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「ホンモノのSDGsを目指そう。」

さがみはらSDGsパートナー」の一員になりました。

一昨日、相模原市が主催する「さがみはらSDGsパートナー」の授与式に出席させていただきました。

本村賢太郎相模原市長とも意見交換させていただきました。市長と並んで写真を撮ったり、一応それっぽいこともしました(^^)。さがみはらSDGsパートナーは既に500社以上が認定されているようで、SDGsに対する関心の高さが感じられました。

せっかくの機会なので、私たちのSDGs観について、少しお話したいと思います。

そもそも、なぜSDGsが社会でクローズアップされるようになったのでしょうか。
それは、今までの思考や行動の延長に持続可能な社会はないからです。社会を持続可能に”転換”するための考え方のツールがSDGsと言えます。

転換は「Transform」の英訳です。日本語ではニュアンスが伝わりづらいですが、「元から変わる」「一から組み立て直す」という感じでしょうか。今までのやり方を全否定するくらい、世界は危機的状況なのだ、ということだと思います。

私たちの場合、地域課題のひとつは「荒廃農地」の問題です。
荒廃農地の問題を解決しようと、これまで多額の税金が投入され、様々な取り組みがされてきましたが、荒廃農地は増える一方です。
ではそもそも、なぜ農地は荒廃してしまうのでしょうか?
一言でいえば、「従来の農業が儲からないから」です。
中山間地の基幹産業は農業ですから、農業が仕事にならなければ、農地は放棄され、地域の若者は外に出て行き、やがて地域は存続の危機に陥ります。
先日、地域の中学校の先生とお話した際「生徒は自分たちの地域には何もないと言う。地域に誇りを持ってほしい。そして地域に残ってほしい。」と思いの丈を語ってくれました。その学校は起業家教育など極めて先進的な取り組みを実践されていますが、中学3年生はわずか8名。切実です。
では先生の言う、誇りの持てる地域とはどうしたら作れるのでしょうか。
荒廃農地を再生したら若者は地域に残るのでしょうか。
残念ながら現実はそんなに簡単ではありません。
ただ一つ明確な事実は、「地域に仕事がなければ、若者は地域から出て行ってしまう」ということです。

私たちの場合、農業に再生可能エネルギー、更に観光、教育を掛け合わせて、地域に仕事を作ろうとしています。
多くの農地はエネルギーの生産地にも適しています。まず、「ソーラーシェアリング」という方式で農産物と再生可能エネルギーを同時に作ります。農産物はブルーベリーで33種類の品種を栽培しています。テクノロジーを活用して、高品質・高収量・省力化を計ります。そこに「観光農園」という形態を掛け合わせて人を呼び込みます。更に、周囲の自然を体験教育のフィールドとして活用し、幅広い人に楽しみながら学んでもらいます。農園は会員制で運営し、地域住民との共生を図ります。農園には様々な仕事がありますから、地域住民や障がい者など、多様な人に関わってもらい、雇用を作ります。また、太陽光発電所を災害時の電源ステーションとして地域に開放します。
このような取り組みを通じて、私たちは「儲かる農業」「ここで働いてみたいと思える仕事」「地域の人が誇りに思える事業」を地域に創りたい
そうしたビジネスを進めた結果、荒廃農地が減っていく。荒廃農地が減るのは結果であって、目的ではないのです。
なぜそこまでやるのか?中山間地の狭い農地で北海道やアメリカと同じやり方をしても確実に負けます。地域の良さを引き出して突き抜けないと、これからの時代のビジネスとして成立しないのです。
実際、中山間地には大きな可能性があります。中山間地の農地をもっと多面的に活用することで価値を生み出せると私たちは考えています。もちろん、上記はあくまで私たちなりのやり方ですので、それぞれが「こうすればこうなるはず」という仮説を持って自分なりのアプローチを考え、実行すればいいと思います。

では、それを具体的に進めると、現実にどのようなことが起きるのでしょうか?

必ずぶつかるのは「前例主義」「規制」「縦割構造」など、今まで「普通」とされてきたことです。しかし、「Transform」するようなことには、たいてい前例はないです。従って、未来から逆算して、そのつど判断をする必要があります。当然、規制にもぶつかります。規制は過去の課題に対応したものですので、必ずしも未来に適しているとは限りません。未来を創ろうとすれば、規制も柔軟に見直していく必要もあるでしょう。行政は一部署で対応しようとしても100%無理です。例えば農政を窓口に、環境・観光・建築・教育など他部署と緊密に連携・折衝しないと前に進みません。つまり、今までの仕事のやり方を根本から見直さないといけません。

SDGsとは社会貢献とかきれいごとではなく、本気で進めると、従来のやり方との思想的な対立が生まれるのです。人間は変化を好まない生き物ですので、当然、反発もありますが、それを避けていては「持続可能」な社会は創れないと私は思います。その渦中にいる私の仕事は、そうした未来と過去の間でこねくり回されることの連続です。そんなことをよくやるね、、と言われたりしますが、どの業界でも楽な仕事などないと思いますし、新しいことをやるというのは、現実にはそういう小さなことの積み重ねだと思います。

そうした様々な課題を乗り越えて、何かを実現した時、それは持続可能な社会の「実例」となります。その過程で関わった当事者は次第に未来思考にTransformしていきます。それが「グッドプラクティス」、文字通り「よい練習」をしながら新しい現実を創っていくのです。簡単ではないですが、そのようなプロセス自体を自ら進んで楽しむことができれば、その人の未来は明るいと思いますし、これからはそんな人の周りに人が集まっていくのではないでしょうか。

このように考えていくと、SDGsはビジネスそのものであると感じます。本業を未来型にTransformするのがSDGs。私たちはSDGsをそのように捉えています。

もちろん、さがみこファームは事業者なので、NPOや市民の立場だとまた別のSDGs観があると思いますが、それぞれの考えがあっていいと思います。今回、さがみはらSDGsパートナーの一員になることで、持続可能な社会づくりに向けた志を持った企業や団体と巡り合えたことにとてもワクワクしています。地域に仲間を増やし、連携し、切磋琢磨しながら、未来に向かって進んでいきたいと思います。

ぜひ一緒に、「ホンモノのSDGs」を目指していきましょう。


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