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読めば読むほど味が出る、絵本たちのご紹介。

前回、絵本の定期購読をしていて、よかったよー!!!という記事を書きました。毎月2冊ずつ届く、絵本たちは、その一冊一冊に子どもたちとの思い出があって愛着がわいてくるのですが、その中で、読んでいくほどに印象が変わった絵本を2冊ほど紹介したいと思います。(※先日書いた絵本の記事が長すぎたのでタイトルとともに再編集しています。以前読んでくださった方は読み飛ばしてくださいませ!でも追記もしてます笑)

一冊目は、この本。『パンやのくまさん』

可愛いサイズと絵で、わくわくしながらページを開いて子どもたちと読んだのですが、内容は、パン屋のくまさんが朝早く起き、パンの仕込みをして、朝ごはんを食べ、移動販売と店頭でパンを売り、売上を計算して、疲れて早めに眠る・・・という一日を、淡々と描くもの。なんのストーリー性もオチもなく、私は読んで「え、これだけ?」と一瞬残念な気持ちに。・・・というのも束の間、「これ、めっちゃおもしろい!」とすぐに長男が叫び、何度も何度も繰り返し読んでとせがまれたのです。

この反応を見て、そうか、子どもたちにとっては「普段の日常の一つ一つが一大イベント」なんだ、と気づかされました。ましてやパン屋さんの一日や仕事なんて、大人の私たちは当然知っていることでも、子どもにとってはまったく未知の新しい世界ですよね。絵本を通じてふと、子どもの目線や感覚を体感したような気持ちになりました。

そうやって何度も読んで、ページの隅々までよく見てみると、パン屋のくまさんが配達先でお礼のお菓子をもらったり、子どものお客さんにはキャンデーをあげたり、お店の中の掲示板に「これ譲ります」みたいな張り紙があったり・・・まちのコミュニケーションの役割を果たしているんですよね。「パン屋」って、パンを売るだけが仕事じゃないし、パンから広がる社会とのつながり・・・みたいなことも読み取れる。でも、話はただ淡々と進んでいくのが、なんかいいのです(笑)。

もう一冊は。『ちっちゃなほわほわかぞく』

正直、この絵本が届いたとき、私は自分の好みの絵や雰囲気ではなく、ちょっとがっかりした記憶があります。子どもも初めは食いつきが弱かったのですが、次第に読んでーと持ってくるようになり、何度も読むとその言葉のリズムが心地よくて、チビたちは体を揺らしながら耳を傾けています。そしてじわじわと、森の中で暮らす優しい親子のやり取り、子どもと自然の関わりに何とも言えない温かい空気を感じるようになりました。

この絵本を読み始めてしばらくしてから、絵本と一緒に届いた小冊子でこの作品が取り上げられていて、ページの絵の一つ一つが持つ意味が解説してあり、その奥の深さに驚かされました。

例えば、おかあさんが子どもをお風呂に入れるシーンがあるのですが、このときの子どもの表情がなんとも言えない「あきらめ」のような顔で。普通に読んでいたら気にも留めなかったのですが、このシーンで母の「やることはやる」という決意と、子どものほうもあんまり好きではないお風呂を「受け入れている」のが読み取れる・・・とあって、ほほーう!!!と。

確かに、気持ちいいね、楽しいね、という感じではない描写。そう言われてみると母と子の間のそういうやりとりってあるなあ、と思い、そういうなんでもないコミュニケーションも実はお互いを成長させていて、愛おしい時間のような気がして。いやほんと、こういう解説も加わって、じわじわと良さが沸き上がってくるような絵本です。

こういう、第一印象では自分で選ばないだろうなーという、だんだん味が出てくるじわじわ系絵本?!に出会えるのも、定期配本サービスの良いところです。と、やっぱり定期購読のおススメになっちゃっていますが、まったく営業でもなんでもありません!子どものための絵本ですが、大人も本当に楽しめますね。こうして書いてみると、さらにじわじわと良さを実感できるので、また面白い絵本を取り出して紹介してみたいなーと思います^^

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