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サガン鳥栖U18 3年生へ贈る言葉 〜プレミアファイナルに向けて〜

2022年度プレミアウエストを制したサガン鳥栖U18が、12月11日に、イースト王者の川崎フロンターレU18とプレミアファイナルを戦います。この試合で、3年生にとってはサガン鳥栖U18として最後の公式戦となります。これまで、我々にたくさんの喜びを与えてくれた3年生に向けて、ひとりひとりに私の思いを語ってプレミアファイナルに送り出したいと思います。

栗林 颯くんへ

鳥栖のゴールを守ってもらってありがとうございました。
2年生のときのプレミア初年度からゴールを守ってもらって、勇気あるプレイはめっちゃ心強くて、それが故に前半に怪我で交代してしまった試合もあったりしたけど、今年は無事に怪我なく出場し続けて、プレミアファイナルにも出れそうで良かったです。

フル出場を続ける中、唯一、アウェーガンバ戦で大学受験と重なってしまって試合に間に合わなかった時があったけど、後半の途中に颯爽と…
まさに”颯”のように走りながらグラウンドに入ってきたときは救世主のような心強さを感じました。
そのとき、思わず、「あ、クリリン!」って声を掛けたら、走りながらこっちを向いて、にやっとしてくれたときは、頼もしさとはこういうことなのかとまた、私の心の日記に新たなシーンが刻まれました。
せっかくそうやって出場してもらったけど、結果として大逆転負けになっちゃったのは、いまとなっては良い思い出です(笑)

そして、忘れもしないC大阪戦。なかなか勝てない時期が続き、駅スタ開催ということ、勝たなければ自力優勝がなくなるということ、それらの状況から全体が前がかりになって守備が手薄になった時に喰らったカウンター。
正直死んだと思ったら、クリリンがここぞのところでスーパークリリンになってビッグセーブを連発!あのビッグセーブがなかったら、きっと、このプレミアファイナルという場には立てていなかったでしょう。クリリン本当にありがとう!

プレミアファイナルでも、ぜひ、スーパークリリンとなって、至近距離のシュートにめっぽう強い所を見せつけちゃってください!

山本 楓大くんへ

今シーズン、最長時間出場を誇る、サガン鳥栖U18随一の鉄人。
端から見たらコンディションが悪そうな時期もあったけど、そのときはチームもリズムをとれていないなということを感じる試合もあって、楓大のプレイがそのままチームの浮沈に関わるキーマン的存在であるのをすごく感じました。U15時代からチームを支える、まさに縁の下の力持ち。本当にありがたい存在でした。

あれは3年くらい前の、門司での試合だったかな。どこの試合だったかな。ただ、覚えているのは、中学生とは思えないほどの冷静な対応と的確な判断で「流石の楓大」略して「サスソウタ」が生まれました。ゴロが悪いのは勘弁してください(笑)

絶妙なタイミングのオーバーラップ、相手を置きざりにするカットイン、力強い縦へのドリブル、そして絶対に抜かれないデュエル守備。楓大の良いところを国立競技場に来てくれた全員に知ってほしいので、プレミアファイナルでも、流石のプレイをぜひぜひ見せつけちゃってください!

今村 元紀くんへ

いつも、試合後に(特に負けたときは)深々と頭をさげてくれるのを見ています。
それだけ、支えていただいている保護者の方に対する感謝の思いが強く、我々サポーターに対しても勝利を見せたいと思ってもらってるんだなってすごく感じるものがありました。

重い怪我をして試合にでれないときも、誰よりも大きな声をあげ、誰よりもチームを鼓舞し、試合にでれない元紀が力いっぱい出している声援で、勇気を得られた選手が数多くいると思います。いま、そのチームを鼓舞する役割は莉温が引き継いでくれたので、安心して次のステップに進めるかな。

誰よりもチームのことを思っていたのは元紀だったと思います。その反面、責任感の強さから、プレッシャーに押しつぶれそうになって、試合前はごはんも食べれないくらいナーバスになることもあるという話も聞きました。
元紀のその思いが報われ、終盤の苦しい戦いを経て優勝という結果で終えて本当に良かったですし、元紀がいろんな重圧や自分との戦いに勝ち抜いたことが、自分の事のようにうれしいです。

最終節磐田戦後に選手のサイン入りのタオルを頂いたときに、つい、リクエストでプレミアファイナルでフリーキック決めてねって言っちゃったんだけど、にこっとしてくれたので、きっと決めてくれると信じてます。
あ、また、プレッシャーを与えてしまった(笑)
プレミアファイナルは思いっきり自分の力を出して、そしてゴールを決めて、鳥が飛ぶようなPATA PATAパフォーマンスを是非見せてください!

秦 康幸くんへ

怪我との戦いもあって、なかなか思うようにサッカーをできない3年間だったかもしれないけど、本当におつかれさまでした。
コロナ禍で見れないときから、日が経って久しぶりに見たときはすごく身長が伸びてて、それに応じてジャンプ力も増してプレイも洗練されてきて、すくすく成長していたので、「すくすく秦くん」と勝手ながら呼んでました(笑)

怪我もあったし、その期間に周りの選手の成長にもあって、試合に出れない日々が続いたでしょうが、試合の設営などでチームを支えることを厭わずにもくもくと対応してくれてて、秦くんは、誰かがやらねばのその「誰か」を担ってくれる存在でした。いつぞやは、我々の横断幕の貼り付けや片付けも手伝ってくれて本当にありがとうございました。

いつの試合か「プレミアファイナルへ行こう」の横断幕を貼り付けたときには秦くんはいなかったのかな?そのときに誰かが
「これは秦に見せたかったな」
と言っていました。チームの中でもそうやって愛される存在でもある秦くん。プレミアファイナルでは、裏方としての役割になるだろうけど、これまでどおり、最後まで役割を全うしてGood Jobな秦くんを見せてください!

藤吉 春翔くんへ

筑後FCジュニアユースからきてくれて3年間、本当におつかれさまでした。

全国優勝してサガン鳥栖U15からあがってきたメンバーたちもいたので、ついていくのになかなか大変だったかもしれないけど、いつぞやの試合では、ベンチにいた先輩の安藤くんからのアドバイスを真摯に聞いて、それを自分のものにしようとする姿勢に、サッカーが上手になりたいという思いと一生懸命さを本当に感じました。

春先のサニックスカップでは途中出場ながら試合に出る機会を得られたけど、そこから怪我などで、試合出場の機会を失ってしまった中、怪我が治ってから、プリンスリーグなどで出られるようになって、途中出場から最終ラインで必死に後輩たちとともに戦う姿を見たときは本当にうれしかったです。

プリンスリーグの最終節大分戦では、ビハインドを取り返すために、最後はまさかのフォワードとしての交代出場でした。終了間際でいったん試合が落ち着きかけた頃に春翔が入って猛烈に走り回ってプレッシャーをかけてくれたことで最後の猛攻につながったし、そこで追いつけなかったことは、春翔がこれからもサッカーを続けて、なにかを成し遂げられるまで頑張れという試合からのメッセージだったかもしれません。

プレミア最終節磐田戦後に、
「この前はフォワードだったね。めっちゃ走ってたね。」
と話しかけたら、にこっと笑顔で
「やりきりました。」
と言ってくれたときには、うれしくて涙がでそうになりました。
サガン鳥栖U18に来てくれてありがとうございました。
感謝の気持ちを添えて、たくさんのハートを送ります!

竹内 諒太郎くんへ

はるか遠く愛知から来ていただいてありがとうございました。

1年生の時から超大物という触れ込みでやってきて、慣れない土地で色んな不安や重圧もあっただろうけど、ようやく3年生になってプレミアでポジションを掴んで、活躍してきた途端、春先に大けがをして、それからもチームは好調を維持し、諒太郎にとっては、長く苦しく感じたシーズンだったかもしれません。

夏頃だったかな、あとどのくらいかかるかって聞いたら、今シーズンギリギリ戻れるくらいだと話してくれました。焦らんで治してねって言葉に大きくうなづいてくれたのですが、シーズン終盤でトレーニングを開始して、そしてプレミアの地に戻ってきてくれたのは本当に良かったです。最終節磐田戦であげてくれた先制ゴールはチームに大きな勢いをもたらせてくれましたね!あのゴールは我々サポーターにも大きな勇気と大きな安堵をもたらせてくれました。

先日のプレミアアウェーの名古屋戦では、ご家族の方ともお話させてもらいました。
ご家族の方から、横断幕のキャッチコピーなど、サポーターの方はよく見てくれているという言葉をもらって本当にうれしかったです。
家族一丸となる応援を受けていて期待されているのを感じましたし、その期待にぜひぜひ応える活躍をトップに上がっても見せてほしいなと思います。
弟さんもユースチームからの挑戦が始まりますが、プロに昇格して、トップチームで兄弟対決を見たいので、兄としてよい姿を見せれるように頑張ってください!

プレミアファイナルでは、誰にも負けない空中戦、ダイナミックなエアバトルを見せつけてロングボールはすべて弾き返すくらいの勢いで頑張れ!

大里 皇馬くんへ

2年生のときまではフォワードででていて、ポストプレイを求められていたかもしれないけど、どちらかというとストライカー的なタイプだなというのは思ってて、そして、なかなか決まらないゴールに本人も忸怩たる思いだったでしょう。

某ご父兄の方が、太陽のときは皇馬に決められていたらやばかったシーンもたくさんあった(←すこしぼやかしています(笑))というくらい、チャンスにしっかりと顔を出すプレイヤーで、あとは決定力が課題というところで3年生を迎え、そして本年度の初戦の試合開始したらなんとディフェンダーのポジションにいたという(笑)

ところが、恵まれた体格と強いメンタル、そしてフォワード時代に培われた足元の技術がまさに新時代のセンターバックとして的確な役割で、そして、なぜか、フォワード時代よりも得点を量産しだすという(笑)
あの井原 正巳さんも、もとはフォワードだったけどディフェンダーに転向して日本代表のレジェンドになれたので(転向は松本育夫さんのアドバイスらしい!)それくらい輝ける選手になってほしいです。

駅スタでのC大阪戦では決めれそうで決めれなかったうっぷんを晴らすかのように、最終節磐田戦では豪快なヘディングを決めてくれました。C大阪戦で決めれなかったスタンプがまだまだたくさんたまっているので、プレミアファイナルでもスタンプを得点に交換してください(笑)

試合中は、サガン鳥栖U18の中で誰よりも一番凄みのある顔で迫力を見せ、そしていったんピッチを離れるとさわやかな笑顔で話してくれるそのギャップがくせになります(笑)

名は体を表すの通り、馬のような力強さとスピード、そして強いメンタル、まさに「馬力魂」でプレミアファイナルでもゴールを決め、雄たけびを聞かせてください!

木戸 晴之輔くんへ

サガン鳥栖を選んでもらって滋賀から来ていただいてありがとうございます。
関西圏とか東海圏での試合では、ご家族も応援に来られていて、そしてお父さまもお母さまも気さくで優しくて、すごく大事に育てられて来たのを感じました。お母さまには、大阪や名古屋、そして最終節の磐田戦でも、横断幕のお手伝いをしてもらって本当に助かりました。

ポジションもフォワード、サイドバック、インサイドハーフといろいろとチャレンジしていく中で、チームの中でのユーティリティ的存在になって頼もしい半面、晴之輔自身は、どこかのポジションをがっちりと勝ち取りたいという思いもあったでしょう。だけど、どこのポジションで出場しても最後まで手を抜かずに全力で走りぬく姿はいつもかっこいいなと思って見ていました。

大事な所でゴールを決めきれる選手で、個人横断幕を初めて貼ったホーム静岡学園戦で、晴之輔が先制点を上げてくれたのは、我々にとって本当に大きなプレゼントでした。
ただ、アウェーガンバ戦の逆転を喰らったあとのラストプレイでチャンスを決めきれなかったことがあって、後で会話したとき「決めたかったです。」「次は決めます。」ってめっちゃ悔しそうな表情をしたのはすごく覚えています。あの試合で決められなかったことがよい財産となって、今後の大きな成長の糧になるのではないかと期待しています。

最終節磐田戦で怪我で交代したときは心配したけど、試合後に大丈夫です、間に合わせますって力強い言葉をもらったので、きっとやってくれると信じています。プレミアファイナルでは、どこのポジションで出場するかわかりませんが、せめるも、まもるも、晴之輔ならばしっかりやってくれると思うので、自分らしく最後まで走りぬいてください!

鬼木 健太くんへ

U15クラ選で見たときは、右サイドの浦くん、左サイドの鬼木くん、この両サイドのとてつもない槍は、サガン鳥栖U18に素晴らしい速さという魅力を与えてくれると思っていました。
当然、U18に上がっても縦に速い健ちゃんは健在で、そして、相手陣地深くに入って、突破が難しくても最低でもコーナーキックは取ってくれるという職人みたいなプレイでみんなを虜にしましたが、そんな健ちゃんも、3年生になってからは、プレミアとプリンスの両方に出ることが多く、特にプリンスで出たときは、これまでの縦に速いだけの健ちゃんではなく、時間を作ってゲームをコントロールする健ちゃんを見ることができて、成長の幅と深さに驚くこともありました。

ムードメーカーとしてチームの中心になって笑いを作っていた健ちゃん。鳥栖スタジアムであったお別れサッカーで先頭となって裸で踊っていたのは笑いすぎておなかが痛かったです。ただ、そんな健ちゃんも、試合にでられないときは、チームメイトのために、せっせと水を運んだり設営を手伝ったりなど、ピッチ内外で本当に献身的にチームを支えてくれる存在で、健ちゃんなしではここまで来れなかったと思います。

勝利への思いが強すぎて、PKスポットぐりぐりしてイエローカードをもらったり、そしてそのことを後日談で、真剣なまなざしで話してくれるのがまたおもしろくて、本当に最高のナイスガイです(笑)

今回の個人横断幕、田中監督の一番のお気に入りは「鬼健」印の旗でした。
国立でも「鬼健」の名前を轟かせてくれるのを期待しています!

楢原 慶輝くんへ

U15時代のクラ選の試合を見たときは豊富な運動量、そしてインテリジェンスな対応、すべてのプレイが洗練されていて、高橋義希のパワーアップバージョンとして転生したのでは思うくらい、ジュニアユース時代から頭角を表していました。

シュートを決めたときは誰よりも喜び、そしてシュートを外したときは地面を叩いて誰よりも悔しがる。攻撃の時は誰よりも速くゴールに迫り、守備の時には誰よりも鋭くボールを追いかける。90分間走り切って、勝利の為に戦う姿勢を常に見せ続ける慶輝、我々サポーターが文字通り「熱くなる」瞬間を幾度となく作ってくれました。

思い出深いシュートは、スーパープリンスリーグの東福岡戦でのミドルシュートかな。U18に上がって、プレミアリーグで戦える状況であったはずなのに、コロナ禍でなかなか試合ができず、そしてやっと10月にスーパープリンスリーグとして試合ができるようになったその初戦で、これまでの思いをすべてぶつけるかのように左サイドネットに突き刺したミドルシュートは圧巻でした。ちょうど、自分が、ゴールへ向かうボールの動きと慶輝との延長線上にいたので、はっきりとボールの軌道を覚えています。

選手がみんなで使える器具とか支援させてもらって、たまたま、自分が代表で手渡す事があったけど、慶輝が副キャプテンだったから受け取ってくれて、渡すときに見せてくれる瞳がものすごくきれいで、なぜか、こっちの方が恥ずかしくなってしまいました(笑)

トップにあがったら、いまよりももっともっとファンが増えると思いますが、慶輝ならばファンも大事にしてくれるだろうし、そしてもっともっとサッカーに真摯に打ち込んでくれると思っています。
サガン鳥栖U12、U15、U18が育てた代表的な選手になってくれると思っています。

プレミアファイナルでは、これまでどおり、90分間Dashで走り続け、そして攻守にわたりRushをしかけ、慶輝らしさ全開でやりきってください!

坂井 駿也くんへ

ソレッソからサガン鳥栖を選んでくれて本当にありがとうございました。ソレッソ時代は、ナイスミドルを鳥栖相手に叩き込みましたね(笑)

ソレッソからということもあり、駿也自身も大起に憧れていると公言していることもあって、第二の大起みたいな言い方をされる事もあったかもしれないけど、いまとなっては完全に「坂井 駿也」を築き上げて、大起とは違う魅力あふれるプレイヤーになったなと思います。

駿也からはゴールに対する強い思いをすごく感じていて、2021年のアウェー大津高校戦の超ロングシュートなど、つねにゴールを見続けている姿は見ていてわくわくさせられます。

そして、自分自身のプレイに自信を持っていることも魅力のひとつで、九州クラブユース選手権準決勝の大分トリニータ戦で、石原央羅くんの度重なるパス要求(←笑)に屈せずに、でも、ここぞというタイミングでしっかりとパスを出して石原君のゴールをアシストした視野の広さとメンタルの強さは、見ていて惚れ惚れするものでした。ここで築き上げられた駿也と央羅のホットラインは、冬のクラ選決勝でも勝ち越しゴールを同じようなパスで演出してくれて、ホントうれしかったです。

駿也のサッカーセンスはとどまることを知らず、竹内くんが退場してしまったり、大里君が怪我で交代してしまった試合では、最終ラインを担ってディフェンダーとしての出場でしたが、最終ラインから左右に展開される性格無比なミドルパスはもちろん、目を見張るほどのジャンプ力で屈強な相手FWとの競り合いでもまったく引けを取らず、新たな境地を開拓していくつもの勝利を鳥栖にもたらしました。試合に対する責任感は本当に強くて、アウェー大津高校戦で、駿也がドリブルで運んで相手にカットされてカウンターになったとき、猛然とダッシュでゴール前に戻ったシーンはすごく印象に残っています。

最終ラインでのビルドアップでも、長短のパスを繰り出していたら、大里くんからオレを経由してくれという話があったときに
「いや、飛ばしたい!」
とはっきり言うところも、自信に満ち溢れていてすごいなと思いました。
たぶん、私だったら、石原くんや大里くんの圧力に屈しています(笑)

駿也はいつも聞いたことに真剣に答えてくれるからすごく話しやすくて、アウェーからの試合の帰り道とかも話しかけたりして、疲れているところを本当に申し訳なかったけど、駿也と話すことで、勝っても負けてもすごく楽しい試合観戦になっていました。いつもオレの相手をしてくれて本当にありがとう。

最終節磐田戦で「崩したから決めたかったです」って話してくれたけど、もうひと試合、プレミアファイナルという最高の舞台が残ったので、いつもらしく、常にゴールを狙う「Goal Hunter」として、ゴールを決めて有終の美を飾ってください!

松岡 響祈くんへ

大起の代表キャンプを長崎に見に行った時はまだ中学生で、中学生だから仕方ないんだろうけど、恥ずかしがり屋みたいな一面もあって、まだまだあどけなさを残す子供だったのを覚えています。

1年生の時は、同期の鳥栖U15上がりのメンバや同じくソレッソから来た駿也が続々と出場していくなか、試合出場もままならず心配しておりましたが、引っ込み思案だと思っていた響祈が徐々にみんなの前でも声を出すようになって、そして、いつも、自転車での帰り道でこっちを見てありがとうございましたって言ってくれて、あどけなかった響祈がぐんぐん成長していく姿を見て、いつか試合に出られるようになったらいいなと思っていました。

2年生の頃から右サイドバックで少しずつ試合に出られるようになって、試合の強度についていくのが精一杯だったのがいつの間にかチームを引っ張れる存在になってきて、今年に入ってからはプリンスリーグで中盤を担って後輩たちのよい手本となってチームを率いるようになった矢先、太智が不在の後釜を担ったのは響祈でした。響祈が入ってからは太智とはまた違う躍動をチームに生み出して、太智が静ならば響祈は動。走って動いてチームの潤滑油となり、チームを勝利に導いてくれる姿は本当にうれしかったし、心から応援したくなるものでした。田中監督が、響祈が一番の成長株だという話をしてくれました。それだけ、見えないところでいろんな努力をした証だと思います。

響祈もいろいろと我々の話を聞いてくれるから、これまでいろんなお願いをしてきたけど、最後にもうひとつお願いしたいことがあって、それは、ぜひ、オレたちの目の前でゴールを決めて喜ぶ姿が見たいです。
アウェー東福岡戦こそ決まったと思ったけど、相手GKのファインセーブで止められたんで、その分、プレミアファイナルで、国立の場でゴールを決めてくれたら、これ以上ない思い出になります。

素敵なお父さん、お母さん、そしてお兄さんに囲まれ、そして、常に暖かい言葉をかけられてサッカーに挑んで来た響祈。プレミアファイナルでは、ゲンもダイも見てくれているだろうから、彼らの前で、ヒビの集大成を見せてください!

福井 太智くんへ

U15クラ選での、中盤の底での立ち振る舞いは、まさに王様のようで、そして、優勝報告などを見ても、中学生にして既にカリスマ的存在になっているのを感じました。

このまま、U18に上がっても王道を進んでいくかのだろうと思っていたのですが、同学年の慶輝や駿也が試合に出場する中、思いの外、太智は苦しんでなかなか試合に出れませんでした。

試合に出たときも、周りとの呼吸が合わないまま、結果を残せず、そしてついにセカンドチームでプレイすることになり、そのセカンドチームでも、U15の時に見せた堂々たるプレイっぷりは影を潜め、県リーグでは途中出場して途中交代の憂き目に合うなど、自分が思い通りにプレイできないのか、それとも周りが太智についてこれなかったのか、いずれにしても決して思い描いたU18での生活ではなかったかもしれません。

そんな太智に転機が訪れたのは、クラブユース選手権だったのではないかと思います。相良くんが怪我して出れなくなって、太智が左サイドハーフに抜擢されて、その時は、サイドハーフタイプじゃないけど大丈夫かなと思ってみていた私をあざ笑うかのようにハードワークを繰り広げ、相手との競り合いになっても絶対に負けず、泥臭くチームのために走り抜く太智。あの大会は、そんな太智がいたからこそ、チームを優勝まで導いてくれたのだと信じてやみませんし、ここから、太智がポテンシャルを存分に発揮するキングオブロードが始まった気がします。

U18の試合を見に行く楽しみのひとつに、ご父兄の皆さんとの会話がありますが、太智のお父さんは必ずと行っていいほど試合会場にいて、そして、いつも気さくでウィットのある含蓄に富んだ話をしてもらいました。
九国大でのトレマだったかな。太智が、少し足元を滑らせたときに、お父さんがお母さんに対して
「新しいスパイクを買ってあげないかん(笑)」
って、言ってて(笑)
太智に対する深い愛と、太智に対する信頼や自信を大きく感じました。

ワールドカップのサポートメンバーに選ばれたときはホントにうれしかったし、世界に出ていくためにも、貴重な経験を積んでほしいなと思っていました。ところが、コロナなどの問題で帰国。日本代表が良い試合を見せていただけにサポートとして残れなくて残念だったけど、帰国して本来は出なかったはずの試合であった最終節磐田戦に出場した太智。
…はっきりと言います。
戻ってきてくれてよかった!(笑)
最終節磐田戦は、太智がいなかったらと思うとぞっとします。チームの中でひときわレベルの違う輝きを見せてくれたからこそ、しっかりと勝利してそして優勝をつかみ取ることができました。

プレミアファイナルでは、いつものように、王様のようにチーム全体を率いる太智らしいプレイを果たして、鳥栖のマエストロであることを存分にみんなに見せつけてください!

試合に向けて

2005年から、ユースを応援してきましたが、まさか、国立でユースのみんなを応援できる機会ができるなんて夢にも思っていませんでした。今年は、プレミアに昇格して初めてのフルシーズンということで、そういったシーズンで初優勝を飾ってくれたことがすごく誇らしく、楽しい試合、苦しい試合、いろんな試合を見せてくれたことを感謝したいです。

みんなにとっては、泣いても、笑っても、サガン鳥栖U18最後の試合。自分たちがこれまで培ってきたことを存分に表現して、
国立競技場での試合を、
大観衆の前での試合を、
プレミアファイナルを、
ぜひぜひ楽しんでください!

私自身は、この晴れ舞台を、みんなが笑顔で楽しくプレーしてくれたら満足なのですが、ただ、楽しもうっていうだけじゃ、負けず嫌いの君たちは物足りないだろうから、もうひとつ、言葉を添えて送り出します。

プレミアファイナルを楽しもう!

勝って国立で勝利のローリングをしよう!



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