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スタライ8th幕張DAY2(夜の部)ライビュ感想戦ー紅月特記ー

現地参戦の記事を読み返してみると、「紅月」の項であるにもかかわらず、ほぼ鬼龍くんについての感想しか綴られていなかった。

それについて全く後悔はしていない。それどころか興奮でかき消されていく記憶の中で、なんとか推しの勇姿だけは脳に刻みつけておこうという必死さが感じられるので、味がある記事になったと思っている。

2024年5月25日。機会に恵まれ、幕張公演2日目にライビュ参戦を果たした。
せっかくなので、「紅月」のステージにて特に琴線に触れた箇所を書き留めておく。
スタライ感想戦は本記事を以て締めとする。気合いを入れて行くぞ。


関係性を落とし込んだ振付『金色千夜夢舞台』

スタライの醍醐味、それは大好きな楽曲たちをフルサイズで、しかも生バンドによる演奏で楽しめることである。
曲をフルサイズで堪能できる、それはすなわちパフォーマンスもフルサイズで堪能できるということ。
さらにいえば、MVとは異なる振り付けまで披露してくれる。贅沢極まりない。

「裡に燃やす紅蓮の爆ぜる音が」と歌い上げざまに上半身を豪快に大きく波打たせる振り。あんな動き、MVじゃやってなかったじゃん…!

スタライ8th大阪DAY2(夜の部)感想戦

今回のスタライ8thで初お披露目となった『金色千夜夢舞台』。初めて見る彼らのフルサイズでのパフォーマンスには、プロデューサーとしてグッとくる振りがあった。

それは2番Bメロ。歌割りと歌詞は以下の通りである。

敬人&颯馬:同じ時代の気まぐれと
敬人&紅郎:流す生き方もあっただろう

ーこだまさおり 詩(2024)『金色千夜夢舞台』より

「同じ時代の気まぐれと」では蓮巳くんと颯馬くんが体を正面にむけ、互いの腕を前でクロスさせる。
蓮巳くんが望む景色をともに見たい。常に颯馬くんは蓮巳くんに尽き従い、同じ方向を向いていた。
蓮巳くんもそんな颯馬くんに寄り添い、着実な彼の成長を噛みしめる。

対して「流す生き方もあっただろう」では、蓮巳くんと鬼龍くんが背中合わせになり、振り向きながら腕を合わせるという振りになっていた。

優等生と不良ー「紅月」結成当初、お互いに抱く印象はあまりよくなかった二人。それでもユニット活動を続けるうちに信頼や尊敬の念が芽生え、今では互いに背中を預けられる存在になった。

なんて見事な対比の振り付けだろう!それぞれの関係性が見事に表れているように感じてグッときた。

「紅月」とファンとの『想ひ出綴り』

1番を歌い終えて床にそっと置かれた3本の傘。その絵柄の向きが綺麗に揃っていたことに感動した。こういう細かいところにも彼らの突き詰める"魅せ方"の神髄が垣間見えて鳥肌が立った。

『金色千夜夢舞台』とは対照的に派手な動きが少ない分、彼らの表情や歌割りに注視して鑑賞していると、また新鮮な気づきが得られた。

表情の観点から述べるとするならば、ここは蓮巳くんだろう。彼はとても表情豊かに歌い上げてくれた。
特に良い表情を見せてくれたのは2番の歌い出し。

紅郎:胸が躍る祭囃子の喧騒
敬人:お前もきっと同じ気持ちだろう

ー礒谷佳江 詩(2018)『想ひ出綴り』より

『想ひ出綴り』は「蓮巳敬人の表題曲」と言っても過言ではないと私は思う。
なぜなら、この曲のモチーフとなった「喧嘩祭り」は、彼が「紅月」に自ら嵌めていた"枷"を外し、幼馴染のためではなく自分のために「紅月」を太陽以上に輝かせようと決意を新たにしてくれた印象深いイベントだからだ。

楽曲製作の背景を考えると、歌詞上での「お前」とは蓮巳くんの幼馴染である「英智くん」を指すのだろう。

しかし、今回のスタライで蓮巳くんは、まるでこちらに語りかけるような歌い方だった。
そんな彼の優しい眼差しに、私はここでいう「お前」は「このライブを楽しんでいるファン」を指すのだと解釈した。

スタライという祭りに胸が躍る。声出しも解禁されて、存分に歓声を上げることができる。この高揚感は演者だけでなくファンも同じだろう。
そう言ってくれている気がしてならなかった。

圧巻の刀捌き『斬ー決意ノ刃ー』

土方歳三:いくつになっても男子は刀を振り回すのが好きだろう?

ー野田サトル(2015)『ゴールデンカムイ』2巻第12話「カムイモシリ」より

三刀流の海賊狩り然り、六爪流の独眼竜然り…刀を振り回す男子という者は皆、それはそれは生き生きとした表情をしている。

「紅月」の3人も表情こそきりりとしていたが、私にはかえってそれが刀を振り回せる嬉しさを抑えているように感じた。

剣舞を語るうえで外せないのは、もちろん颯馬くんだ。
間奏にて刀を振り下ろす際、蓮巳くんや鬼龍くんの太刀筋が波打って見えたのに対し、颯馬くんの太刀筋は真っ直ぐだった。

改めて刀に注目すると、白地の鞘にTRIP衣装と似た模様が描かれているように見えた。
MVで彼らが扱う刀とは異なる(この時は颯馬くんのみ真剣)ので、今回の為に作成された小道具なのだろう。
(「紅月」の3人、及びスタライスタッフの方々の)念入りな準備には本当に頭が下がる思いである。

そうだとすると、3人の刀はいずれも模擬刀だろう。
軽い刀を振ると遠心力に負けてどうしても太刀筋がぶれてしまうが、颯馬くんが操る刀にはそういう「安っぽさ」を全く感じなかった。

誠を貫く決意の刃ーほんのもの武士である颯馬くんの手練れた剣舞によって、歌詞の意味がより強まる。それを実感して胸が熱くなった。

ほどけぬ縁 手繰り寄せ強まる3人の『絲』

仁和寺を訪れた後の、『絲』のなんと心に染みることか。

『斬ー決意ノ刃ー』から続けて颯馬くんの小道具捌きを意識して鑑賞すると、やはり彼は傘の持ち方も蓮巳くんや鬼龍くんと一線を画していた。
(MVでも確認できることではあるが)傘の柄をグッと握らずにそっと手を添える。
こういった些細な所作から、颯馬くんが日本舞踊に精通していることが伺えるし、「紅月」のパフォーマンスの基軸として彼がしっかり活きている様子も伝わってくる。

『絲』にて一番印象に残っている場面は、「それが仲間や世界だとして」と歌い上げた際の鬼龍くんの表情である。

全員:いつか大事なものを守ってそれが君であれ、
紅郎:それが仲間や世界だとして

ー町屋(和楽器バンド) 詩(2024)『絲』より

「仲間や世界」と歌いながら、舞台中央の少し奥にいた鬼龍くんは、両脇にいる蓮巳くんと颯馬くんと交互に目を合わせる。2人もそれぞれ会釈で返す。
続く「だとして」でそのまま前に出る。蓮巳くんと颯馬くんと横一線に並んだところでパッと顔を上げる。
その時の表情があまりにも晴れやかで、そしてこちらに向けてくれた眼差しの力強さに思わず感極まってしまった。

成り行きでなったアイドルだったが、数奇な縁によってかけがえのない仲間と出会い、それがいつしか「守りたい大事なもの」となった。

「紅月」こそ自分の居場所であり世界だー
彼の表情からそんな確固たる決意を感じ取ることができ、胸がいっぱいになった。


次に「紅月」の3人に会えるのはいつになるのだろう。
その時までにもっと、彼らのプロデューサーに恥じない私でいたい。

スタライ8th、本当にありがとうございました!!!


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