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ブルーベリーには夢がある

ブドウ、イチゴ、キウイ、サツマイモ、ミョウガ、シソ、ナガイモ、キクラゲ、シイタケ、ルバーブ、コメ、ニンニク、サカキ・・・
あまたの植物の中でなぜブルーベリーだったのか。

わたしたちが相模原でソーラーシェアリング事業をやると決まった時、次なる課題は、太陽光発電設備の下の農地で「さて、何を作るのか」でした。

農水省の後押しもあって、いまや、全国のソーラーシェアリングの設置数は2000件を超えると言わますが、そこで育てている作物は何なのでしょうか。

実は、植物は太陽光を受ければ受けるほどよく育つというものではなく、光合成が頭打ちになる点「光飽和点」いうものがあります。つまり、植物にはそれぞれ最適な日照量があって、それを超えると逆効果になるケースもあります。たとえば、ミョウガのように日陰でないとダメなものもあります。育てたい作物が何かによって、上に付ける太陽光発電パネルの設置密度も変わってくるわけです。

ただ、公表された調査データがあるわけではなく、実例をしらべてみても多種多様で頭を抱えてしまいます。
ソーラーシェアリング事業者の中には、発電事業が主目的で、発電事業の認可さえパスできれば下で作る作物は何でも構わないというところもあるようですが、私たちには“こだわり”がありました。

1. 発電事業として採算が取れること
2. 農業は発電事業のおまけではなく、農業単独でも採算が取れること
3. 夢が描ける作物であること

この3条件を同時に満たせるものでなければならないと考えていました。

考えて、考えて、辿り着いた結論がブルーベリーでした。それも、単なる地植えではなく、養液ポット栽培という方式にしたい、美味しくて大粒のブルーベリーをソーラーシェアリングの下の農地で育てる、ただ生産して売るだけではなく、観光農園として多くの人たちに来てもらって、摘んでもらって、味わってもらって、持ち帰っていただいて・・・と夢はどんどん膨らんでいきました。

ブルーベリーは北アメリカ原産のツツジ科の低木果樹です。
日本ではまだまだマイナーですが、北アメリカでは古くから食用され、20世紀に入ってから果樹としての品種改良が進み、多くの品種が作出されました。大きくはハイブッシュ系(栽培種)、ラビットアイ系(栽培種)、ローブッシュ系(原産種)の3種類で、細かくは数百の品種があります。(Wikipedia)

SAGAMICO BERRY GARDENでは、現在、ハイブッシュ系のブルーベリー20数種類、ラビットアイ系が約10種類、その他ラズベリーやブラックベリーなどを含めると40種類ほどのベリー類を約1100本栽培しています。

わたしは、10年ほど前に山仲間とアラスカを旅したとき、膝ほどの高さのブルーベリーが見わたすかぎり続いている原野を、小さな甘酸っぱい実をつまんで食べながら歩いた思い出があります。
その時、まさか自分がいま。日本でブルーベリー農園づくりに精を出しているなどとは夢にも思っていませんでしたが、もしかして、心の片隅に楽しかったあの時の記憶が蘇っていたのかもしれません。

(2021.7.3 山川陽一)

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