森西栄一の絶筆1

昭和45年2月9日
メイフェアホテル.ナイロビにて

  1. 2月7日12,30分 羽田を発ってからも好天気に恵まれ、富士山も見え快適でした。途中ホンコン,バンコク,カルカッタ,を経由ボンベイで一泊しました。
    一泊といいましても約2時間半の仮眠のみです.つまり現地時間では11,15分につきましたが時差のため東京タイムで言いますと2,45分.それから税関とか検えき,入口手続等
    きたなく且つはスローモーなオンボロバスにつめ込まれ
    まどろんだなと思ったらもう出発といった次第でした。
    とにかく,特にあつかったのはバンコック,カルカッタ,ボンベイ,そしてここナイロビです。

    2.ここナイロビ着は昨日の10時10分、日本時間の4,10分でした。空港にはカメラマン、第18回サファリラリー実行委員会(以下18thと呼ぶ)なpubulic RelationのMrs,J,geny,Daviesほか2人の男性が飛行機のタラップの所まで出向かえてくれて大助かりでした。写真もパチパチと何回も撮影されました。税関もノーチェック、気分の良いものでした。

    3.税関を出ると日綿の大和田様、大谷様、ミスターヤング(安達様の友人)、日産の竹観様が出迎えてくれ分乗してMayfair Hotelに到着,チェックインしました。room203.日蔭は涼しいのですが日照りの所は日本の真夏のようです。
    シャワーをあび、一眠り約3時間位しましたら、窓外でドンツクドンドンのタイコの音、騒々しいエキゾストノイズ、かん高いラリーホーンで目がさめました。これはコカコーララリーといって7日、8日にわたり約300マイルで争われたものですが、サファリーで活躍する各国有名ドライバーが参加しており表彰式、ゴール等を見れたのは幸いでした。このラリーはオリンピック大会に対してプレオリンピック大会があるように本番サファリラリーの予行演習的なものだと説明されました。

    4.このラリーの結果は同封新聞のとおりですが1位ps10 sss.2位ボルボ(Joginderが昨年優勝した同じ車)3位ダットサン サニークーペもクラス1位等オールニッサンだという事で有名どころのドライバー、ニッサン関係者で乾杯したものでした。
    乾杯はチェリオ‼︎などと一般に言われるものですがここナイロビではDatsun!!で行くんだとの事で日綿の田中様は快気炎で今年のファクトリードライバーに押売り、彼等もDatsun‼︎といっては杯をほしていました。

    5,今年18thの第一番スタートのsimonian,往年のマリク,ヤング,ジョリンダー,ウルセット,フレヤー,その他有名所に気易くお目にかかれて握手出来たのはついていたと思います。

    6,今までのところはこれすべて大幸運中に事が運びましたが今日も18thの事ム所に顔出しの挨拶の後、レンタカーの件であちこち当ってもらいましたが車がないこと、あってもオンボロのトライアンフとかetcそうして、コースを3周もするとダットサン1600の新車を買った方が安価と現地の人の判断もあるとおり第一難関に当っています。10番スタートという良い順位を得た事は約100万〜50万円の金額に相当する位恵まれた幸運を得た事に比適するでしょう。

    7,いろいろ相談した結果 現地の日本人の方の車を貸り3周位したい気持になっています。貸り賃は日本で新車を一台買って返す事になるでしょう。

    8.きびしいラリーの条件等を聞くにつけ、そのラリーのために段取算段をしている様子を見ていると並大抵のことでわ駄目であるということと、又、安ホテルとは言え毎日遊んでいても3000円以上のホテル代が飛んで行くんだと自覚するし いろんな意味でスリリングですよ。

    9.先程のレンタカーの事ですが、Datsunのレンターカーは約15台位あるそうです(このナイロビ市内に)所がオール貸し出し中とか。一つこちらに来て商売でもやろうか  とのじょう談も出るくらいです。

    10. Y 51の若林さん、小林さんは本日大量の荷物が届いたとの事で多忙しそうです。

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