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「サガン鳥栖のファン・サポーターの皆さまへ」を想像する

2024シーズン J1リーグもすでに第12節が終わりましたが、サガン鳥栖は2勝2分8敗の19位と成績が芳しくありません。

ここ最近では、(これに関しては本当にチームが言ったかどうかはわかりませんが)監督の継続人事がスポーツ紙から伝えられたことにより、チームとしての見解をサポーターに示せなどという声も上がってきました。

私としては、監督継続の声明や見解よりは、未来に向けたビジョンとか、実現に向けたロードマップとか、サガン鳥栖としてのあるべき姿的なものが聞きたいのですが、そういったものは更に期待できないだろうなと半ば思っている状態です。

そんなこんなで、お忙しいと思われる、サガン鳥栖さんに代わって、現状では、こう思っての監督継続なんだろうなという想像の下、意思表明の文章を作ってみました。良かったらちょっと俯瞰したところから眺めるような気持ちで見てみてください。

サガン鳥栖のファン・サポーターの皆さまへ

日頃より、クラブ、チーム、選手へ対して、多大なるご支援をいただきまして、誠にありがとうございます。
ホームゲームにおけるみなさまの声援、拍手、温かい声、時にはチームを鼓舞する叱咤、そのすべてがクラブ、チーム、そして選手にとって非常に大きな励みであることを再認識しています。

今シーズン、これまでの残留を目標としてきたチームから、勝ちづづけるチーム、ひいては常にタイトル争いをするチームへと変革するべく川井監督体制3年目を迎えました。
昨シーズンの終盤ではなかなか勝てない時期が続きましたが、今後勝ちつづけるチームを実現するためには、継続した強化と一貫したスタイルが必要と認識し、中長期的なプランの元、川井監督と共に継続して取り組むことが最善であり、必ずやサガン鳥栖の成長につながると判断しての続投でした。

しかしながら、現状ではなかなか結果に結びつかず、2024シーズンJ1リーグ第12節終了時点で2勝2分8敗の19位という、ここまで思うように勝ち点を伸ばせずにふがいない結果を重く受け止めております。皆さまには多大なるご心配をおかけしておりますこと、心より深くお詫び申し上げます。

中長期的なプランにおいて、クラブの目指すサッカースタイルとしては、「攻守にイニシアチブを握るサッカー」であり、近年におきましては、特定の選手の特徴に頼らずに組織としての強さを表現するべく、ボール保持率の向上、適切なポジショニングとパスワークによる攻撃、前線からのアグレッシブな守備に主眼をおいて取り組んでまいりました。

これに関しては、トップリーグであるJ1に昇格してから危機はあったものの一度も降格しておらず、ここ数年では戦術面においてもJ1を席巻するような試合を見せる事ができ、サッカースタイルの方向性に間違いはないと認識しております。

そして、無論、その根底には、最後まで諦めず、常に仲間のためにハードワークし、すべての力をサガン鳥栖のために尽くして全力で闘う”サガン鳥栖魂”があってこそのサッカースタイルであり、サガン鳥栖に関わるすべてのスタッフや選手には、決してひと時でも忘れないよう、常日頃から合言葉のように言い続けております。

サガン鳥栖は、SRO(SAGAN RELATIONS OFFICER)という役職を設定しております。これは、地域、サポーター、スポンサー、サガン鳥栖に関わる全ての皆様とクラブが一つになってクラブ理念である「人づくり・まちづくり・夢づくり」を実現し、クラブの存在価値を高めるため、皆様とクラブとの丁寧な関係性づくりを担う役割です。みなさまもご存じの通り、弊クラブにおいては、高橋義希がこの任務に就いており、サガン鳥栖はどういう歴史をたどって来たか、サガン鳥栖の一員としてどう振る舞うべきを伝える伝道師となって取り組んでおります。

また、先般、着任いたしましたスポーツダイレクターである池田圭は、15年間のプロキャリアをサガン鳥栖で過ごし、サガン鳥栖のDNAを紡いできたメンバーでもあります。彼も、また、スポーツダイレクターという立場から、監督、コーチ、選手にサガン鳥栖の一員としてのプライドを保つよう、ひとつ上の視野を持って評価しつつチーム強化に取り組んでおります。

最近では、ファン・サポーターの皆さま、特にサガン鳥栖を長く支えていただいている方々から、
「選手たちはサガン鳥栖らしさを失ったのではないか」
「監督やコーチはサガン鳥栖の文化や伝統を知らないのではないか」
というご意見を良く頂戴しております。
確かに、ここ最近のサガン鳥栖においては、毎年のように選手が入れ替わるケースが多く、サガン鳥栖のことを知る前に去っていくメンバーもいるため、そのようなご心配をおかけしているのかもしれません。

この点に関しては、上記のように、クラブ全体として、サガン鳥栖の歴史と伝統を継承し、クラブとしてのアイデンティティを失わないような組織作りに努めており、決してぬかることなく対応できていると自負しております。
なかなか成績に反映せず、ここ数試合もふがいない戦いが続いておりますが、サガン鳥栖らしさを失っているというご指摘に関しては、決してそうではないことをどうかご理解いただければと存じます。

現状の課題として、J1に残留することが最低限の達成ラインだと考えております。リーグ戦においては苦しい状況下でありますが、ルヴァンカップ、天皇杯というタイトルに関してはまだまだ可能性を残しており、タイトル獲得の可能性がある限りは、そこをつかみに行くための最善を果たしたいと考えております。

同時に将来に向けた成長や歩みを停滞させてはならず、単に残留だけや単発でのタイトル獲得を果たすのではない、継続性を伴ったチーム強化が必要だと認識しております。

継続性は必要ではありますが、スタッフ人事、特に監督におきましては決して聖域としては考えておりません。監督が長期間ポジションに留まり続けることによって、チームのなかのマンネリ化が生まれるため、監督交代によって選手に新たな刺激を与え、モチベーションを高める効果があることも考えられます。

そのためにも、チームの成長プロセスとしては、クラブ主導でチーム強化の方向性を維持し、ぶれずに継続的に取り組む点を最も重要視しております。クラブが監督やコーチに頼り切り、監督の思いや考えによってチームの軸であるクラブのサッカースタイルが変化することは決してあってはなりません。また、我々の目の前にある状況を考えた場合、J1残留をひとつの目標として、チームで決意・覚悟を持って、モチベーション高く一体感を持ってやっていける状態を作らなければならないと感じております。

その観点からも、川井監督が指揮を執ることが適切であるのだろうか、今シーズンJ1残留を果たすことができるのか、ひいてはサガン鳥栖の未来のためにつながるのかという現在のチーム状態を評価しました。

いまのチームは、敗戦を振り返ってしっかりと分析し、戦術的に上回るための変化を求め、個人個人のスキルで不足している部分を徹底的に磨き上げ、下を向いてチームがバラバラになることなく、全員が絶対に勝つという強い意識を持ちながらモチベーション高くトレーニングに励んでおります。

結果は出ておりませんが、今年のチームが当初から描いてたゲームプランには徐々に近づいており、ひとつ歯車がかみ合うことによって、攻撃面も守備面も好転する事が大いに期待できる状態です。また、分析データや評価データという定量的観点に関しても、想定と大きく乖離しておりません。

監督、スタッフ、選手たちが情熱を失わずに一体感を持って励んでいる限り、結論としては、現時点においては、川井監督を継続することが、クラブに取って最善の選択であるという判断をいたしました。また、川井監督と共にシーズンを戦い抜く上での戦力強化は必要と捉え、夏の移籍ウィンドウにおいての補強を検討しております。継続するところ、変化するところ、そのバランスを保ちつつ最適な状態を創り上げるため、チームとしても現状打破を目指して邁進していく所存です。

ただし、監督、スタッフ、コーチだけが一体感を持ってもそれは本当の意味でのチームではありません。
何よりも必要なのは、ファン・サポーターの皆さまのチームを後押しする熱い思いであり、スタジアムでの声援、拍手、温かい声、時にはチームを鼓舞する叱咤激励、これらの要素がチームとしてより一層前向きに戦えるエネルギーとなります。

皆さま方がひとりひとり胸に抱えている17の誇り、それらがベクトルを合わせて同じ方向に向かったときに、大きな力となって一体感を持ってシーズンを戦っていくことができ、そしてチームにとってはこれ以上の強いパワーはなく、必ずや目標達成できると信じております。

次のステップへ「進」むためには、みなさまの熱い気持ちが必要です。
引き続き、サガン鳥栖へのご支援とご声援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


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