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"食べて守ろう虹の松原プラン"

虹の松原を守るために

ラボは、高校生のサイエンスプログラムを応援しています。ここでも前号に引き続き高校生のプログラムを紹介します。                            その名は、「食べて守ろう虹の松原プラン」!                       唐津南高校で岡本教諭が指導されている食品流通科の生徒さんは、虹の松原研究班を作り、虹の松原で松の採集の許可を得て、松葉を採取し研究を実施しています。
日本三大松原で最も大きい唐津の虹の松原は、松の総数が約100万本で国の特別名勝に指定され観光名所となっています。唐津には三大銘菓『松露饅頭』『松原おこし』、そして現在は途絶えている『松の緑(かりんとう)』があります。                            唐津南高校はこの松の緑に虹ノ松原の松葉パウダーを添加し新しい形での復活を目指しています。さらに、松を活かすために、生徒さんは松ぼっくりでコロナ終息を願いアマビエを作成しました。アマビエは、地元の子供や東日本大震災を受けた陸前高田市の「高田松原」に送られ、虹の松原からの願いと笑いが広がりました。こうした活動は、研究班のリーダー上田莉愛さんにより、日本学校農業クラブ連盟九州大会で「つなぐ ~虹の松原からの祈り~」として発表され、最優秀賞に輝きました。上田さんは、アマビエ伝説発祥の地、天草出身で高校進学を機に唐津に移住し、そこでこのアイデアを思い付いたそうです。

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松の可能性

このような唐津南高校の活動の中で、ラボのコンセプトである「佐賀県農林水産物を用いた製品化」の一環として、南校の生徒さんと松の葉に関する共同研究を始めました。生徒さんは松のポリフェノールに注目しました。ポリフェノールは、植物に含まれる成分であり、植物を強い日光や病原菌から守るものです。これらのポリフェノールは糖の吸収やがん細胞の成長を抑制することが観察されています。そこで、ラボでは松の葉からポリフェノールを抽出し、濃度や抗酸化活性(いわば体をさびから守る能力)を測定しました。今後、松のポリフェノールがどのような作用を持っているかを検討していくつもりです。

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400年守られてきた地域の宝を、唐津南高の虹の松原研究班はきっと守り続けていくことでしょう。ラボが少しでもお手伝いができればと思います。

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