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第7回 「ユニカレ受講生の発表に涙腺決壊」

障がいがある人の就職を全力サポートする障がい者ビジネススクール「ユニカレさが」の代表、大野のブログです

先日、「障がい者ビジネススクールユニカレさが」のオープンキャンパスがありました。その中で起こった、感動的なことについてブログを書きます。

ユニカレさがのオープンキャンパスは年に1回実施しています。今年も、2月20日に開催しました。

オープンキャンパスはユニカレさがの説明会のようなもので、毎年、15組ぐらいの参加者がいらっしゃいます。ご当人だけではなくご家族や支援者もご一緒されることが多いので「組」という言い方です。今年は当日の飛込も含め14組のみなさまに参加していただきました。

オープンキャンパスではさまざまなプログラムをご用意していますが、毎年好評なのが卒業生と受講生の体験スピーチです。今年も三名の方に発表していただきました。三人ともすばらしいスピーチで、それぞれが、それぞれの成長した姿を見せてくれて、感動的でした。その中から今回紹介させていただきたいのが、ユニカレに入学して9か月のR子さんです。

彼女は高校を卒業後ホテルに就職、宴会部門に配属されますが、仕事に不適応が生じ、メンタル不調に落ち込み、休職しました。クリニックで受診したところ、発達障害とそこからの適応障害の診断が出ました。それを受けて会社を退職し、その後、昨年のオープンキャンパスを経てユニカレに入校しました。子どものころから、発達障害に気づくことなく、なんとなく生きづらさを感じながら生活してきて、社会に出たときに不適応が発生したのでしょう。

入校時は、本人自体の環境への戸惑いや、本人の中での障害を受容できないが故の葛藤、高校時代の友人と比べての焦りやユニカレに来ること自体の目的喪失などがあったため、素直ではない態度や感情的な行動などが散見していて、彼女の社会復帰プログラムの定着は難しいなと思わせていました。当時は、普段から笑みもなく、他の受講生からの距離をとり、自分のテリトリーの中で、他の介入を一切拒否していたような雰囲気を醸していました。障害受容ができていないので、それは仕方ないことでしたが、どうしたものかなと思っていました。

そんなある日、彼女の感情が臨界点に達し、ユニカレに来て相談室にひとりこもって泣いていました。なぜ涙が出てくるのか、何に泣いているのか、本人もわからなく、混乱と葛藤が極まり、心の安定が大きく崩れた状況でした。根気強く職員が向き合い、対話することで、彼女は自分の思いを吐露することでき、何が自分にとって課題であり、何をしていかなければならないかに、自分自身が気付いていきました。やがて彼女は少しずつ心の中の鎧を外していき、落ち着いてきました。そうするうちに、日常の中で普段に笑顔が出てきて、他の受講生とも笑いながら会話もし、職員とも肩ひじを張らない穏やかな会話ができるようになってきました。

そのような彼女にとって穏やかな日常のなか、職員のほうからR子さんにオープンキャンパスのスピーチを打診したそうでした。入学当初のままの彼女なら、きっと即座に断っただろうに、今回は発表を快く引き受けてくれたと聞き、たいへん驚きました。

オープンキャンパス当日の彼女のスピーチを聞き、私はなおも驚きました。その内容があまりに感動的だったからです。これまでの自分自身の変化、自分が学んだことの意味、そして何より前向きに頑張るんだという素直な姿勢を自分の言葉で発表してくれたのです。その姿に、人は素直になり、自分自身に出会うことができると、変わることができるんだということを証明してくれたのだと、心から嬉しくなってしまいました。

それだけではありません。彼女は私の娘と1年違いで、それがために、ユニカレ代表の立場だけではなく、父親のようにうれしく、誇らしい気持ちになり、なんと「涙腺決壊」という事態になってしまいました。

もともとかわいい人でしたが、内面からあふれでる純粋な雰囲気がなお一層彼女を素敵に成長させてくれています。きっとR子さんはいい就職をするだろうと思っています。また、いい就職をしてもらうようにユニカレとしても全力でサポートしていかなければいけないし、その責任もあるなと強く思わせてくれました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
障がいがある人のための就職応援事業所
障がい者ビジネススクールユニカレさがの詳細、最近の活動はホームページ
http://unicolsaga.or.jp
を、ご覧くださいね。


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