【コーチング】恋文
このジレンマの状況はなんにも変わらない。
変わらない理由はわかっていた。
誰かのせいではない。
私が心からそう望んでいたから。
魂の願いが叶えば、
小躍りしたいくらいの慶びだ。
しかし、
面倒臭い方が、ものすごく勝っていた。
今まで生きてきた経験から、きっとこうなって、こうなるんだろうと予想をした。
それを考えただけでゾッとした。
私は、魂の願いに生きたくて仕方ないのに、
いつも背筋が凍るという葛藤に襲われていた。
ここに留まっていれば、安泰で、安寧でいられるのに、
わざわざここを飛び出して行くなんて、危険すぎる。
「私はここに居たいの」
「私はここが好きなの」
悔し紛れに口に出したりもした。
でもね。
安泰のはずはない。
ここにずっと居たら、きっと腐ってしまうだろう。
わかっている。
もうため息しか出ない。
‥‥‥
夜明け前の漆黒の世界から
ほのかに空が明るくなって、目の前に赤い雲がいくつも浮かんだ。
嬉しかった。
感謝した。
そして、祈った。
その時、
桁外れの未知との遭遇をしてみたくなった。
ようやく制限を外せた。
それを報せたい人がいる。
ねぇ、
変化は万物を生育する。
あなたも喉から手が出るほど欲しいものだよね。
このままじゃ、あなたも望むものは、何一つ得られないんだよ。
だから一緒に行こうよ。
怠いし、
かったるいし、
面倒だし、
うざいけど。
それを自覚しながら、歩き出そうよ。
まだそう思わないの?あなたは。
「遅いよ。どれだけ待たせたら気が済むんだ!」
そう言ってくれないかな。
つづく
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