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【松本人志】霜月るなの証言からわかること

松本人志さん側の声が届き始めた。

ここまで出なかったのは、指原莉乃氏の「セカンドレイプ」発言の影響が大きかったからと以前記したが、

約2ヶ月の時を経て、現場にいたという女性が声を上げた。(※A子さんとは別の現場)

どこの誰か分からない顔なし匿名ではなく、顔出し実名(芸名)投稿であったため信憑性が高いと見て、世間がざわつき始めた。

ネット上の議論に決着はない。どちらかが飽きるまで続く。

松本人志さんを叩くことで自分のポジションを維持または向上させてきた人たちにとっては、この女性の登場は許されない。なんとかして退場願わなければならない。

霜月るな氏はすでにあちこちから叩かれていて、こんな奴の言うこと信じるのかよと、過去を掘り返されてたりもする。とすると、他の女性が彼女に続けるかは微妙なところ。

しかし、文藝春秋の局長も「客観的証拠はなにもない」とあっさり白状した。

ある程度売るものは売ったし、ネタ切れだし、ここらが潮時と見計らった素晴らしいタイミング。

局長の言い分をまとめると、

「当時の状況なんか俺らが知るわけないし、現場の証拠もあるわけないし、警察にも聞いたけど、これを刑事事件として立件するのも不可能と言われてるから、僕たちがA子さんを思ってやってあげたわけ。女性を守るための社会的意義ってやつよ」

ってこと。ガーシーやん。

今回の松本人志さんの問題は、どこまで行っても、「ついていかなきゃいいじゃん」に尽きる。  

それを言うとセカンドレイプ扱いされるから誰も言わない。言えない。だから指原氏の発言が重かったわけだが、前の記事でも言った通り、これは道端でいきなり襲われた話ではない。伊藤選手の問題も同様。

そのため文春は、「行かざるをえない雰囲気だった」「断らざるをえない雰囲気だった」ということを読者に印象付けるよう、巧妙に記事にした。

ただ、女性の身を守ることを一番に考えれば、「そういう可能性があるところには行かなようにしようね」「断ろうね」「万が一そういうことになっても証拠不十分で訴えることもできないよ」、ということを大人が言ってあげるべきだった。もう一度言うが、これは道端でいきなり襲われた話でも、ロープで縛り付けられて襲われた話でもない。

性的同意の有無というのは、セクハラ同様、相手によっても状況によっても変わるため、客観的に定義されにくい。だから、「あのとき本当は嫌だった」議論が今なおネットで否定派・擁護派が争っている。

松本人志さんを徹底的に叩いてきた人たちは「所詮週刊誌だからね-」と路線変更することはできないため、松本人志さんが復帰しようがしまいがこの議論は続くと思う。

私人逮捕系YouTuberが批判されるのは、なんとなーく変な人たちに見えるからで、文春が支持されるのは、なんとなーくちゃんとしてるっぽいから。でも、やってることや行動原理はほぼ同じ。法で裁けないなら俺達が裁く。みんな見てくれよな。これが表に出ない世の中の闇だぜ。

それで暴かれた社会的意義があるものも、ある。そうでないものもある。週刊誌はそういうもの。

10代の人ならまだしも、30代40代にもなれば、週刊誌の過剰な煽り方に何度も振り回されてきてるはずで、嫌でもそう認識させられている。

だから話半分というか、内容によりけりというか、その情報との距離の取り方は大人はその都度測るものだけど、一部の人たちはこれを武器に徹底的に松本人志さんを攻撃し、活動休止に至らせた。松本さんもパニクって変な投稿しちゃった。

「文春は裏付けきっちり取るメディアだから、舐めないほうがいい」

と謎の立ち位置からこんなことを言ってた人たちも、正直しんどい。

渡邉センス氏と勘違いして、ある構成作家に「文春です!渡邊センスさんですよね!」と突撃取材をして、人違いだと否定すると「嘘つかないでください!お答え下さい!」と関係ない人の写真を勝手に撮影し記事にしようとした取材の杜撰さも露呈した。この件は記事にならないのか。というか、霜月るな氏の件も記事にならないのか。あれこそ文春砲的な告発じゃないか。

前の記事の通りで、そこに恣意的な、悪意ある報道体制がある限り、その情報をフラット受け止めることはできない。

これも何度も言ってきたが、仮に松本さんとA子さんの当日の映像が出てきても、「あのとき本当は嫌だった」の証言は覆えせない。その映像内で合意してるように見えても、「本当は嫌だった」という胸の内はわからないから。胸の内が分かる客観的資料なんかあるわけない。

松本さんが暴力を振るったり、凶器で脅したり、睡眠薬を飲ませてロープで縛り付けて襲ってる様子でも映っていれば別だが、そもそもそんな証言はA子さんからも、他の女性からも出ていない。

だからこそ、全ては本人にしか分かり得ない胸の内一つであり、それで一人の人生を終わらせてしまえるメディアや文章は相当危険だ。

松本さんだから経済的には耐えられるだろうが、普通の人ならとっくに終わってる。もうやり直せないし、立て直せない。

僕は、霜月さんも、A子さんの「本当は嫌だった」も、嘘ではないと思う。

事実は一つでも、人によって受け止め方は違うし、松本人志さんのA子さんと霜月さんに対する態度も違うはず。あなたもそうであるように、すべての人に全く同じ態度で接する人はいないし、同じ人にだってその日の機嫌によって接し方は変わる。

霜月さんには優しかったが、A子さんには多少強引だった、ということもあるだろうし、そもそも、霜月さんが松本さんに好意的で、A子さんはそうじゃなかった、と考えるのが自然かもしれない。

そのため、今回の霜月さんの告発から分かることは、松本人志は完全に潔白だった、とかそういうことではなく、「文春は誇張しすぎですよ」、ということ。

そういう飲み会自体は存在するし、文春も嘘は言ってないけど、記事にあるような、女性を道具のように扱ったりはしてませんでしたよ、という点。

道具のように扱われたかどうかも、結局はその人の感じ方次第になってしまうからこそ、霜月さんの意見は貴重だった。

だから、情報を受取る僕らが一番注意しなければいけないのは、こういった文春の演出力だ。

ジャニーさんの件と同じとは絶対言わないが、そう思わせる力。松本人志は性加害者とは絶対に言わないが、大衆にそう言わせるテクニック。

ちょっとした誇張、部分的な脚色で、びっくりするほど印象は変えられる。伊藤純也選手の記事にもあった「半ば強引に飲ませて」なんて、どこまでの行為がこの表現に入るのか考えてみてほしい。こんな一言でも、いかにこれが巧妙な表現であるか気づくはず。

よほどサッカーや伊藤選手に関心がある人じゃなければいちいち考えない。「サッカーの代表選手が調子こいて女に訴えられたらしいよ、バカだね」で終わり。それ以上追わない。考えない。忙しい。

週刊誌はそんなテクニックで何十年もやってきた。文春はそのトップだ。普通の人がそんなプロ記事から実態を見抜くのはまず不可能。だから、話半分くらいに距離を置いておかなければ、誰もが惑わされる。

このあとはどうなるか。

松本さんが復帰したら、ファンには再び愛されるだろうが、それ以外の人には「おもろいけど、女の扱いが雑なモテないエロジジイ」イメージは残ると思う。

一度書かれてしまった以上、松本さんの風評は完全に消えることはなく、文春の勝ち逃げは基本変わらない。

裁判がどうなるかは分からないが、文春の売上が帳消しになるほどの賠償金が判決で言い渡されるとは思えない。

松本さんの復帰タイミングは9月とYouTubeで僕はずっと予想してきているが、そこで、松本さんの芸風が少し変わるといいなあと思っている。

あくまでこれは僕個人の勝手な思いだが、メインストリーム行きまくりCMやりまくり公的アンバサダーもやりまっせ松本人志には、あまり興味がない。

僕が好きなのは、ただただ面白い松っちゃん。不謹慎で下品で世間から批難される松ちゃん。

良くも悪くも積み上げすぎた松本人志さんは、強制的に一度崩されることになった。もう十分功績も残してきてるし、今回ちょっとそれが壊されたし、その開き直りから来る毒っ気が芸に昇華され、いつでも辞めたらあ精神で、無茶苦茶やってくれないかなあと勝手に願っている。

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