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【北米エンターテイメント】ロニー・チェンのスタンドアップ・コメディを観に行った話

3月19日土曜日、トロントでロニー・チェンのスタンドアップコメディショーがあったので観に行ってきた。


ロニー・チェンはNY在住、中国のバックグラウンドを持つマレーシア人の人気コメディアンだ。とてもよかったので記録に残そうと思うのだが、記憶に頼って書いているので英語での表現があるところとないところがあるのでご容赦を。



前説はカナダのコメディアン、ジュリ・キム。夫がイタリア系の白人なので人種ジョークが多く、自分がどれだけbad wifeでbad mamaだという話が面白かった。

「夜、娘が眠った時私は輝くのよ。」My daughter goes to sleep, that’s the time when I shine.


BIPOC(黒人Black,先住民 Indigenous,その他の有色人種 People Of Color) についてはAsian in silence と付け足して、アジア人は静かだということと、アジア人のAが入っていないことをかけていた。旦那のお母さんがレイシストだという話も会場の笑いを誘っていた。


ジュリの30分ほどの前説の後ロニーが出てくる。出てきてすぐに「Zoomライブは最悪だった。再び舞台でスタンダップコメディができて良かった。」と舞台でネタを話せる喜びを噛み締めていた。


トロントへのフライトで荷物がなくなったらしい。仕方なく会場の横にあるトロント最大の巨大ショッピングモールイートンセンターに入っているユニクロで上下を揃えたとのこと。そういえばロニーがステージに出てきた時に(あれ、スーツじゃないんだ?)と思った。上は白のTシャツに下は黒のスウェットパンツというカジュアルないでたちだった。

この後ユニクロがロシアの店舗を閉めたこととスーツケースがなくなってしまってユニクロに助けられたことをかけていた。確か「やっぱり緊急事態にユニクロは必要だよな」とかだった。

ロニーがTシャツとスウェットパンツを買いに行ったそのユニクロの近くに無印良品もあって、ついでに見に行ったのだろう。「あの服誰が買うんだ?あのシャツの形、どうやって着こなせばいいのかわからない。」というようなことを言っていた。


ロンドンの笑いのレベルについての話。ロニーいわく、なんだかんだミスタービーンがコメディアンとしていまだに人気がある都市ロンドン(ちょっと馬鹿にしているような感じで)。ある日スタンドアップの最中に会場の前列に座る男に文句を言われたらしい。親についてのネタで、その男は自分の両親がどれだけ素晴らしいかを延々と語りながら反論してきたそうだ。はじめは彼の話を聞いていたロニーだがしびれをきらし 「帰った方がいいんじゃない?」Maybe you should go..と切り出すとその男はお金を払ってるんだからと食い下がってきたのでポケットに入っていたお金(10ポンドか何か)を渡して帰ってもらったそうだ。

また違う時に同じ会場でスタンドアップをしていたら今度は女性が文句を言ってきたので同じくお金を渡して帰ってもらったのだがこの時は6ポンド。

結果的に最低賃金の男女差を反映してしまったというジョーク。

「女性は交渉が下手だってこと。」Because women are bad at negotiating.

 

ロニーのスタンドアップを観ていて思うが、表情やジェスチャーも絶妙におかしい。


彼のネタは他にFacebookで記事の投稿を巡りエヴィデンスを求めるコメントで埋め尽くされていることにうんざりというものからコロナのワクチンについてまで多岐に渡ったが、やはり人種ネタは盛り上がった。



「人種差別はダメだ、特に2つの人種を比べる時に一方の人種の下から10%ともう一方の人種の上から10%を比べるから正確じゃない。全部の人種の下から10%のサンプルを比べないと意味がない。」


「この際ここで1番嫌いな人種を1、2の3て叫んでみたらどうだろう?どの人種が最悪なのかここで決めてしまおう!」


「1…2….3!!!」


少しだがパラパラと会場から人種を叫ぶ声がする。


ここでロニーのパンチラインがきた。


「今声をあげたやつ、お前らこそ下から10%だ。Disgusting! 胸くそ悪いぜ!」


人種差別を容認するかのように見せかけオーディエンスのレイシズムを炙り出し馬鹿にした。おそらくこの下から(上から)10%という表現も含めてひっかけ問題のようなものだったのだと思う。


すごい、面白い!


この後ロニーが会場に質問を投げ掛けても誰も答えることがなかったのは凍りついたからだろうか?ユニクロで服を買った話をしていた時に、「この会場の横にあるショッピングモール、なんて言うんだっけ?何とかセンター、、何だった?」と会場に呼びかけるが誰も返さなかった。




本当に面白かった!125ドルのチケット、夫と観に行ったので家計からは250ドルの出費だが最高にいい時間を過ごした。大満足で大ファンになった。実はプロのスタンドアップコメディショーを見に行ったのは初めてだったのだが、スタンドアップコメディこそ生が最高だと思った。特にロニーの場合は、なのかもしれない。アメリカのスタンドアップコメディアンに詳しい友人が今回のトロント公演のことを知らせてくれた。彼に感謝!








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