見出し画像

「東京の生活史」(岸正彦編、筑摩書房)という本を読みました。
と言っても1200ページもの分厚い本なので、拾い読みしただけですが・・


この本は、
「東京で暮らしているひと、いろんな階層と年齢と職業とジェンダー、東京でいろいろあるけど一生懸命暮らしているひとの人生を聞きたい」
という編者の思いから生まれました。この本がユニークなのは、先ず聞き手を一般公募で150人募ることから始めたことです。その聞き手が、それぞれひとりずつ150人の語り手の生活史を聞き取り、1冊にまとめたものです。
・「朝ごはんはクロワッサンとキャフェオレだよ。それがいきなり“おー”って挨拶したら、小指がねぇんだから。」
・「山に穴を掘っていって、そのなかに暮らすみたいなところだったので、びっくりして。」
・「夏は暑くて死にそうです。寝るときは自分の体の周りに保冷剤を置いて死体のように寝て、人生で初めて金縛りにあい。」
語り手の名前も職業も明らかにされておらず、唐突に語りが始まります。話はまさに会話調、脈路なく子供時代に戻ったり、「うーん」「えーっと」と語った言葉を過度に整理せずに記録しています。なんだか喫茶店で隣の席の話を聞いているような感覚になります。
生まれも育ちも違う人々の話から浮かび上がってくるものは、「東京」という共通のイメージではなく、雑多な人びとの生きざまであり、交じりあうことのない150の人生の市松模様です。
あとがきで、
「“お生まれは”―簡単な、単純なひとつの質問がひとつの言葉を生み、その言葉が次の言葉につながっていく。このとき私たちは、偶然と必然のあいだにいる。」「私たちはこの街に、ただの偶然で、一時的に集まっているにすぎない。しかしその一人ひとりがそこに居ることに意味があり、必然性がある。」
と述べています。

私たち、SAGAMICO BERRY GARDENもまさに偶然と必然の出会いによって生まれました。元々私たちは多摩地域を拠点に、再エネ100%社会を目指し、太陽光発電の普及を進めていました。その中で、相模原の工事会社と知り合い、ソーラーシェアリングを手掛けることになりました。そして土地探す中で、青野原前戸地区とのご縁ができ、事業をスタートすることができました。とは言え、農業は素人集団です。分からないことだらけ。地主の方々、ご近所の人びと、SNSの呼びかけで集まってくれた方々、多くの人たちに支えられてきました。
かく言う私自身、6年前昔の職場の飲み会でたまたま隣に座った先輩から、太陽光発電の仕事に誘われたのがきっかけで、今日にいたっています。当時はまさか農業に係ることになるとは夢にも思っていませんでしたが・・。

さて、SAGAMICO BERRY GARDENはいよいよ6月18日からオープンします。
豊かな自然の中で、美味しいブルーベリーを味わってください。
SAGAMICO BERRY GARDENを通じて、多くの偶然出会いが生まれ、その出会いを通じて、新しい何かを生み出すことができれば最高です。

スタッフ一同、みなさまのご来園をお待ちしています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?