秋の夜長に
時々、無性に何かを伝えたくなるときがあるのに、肝心な言葉が出てこない時があります。
胸をかきむしりたくなるその渇望は、気晴らしにすすむことも、他の活動で紛らわせることも許さないで、何時間も自分が何を伝えたいのかがわからず、言葉をずっと探してしまう。
いっそ寝てしまった方が楽だとわかっているのに、離れられない。
SiaのChandelierをずっとループで流しながら、命をきりきりと削るその叫びに耳を傾ける。
とっくの昔に夏は去ってしまった。どうして、彼女は歌うのだろう。
別に病んでいるわけでもないのだけれど、肌寒くなったこの季節に体が発熱するように、ショート寸前の脳味噌が求めているのは何かの答えで、それがわかれば苦労しない。
何かがあるような気がする。それは、その瞬間のために、生まれてきたと実感するほどの真実だけど、その答えも、その瞬間も訪れはしないと今の僕にはわかっている。
別に寂しくはない。まだ夢見がちな香りが漂っているのだから。
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