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バブル経済が崩壊して30年が経つ。
当時の日本は高度経済成長末期で株価が高騰し地価も異常な高値をつけた。高値が高値を呼び、ゴルフ場の会員権が億を超えるところもザラで、小金井カントリーなどは1990年代初めには4億円を超えた。そんなバカげた高値が成り立つということはそれでも買い手がついたということだ。
日本全体が浮かれていたのだと思う。いわゆるマネーゲーム。実態経済が一気に5倍10倍になるわけはなく、やがて膨らんだ風船玉がはじけて、長期低迷の時代に入る。そのあと、国も本質を見据えた対策が打てず、旧来の発想に基づく金融政策や公共投資で回復がはかれると考えたのも大きな誤算だった。最近の報道によれば、円の実力は低下し続け、いまや50年前の水準だという。(2022.1.13日本経済新聞)

改めて周りを見直すと、確かに、自分たちが設置した太陽光パネルも、ソーラーシェアリングの架台も、パワコンもみんな中国製になってしまっている。一部入っている日本製のパワコンと比べても中国製は見劣りしない。というよりも、性能的にもデザイン的にも日本製を凌駕している。

最近農園に設置した中国製の監視カメラがいい例で、2年前に奨められて高価なのでやめにした日本製のものと比べると値段も桁違いに安く、性能的にも何ら問題ないことに驚いている。
あの日本製礼賛神話は何だったのか、誠に残念ではあるが今やこれが現実の姿なのだ。

先日、「シン・ニホン」(安宅和人(著)慶応義塾大学環境情報学部教授
ヤフー株式会社CSO)という本を読んだ。

サブタイトルが「AI×データ時代における日本の再生と人材育成」とあり、帯に記されたキャッチコピーに「日本はもう一度立ち上がれる」とあった。

ぶ厚い本なのでムズカシイことが書いてあるのかと思いつつ恐る恐るページをめくるとこんなことばが目に飛び込んできた。

・若い人を信じ、託し、応援する
・この国は妄想では負けない
・すべてご破算にしてやり直す
・圧倒的なスピードで追いつき一気に変える
・不揃いな木を組み、強いものをつくる

更に、こんなことが・・・

・トーマス・エジソン21歳 初特許取得
・グラハム・ベル29歳 電話発明
・アルバート・アインシュタイン26歳 相対性理論誕生
・松下幸之助23歳 松下電器創業
・スティーブ・ウォズニアック25歳 スティーブ・ジョブス21歳 Apple創業
・井深大38歳 盛田昭夫25歳 東通工(現ソニー)創業
・ラリー・ベイジ25歳 Google創業
アー、何とみんな若いことか。

詳細はさておいて、要約すると、次のようなことだろうか。

『これからはAI×データの時代であり、その時代を制することができるのは若者なのだ。ここまで落ち込んだ日本を再生できるのはこの時代を託す若い力を育てること以外ない、現状延長の先に未来はない、現状をご破算にし妄想とも思える発想の上に立って再構築し世の中を一気に変える、異質な人材、異質な発想の組み合わせが日本の再生を可能にする。』

自分たちが、今、“さがみこファーム”で実現したいと思っていること、やろうとしているアプローチは、まさにこういうことだと思う。

旧来の考え方ややり方、既存の法規制などにとらわれず、まったく新しい発想に立った新しい世界の構築にチャレンジして必死にもがいている、そんな渦の中心にいる若いちからを信じて、全力をあげて応援したい。

「老兵は死なずただ消え去るのみ」これはマッカーサーの引退演説の有名な一節だが、まだまだ消え去るわけにはいかない。若い人たちが思う存分ちからを発揮できる場づくりに自分の残る力のすべてを注ぎ込んでいきたい、そんな強い思いを胸に農園通いをしている。

がんばれ ニッポン!
がんばれ 若ものたち!
立ち上がれ さがみこファーム!

(2022.3.12 山川陽一)

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