見出し画像

「未来の危機に対して、人間は行動を変えられるのか?」

さがみこファーム代表の山川勇一郎です。

今日は「未来の危機に対して、人間は行動を変えられるのか?」というテーマについて書いてみたいと思います。

結論から言えば、人間は未来の危機に対してなかなか行動を起こさないので、「楽しい」切り口で共感を広げ、事業を通じて社会変化を起こしていく必要があるのではないか?ということです。

ニュースでは連日、政治家の裏金問題が報道され、ウクライナもパレスチナの戦争も収まる気配がありません。一方、日本株は空前の株高で、NISAなどの個人投資は過熱気味です。何となく今の延長でいいんじゃないか、というふんわりとした空気感が日本を覆っている気がします。

ただ、少し冷静になってみると、株価はまさに水モノで、ひとたび金融危機が起きれば紙切れ同然になります。日本人は30年前に痛い経験したはずですが、そんなことは忘れてしまったかのようです。そうした中で、気候変動や、少子化・高齢化や、地方の疲弊は着実に進行しています。

人間が社会生活を営む上で必要な「食」「水」「エネルギー」。
それらを支える産業と人や地域がなければ、国は成り立ちません。農地を再生して食料を増産し、自然の力を活用してエネルギーを作り、水源の森を整備して健全な状態で保つ。今後それらを誰がどう担っていくのでしょうか?
当事者として地方の厳しい現実に向き合っていると、「未来の危機」をひしひしと感じます。しかしそれでも、「人間は(特に大人は)なかなか変わらない。」というのが実感です。

どの世界でもそうですが、頭ではわかっていても、行動する人はごくわずかなのです。
今の延長で持続不可能なのは明らかなのに、人間は未来に対してなぜ行動を起こさない(起こせない)のでしょうか?
この問いを突き詰めると、人間とはどういう生き物なのか?というところに行き着きます。

そもそも人間は、未来に対して行動するのが苦手な生き物です。
人類の歴史において最も重要だったのは、外敵から身を守り、子孫を残すことであり、そのために目前の危険を察知する能力が発達し、それに長けた種が結果的に生き残りました。そう考えると、気候変動や少子高齢化など、「未来の危機」は、たとえそれが明らかであっても、「目前に迫る危機」ではないため、危機として認識されない=行動しないということになります。地方の人口減少も、村が潰れると村人全てが認識できるくらい危機的な状態にならなければ思い切った行動に出ない、というのはそういう理由なのではないでしょうか。

それでも、何かを変えないと人間が住めない地球になることは明らかです。地球は平気かもしれませんが、人間は絶滅するかもしれません。
イーロン・マスクやジェフ・ベゾスは人類の火星移住を本気で考えているようですが、私はあまり火星に住みたいとは思いません。ですので、もうちょっと日本であがいてみようと思っています。

本来は政治にリーダーシップを期待したいところですが、政治が動かなくても、民間レベルで、地方から、新しい現実を創ることはできます
ただ、未来の危機を強調しても、共感はなかなか広がらないと感じています。(生物学的な人間の特徴としても、そうなのでしょう)。さりとて、危機が目前に迫った時には船はもう沈没寸前で手遅れです。ではどうすればいいでしょうか?

私は、未来への危機感は持ちつつ、「楽しい」事業をデザインすることなのかなと思っています。楽しいことには人が集まるのです。

楽しんで活動していたら、実はそれがポジティブな未来を創ることにつながっていた

さがみこファームの事業は、これまでそういうスタンスでやってきて、事実、その環は確実に広がっていると感じています。
裏側では、「楽しい」だけに終わらせず、実際に社会課題の解決につながる活動としてデザインされていることが重要です。
ビジネスを通じて社会課題解決を図る取り組みを、世間では「ソーシャルビジネス」と呼びます。多くの企業活動がソーシャルビジネス化すれば、それは社会を変える大きな力になります。そしてそうした未来を創る取り組み同士がつながって、大きなムーブメントを創っていく必要があると感じます。

「未来の危機に対して、人間は行動を変えられるのか?」

その問いに対する解答は一つではありませんが、そこに人類の未来がかかっていると私は思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?