シャニマス 郁田はるきWINGの話


新しきを怖がり、古きに陶酔する癖のある自分にとって、コメティックは乗り越えなくてはならない壁であると思う。
シーズの時以上にそれを感じている。
自分がシャニマスから離れていた間に283プロに加入した斑鳩ルカというアイドルの人間性すらはっきり分からず、出たソロ曲が「神様は死んだって、」だったので何となくその人間性を察しつつ、そんなところでユニットを組むことになったと知らされ、登場したのが鈴木羽那と郁田はるきである。

意味がわからん、と思った。
ストレイライト、ノクチル、シーズと、年を経るごとに追加されてきたアイドルたちはみんな曲者で、一筋縄ではいかない。そんなイメージを勝手に抱いていたら、とんでもなく人が良さそうで、可愛らしい、ふわふわとしたカラフルな子たちが斑鳩ルカの隣にいるではありませんか。
ここにきて彼女たちが追加される意味って、カラーレスアイドルとして売り出される意味ってなんなんだ?と思った。

言ってしまえば、反感じみた感情があった。
馬の合う仲間たちで寄り集まって楽しく過ごしていたら、急にかわいくて明るくて社交的なカースト上位みたいな女の子が「仲間に入れてよ」と言ってきたとする。我々オタクは、その子がいい子であればあるほど、グループ内での自分の存在価値の薄化を恐れて後から入ってきた彼女たちに排他的な反感を抱くことがある。私自身がそのオタクである。

だからどちらかというとマイナスの感情で、プロデュースに挑んだ。お手並み拝見といこうじゃあないか…と手の骨を鳴らす感じ。
そうして感じたことを以下につらつらと投げておきます。


・なるべくコメティックの情報を入れないようにしていた私は、はるきさんの声もよく知らなかった。はじめて認識したはるきさんの声は、想像していたよりずっと高かった。ふわふわして女の子らしいけど芯があって、特徴的な笑い方といい、こんなの真乃さんじゃないか…と思った。すごく性質が近い。わざとなのか?しかしはじめはアイドルになることを躊躇った真乃さんに対して、はるきさんは自ら飛び込んできた。想像もしていなかったカラフルな世界が無数に広がる瞬間を貪欲に求めるはるきさん、非常にジャンキーである。というのが第一印象。

・器用で賢い人だな、と思う。ネットリテラシーもある。正直、ふわふわしてるように見えるのに賢くて強かな人って、現実にいたらかなり苦手な部類に入る。それは自分自身の劣等感とか、どうしようもないものが混じるからあまり深くは書かないけど、そういう薄らとした敬遠みたいなものが彼女に対してある。実に失礼であるとは思う。魅力的な人だとは思いながらも、彼女の魅力を素直に受け止められない。なぜ…。

・結局、彼女はどこまでも表現者なのだと思うし、「アイドル」に執着がない。そういう意味で、彼女は「アイドルでなくてもよかった」。表現の手段をいくらでも持っていて、彼女自身どれも中途半端であることを吐露しているけど、きっとその世界で何か特別な出会いをすれば、それが彼女にとって「扉」になり得たと思う。シャニマスがずっと掲げているテーマでもある、アイドルたちがアイドルという道を選ばない未来と可能性について、皆がある程度理解を深めたタイミングだからこそ、はるきさんが加入した意味があるのだろうか。


「色づいていく」


・すべてが色づいていくような広い世界が見たい、と言うはるきさんは、今の時点ではアイドルとしての色を持たないとも言える。「自分の色」とは、これまで、283プロダクションのアイドルたちが必死に、自問を繰り返しながら求めた答えでもあり、もともと彼女らがアイドルの素質として持っていたものでもある。一方、はるきさんは、表現の手段が「アイドル」でなければならなかったその意味から探さなければならない。自分が「アイドル」であればあるほど世界は色づいていくのだという到達点を目指さなければならない。だからこそ今の時点では、「カラーレス」なのかなあ、なんて思った。

・コミュでも「新人アイドル」であることがしきりに言及されているように、この時期に283プロに入ったまったくの素人は、にちかさん以来であり、にちかさんもすでにアイドルとして経験を積んでいる。そんな新人の彼女たちが斑鳩ルカとどういう化学反応を起こしてくれるのか、コメティックの2人は正直、そういう「装置」としての加入でしかないのではないかとも少し思っていた。だけど違うかもしれない。これからも、もう少し丁寧に、彼女たちに向き合っていきたいと思います。


おわり

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