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【公共チーム】松崎さんインタビュー!国土のDXにおけるPoCでの取り組みとは?是非ご一読ください!

採用担当の山本です。今回は、公共事業でPMを務める松崎さんに、公共事業の魅力を伺いました!入社以来、大変な案件に取り組まれる松崎さん。


まずは、入社の経緯を教えてください。

もともとは独立系の開発会社に勤務しておりましたが、実は農学部出身で、1社目の会社では環境コンサルタントとして、植物調査を専門にしていました。貴重な植物がどこに生育しているかの調査やダムを作る際に植物に与える影響の分析、日本全土の植生図作成などのテーマで調査やデータ分析を行う際に、GISも利用していました。
転職活動では当時「DX」の求人が流行っていたのですが、言葉だけが一人歩きしていることに違和感もあり、もともとの農学部やGISに触れた経験、リモートセンシングにも興味があったことからサグリに入社しました。

入社されてからすぐに活躍されていた印象でしたが、はじめはどのような案件を担当されていましたか?

今も担当している官公庁の案件に入ったのですが、入社して初めの週に、そのプロジェクトで問題が発生しました。自分が業務を巻き取りながら旗降りをせざるを得ない状況になり、それ以来、ずっとこのプロジェクトを担当しています。
その時には遅れが出ていた設計書を、開発が進んでいるところのコードを読み解き、設計書にリバースすることでなんとか提出し、その後もプロジェクト全体の進捗に影響が出そうな局面など、なんとか自分でも実装を行いながら、やりとげました。
集中して取り組む必要のあるプロジェクトなので、入社以来ずっとこのプロジェクトに取り組んでいます。

大変な案件に長く取り組まれている印象ですが、やりがいはどのようなところにあるのでしょうか。

国の事業に関われることはやはり、やりがいですね。
自社プロダクトと強みを活かした、公共事業の大きなプロジェクトに関わりを持てるのは会社にとっても大きなことであるとも感じています。

元々環境コンサルタントをやっていて、国交省や環境省などもお客様だったこともあり、国が今、どういうことに問題を感じていて、どのような取り組みをしているかに興味があったこともあるかもしれません。

実際に今のプロジェクトでは、少子化はどこの行政にとっても大きなテーマだということを日々感じます。
少子化の影響で、行政も働き手を確保するハードルが今後さらにあがっていきます。これまで人海戦術のような形で人の労力に頼っていた業務を、いかに手がかからず、効率的なシステムで対応できるか、は非常に重要なテーマです。官公庁で働く方の熱意を感じる場面も多いですね。

農業にはさまざまな補助金がありますが、どの補助金であれば適用されるのかを判断することや、紙での申請の不備などは間違いや修正が多く、自治体の現場では大きな負担になっていると思います。
デジタル化することで、ストレスなく正しい申請書を選ぶことができ、また、入力漏れなどがないようシステムでチェックできることは自治体の職員さんの労力を減らすことに貢献できるのではないかと思っています。

行政も近い将来、人手不足が予想される中ですが、農地や国土などの管理業務においてはどのような課題があるのでしょうか。

不動産登記などの情報は税制調査などにも使われますが、今後、法令が変わることで、バラバラに管理されている様々な情報の整合性を調べなければいけなくなるかもしれません。デジタルではないのでもちろん検索はできず、1件1件帳簿で調べて確認する、という作業が発生する可能性があります。行政の現場での負担を考えると非常に難しい状況です。

サグリの自社プロダクトである「アクタバ」も土地の状況を効率的に把握するという観点では同じことなのではないかと思っています。農地の状況を1区画ずつ目視で調べ、紙の地図に記入するのではなく、衛星データ解析であたりをつけながら、土地の情報を区画に紐づけてデジタル上にデータとして残し活用していける、という点では、行政の現場の負担を減らすことにも間違いなく、つながっています。

データを整備する意義はどのあたりになるのでしょうか。

デジタル化されていない、利用されてこなかったデータというものは、利用されなかった・できなかった理由の大きなものとしてデータとして非常に利用しにくいものになっており、言ってしまえば負債に近いデータです。
しかし、そのデータ以外には何もないので、どうにか活かさないといけない、というのが去年の取り組みでした。

また、紙のデータでなく、広義のデジタル化はされているデータであっても実際に整理がされていなかったり、検索する・特定する・紐づけるなどの活用を前提としたときに使える状態ではないデータはたくさんあります。
そういったデータもまずは整備し、使える状態にする必要があります。

例えば、位置情報のデータについては、測量のデータというのは実は測量時に設定した「定点」からの相対的な距離の情報しかなく、ユニークな位置情報を指し示す「座標」にはなっていない場合もあるのです。

国土に関する情報のデジタル化をしないと、その土地の所有者が誰だかわからなくなり、例えば国としては、建物が劣化していて国や自治体としては撤去したい、と考えていても、所有者が誰だかわからず、近隣の住民が危ない状況でも何も手が付けられない、ということが発生しうるわけです。水源林も水資源の確保で重要な役割を果たしていますが、国としては保護をしたい水源林があっても誰が所有しているかわからず、打つ手がない、ということも起こるわけです。

行政の仕事では、自治体内の土地やそこに紐づいた情報を管理する仕事も多く、行政の仕事も立ち行かなくなるかもしれません。

データを整備するということは、そういった課題を解決するための第一歩と考え、取り組んでいます。

データをシステム上で矛盾なく、正規化し、整備することができると、この土地はいつだれが所有していて、どのタイミングで分割して利用されるようになり、今はこう使われている、という履歴が残せるようになるのです。

サグリの区画判定技術

「土地」に関するデータはテキストデータのみでなく、「区画情報」として可視化して表現されていると思いますが、「区画情報」はデータとしてどのような価値があるのでしょうか。

土地には面的な広がりがあるので「どういう形をしているか」という情報はかなり重要です。同じ面積の土地でも形は全然違うかもしれません。
例えば、大豆を作っている畑とされているひとつの区画が実は半分、違う作物をつくっているかもしれません。棚田も上と下では日照量もかなり違います。これをすべてテキストデータで表そうとした場合、座標や標高など含め必要なパラメータがかなり多く、表現する難易度は高いです。
そういった意味で、「区画情報」はGIS上で管理することで、土地が持つ情報の特性をそのまま表し、管理ができるようになります。
「可視化」はあくまでも手段であり、情報の特性をそのままデータ化し、利用がしやすい状態にすることが目的です。

サグリの持つ強みはリモートセンシング技術の活用だと思いますが、区画情報に付加属性を追加できるという点では目の付け所がよかったのではないかと考えています。
ひとつの区画(=ポリゴン)毎に、所有者・履歴・属性情報など多層的な情報を管理できることは大きな価値なのではないでしょうか。

通常のシステム開発と、PoCでの開発の違いはどのようなところにありますか。

通常のシステム開発は、まずシステム化したい業務などがあり、それをシステムでどう実現するかがわかっている状態で設計書を作成し、開発していきます。

一方、PoCは実現できるかわからない業務です。
例えば、サグリでやっている衛星データ解析も、「この畑で何の作物を作っているか?」の判定がどの程度の精度で出せるかどうかはやってみなければわからないですよね。
それと同じように、公共チームで行っているPoCもゴールにたどり着けるかどうかわからない、技術的に実現可能かどうかがわからないプロジェクトです。
道を探しながら仕事を進めるしんどさはありますが、思考訓練的には面白いと私は考えています。

また、PoCでは、こうやればうまくいくのではないか、という仮説を実際のシステムに落とし込むと、見込んだ結果を違う結果となってしまったり、ある程度の精度は出せても、現場でシステムを利用するユーザー目線では精度が全然足りていない、ということも起こり得ます。

PoC案件は、どのようなゴールを置いていますか?

できることを目指して取り組むのがPoCですが、当然できると確信を持って始めているものではないので、納期までに「ここまでできた」「できなかった」という思考のプロセスの説明やできるかできないかの判断が必要になります。

「できませんでした、ごめんなさい」となった場合、ビジネス的には次の案件につながらないという課題はありますが、無理なものを無理に「できた」とは言えません。
そのような中で、どうしたらできるか、次の開発につながるか、という意識を持って取り組んでいます。

最後に、サグリならではの魅力はありますか?

サグリの環境の良さと、他のメンバーの方の熱意が高い点はとても魅力だと思っています。

設立数年のベンチャー企業がこのような国の政策に関わる案件に携われることも大きな魅力なのではないでしょうか。この案件にサグリが取り組めているということは、サグリの事業が時代に合っていて、求められているものであり、タイミングもよかったのではないかと感じています。

公共チームとしては、まだ、サグリはスタートアップで大きなシステム開発を行うパワーはないかもしれませんが、今やっている案件は会社が成長するために必要な案件だと感じています。

サグリはまだまだ技術力を向上させることが必要ですが、今は、会社を成長させたいと思いで業務に取り組んでいます。
衛星画像やリモートセンシング技術の活用がサグリの事業の主軸であり、公共チームの仕事はそこではないですが、大きな仕事をするためには、必ずPMが必要になります。
うまく役割分担をしてサグリでも必要とされるチームを構築していきたいです。

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