問題解決能力と語彙力

今、この場で言葉を使わずに「暑い」と感じてみてほしい。
どうだろうか?
言葉がなければ、私たちは「暑い」と感じることはできず、すべてが混沌にすぎないことがわかるだろう。
(中略)
もしかすると、あなたはここで、次のように反論するかもしれない。「暑い」と感じるのは皮膚であり神経であって、決して言葉ではないのだと。
その通りである。確かに「暑い」と感じるのは皮膚であり、神経である。
だが言葉がなければ、それを「暑い」と認識することができないのだ。
例えば「甘い」「おいしい」「好きだ」「悲しい」、これらは全て言葉であって、実体があるわけではない。人がそれらの言葉で整理したにすぎない。

出口汪「本物の教養を身につける読書術」, p.118.

「『暑い』という言葉なしには暑さを感じられない。」
これを読んで私は確かにと思った。
暑い、という言葉が無ければ暑い日は快適でなく不快、あるいは好きか嫌いという表し方になるのではないかと考えた。

話は変わるが、私は今「仕事が楽しくない」と思っている。
しかし、この”仕事が楽しくない”はただのボキャ貧であり、実は仕事は楽しくないのでなく、別の感情なのではないかと考えた。
例えば、
・仕事の内容にめんどくささを感じる
・仕事にやりがいは感じるけど人間関係が無理
・時間拘束が長くてしんどい
・朝眠い
・もっと楽して金を稼ぎたい

思い返せば仕事に行きたくないなと思う際に上記の理由それぞれが当てはまる。
「仕事が楽しくない」で思考停止していたが、最近何故楽しくないのか言語化することによって仕事に対するモチベを維持できるようになった。
最近最も多かった仕事が楽しくない理由が「時間拘束が長くてしんどい、自分の時間が取れない」が多かった。
さらに深堀して考えると、拘束時間が長いというよりも終業してから夜支度を終える頃には寝る時間になっておりお酒が飲めないという悩みであった。
そこで、いつもより始業時間を1時間早めるのに加え、「お酒を今日は飲むんだ!」という気概の下仕事に挑むようになったところ大分不満が解消された。
1時間で満足できる晩酌ができるのかどうかは置いておいて、自分の不満部分が「お酒を飲む時間がない」という部分にフォーカスできたのは大きいと思う。
なぜなら、今の私は、お酒を飲むだけで、1日を満足できる体になったからだ!!
(しかし弊害として、休日は朝起きてすぐお酒を飲んでしまう体質になってしまったため、読者の方には注意して実行してもらいたい。)

この記事の見出しを「問題解決能力と語彙力」としたが、以上の実体験より自分の語彙力を高めることは自分の人生の解像度を高めることと同義であり、自分が何をすべきか・どう行動するべきかというアドバイスに直結すると考える。
語彙力、というと堅苦しいものに思えるが何事も「どうしてそう思ったか」という深堀が必要だ。

そう思うと、「トヨタのなぜなぜ分析」は実体験からしても合理的で実用的な手法だなあ・・・

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