりに作った曲。
このときちょうど社会人2年目だった。
1年半同じ仕事をずっとしてきて、仕事に飽きてしまって・・・。
いつまで続くんだろうか?なんて考えてた時期だった。

サビはのっぺりしたリズムと繰り返す歌詞を載せて、
「同じような毎日が続いている感」をすごい意識した。
このサビが出来て、スタジオで鳴らしたとき、自分の心の中の音がそのまま鳴ってる、っていう感覚になれた。
これからも、どんどんそういう曲を作っていきたい。

サビのギターの音作り。
冬の空気の中にどろっとした感情を混ぜ込みたくて、
きれいなギターの音に、汚い歪みのギターを入れました。
ライブでは彩では初の同期演奏でやります。
同期演奏も、必然性があれば全然やっていいと思っていたし、
この曲に関しては綺麗と汚いが共存していないとだめなんです。

大サビのコーラスについて。
ちょっとした遊び心で、教会っぽい感じを意識した。
大学卒業旅行で行ったフィンランドの教会がすごくきれいで、それを思い出しながら作った。
サポートあきやまんの「あ~~」っていう声が本当にめっちゃよくて、人間じゃないみたい。(ほめてます笑)

アウトロ。
夜が明けていく感じを出したかった。
ここの演奏、楽しいんだよね。笑
拍子と速さが変わります。
必然性のある変拍子って良いよね。難しいけど。

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2019年7月に出した、「フライングジェットコースターに乗って」
から約半年ぶりのリリースとなりました。

半年間にしては、異常なまでに進化しているかと思います。
自分の感覚としては、3壁くらいぶち破れた気がしてます。

今回からは、レコーディングのサウンド面に関してできるだけ多くの責任を自分で負いました。誰のせいにもしたくなかったから。
スネアの音だったり、ベースの音だったり、ギターの音だったり、コーラスワークだったり、できるだけ研究して、、、こだわりぬいたよ。

メンバーにはいろいろ注文してしまった。ついてきてくれてありがとう。
注文するだけではなく、随所で意見も取り入れ、自分の好きな部分とメンバーたちの好きな部分の共通解を探した。
間違いなく3人で作った作品です。
自分はほかの誰でもないからこそ、自分の、メンバーの人生を音に練りこめば練りこむだけ、唯一無二になるんです。
すこしばかりは音楽に近づけたんじゃないかな。

これからも「夢と現実の狭間から、あなたの日常を彩る音楽を」届けるために、新しいことに挑戦しつづける。
挑戦をやめたらバンドはそこで終わりだと思う。
型にはまらず、これからも誠実に音楽に向き合います。よろしくね。

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