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嘘つきはビッグモーターだけじゃない

ビッグモーターの事件が世間を騒がせたが、この会社に関しては実体験が一つある。

今から約6年前、当時乗っていた車を売るためネットで一斉見積もりを出したときのこと。

「査定開始ボタン」をクリックした瞬間から立て続けに近隣の中古車買取業者から電話がかかってくる。

車を売った経験がある人ならわかるだろうが、中古車買取ほど広告の謳い文句と実際の印象が違うものはない。

「最高額で」「他社でダメと言われても」「1円でも高く」

どの社もそう言うが、実際会ってみると徹底的に買い叩かれる。これでもかってほど買い叩く。それが彼らの生業だから否定するつもりはないが、ずば抜けて最低金額を提示してきたのが、ビッグモーターだった。

中古車買取価格満足度1位、買取台数6年連続1位、と連日CMで謳っていたので期待していたが、結果はまるで違った。店舗名こそ挙げないが、店員の対応も最悪で、帰りに見たでかい看板の佐藤隆太を憎んだ。

佐藤隆太の所属事務所は今回の騒動を受け、タレント側から契約解除という異例の措置を取ったが、それがどうしたと思う。私の印象は悪いままだ。今回の件が発覚する前から印象は悪い。最低金額を提示され、ひどい対応を取られた直後に見た看板の佐藤隆太を愛するのは難しい。

彼に非がないことは頭で分かっていても、感情がそれを許さない。

広告塔として随分稼いだことだろう。その金額は、その企業が悪いことをしたときに受ける流れ弾分も含まれる。広告塔なんだから。

最近の実体験で言えば、biglobe光の印象も悪い。これは全てYouTubeで話した通り。

先日、車を車検に出した。

「これは変えた方がいい」

と言われても、なぜそれを変えた方がいいのか、こちらにはさっぱりわからない。

一つ一つ調べることもできるし、何件かに見積もり依頼することもできなくはないが、その手間を考えると、素直に従って払ってしまった方が早いという結論になる。そういった客の心理をついたのがビッグモーターだった。

多かれ少なかれ、どの業者も似たことはやっていると思う。ビッグモーターはその“程度”がシャレにならないレベルだったから問題になった。

私は、車検に出す店は「町の声」で決めた。

ネットでもなく、直接周辺の人間に聞き、評判がいい車屋を聞いた。そこは小さな整備工場だが、かれこれ10年ほどお世話になっていて、ちょっとした不具合ならいつも無料で直してくれる。

「ここならちょっとくらい騙されもいいや」、と思えるくらいお世話になっているので、毎回そこにお願いしている。なので、「変えたほうがいい」と言われたら、黙って従う。料金だけ確認したうえで。

なにかの決断をするとき私はいつも「騙されてもいいや」と思って決断する。裏を返せば、この人になら騙されてもいいと思えないと決断しない。発注しない。

みんなビジネスだし、みんな儲けたいし、みんな楽したい。自分自身もそう。みんな、ちょっとずつ嘘つきだ。そうやって世界は回っている。なにかを信用しすぎることを諦めてしまった方が良い。そうすれば、ジャニーズの問題ももっと早く誰かが手を打てたのではないか。

8割の流儀・鷺谷政明

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