半端なコスパ厨は害悪。出費をむしろ増大させる

友人が初売りセールで服を買った。
高かったコートのようだが、60,000円が8割引で12,000円で買えたとのこと。
大変にご満悦だった。

僕から見ると似合っていないようにも感じるし、そもそも、君はコートをいくつも持っているだろ、もう必要無いだろ、と色々言いたくなるのだが、そんな突っ込みは当然しないで「すごい!めちゃお得じゃん!」と反応したところ、「そうそう、このコートで12,000円はあり得ない。コスパは最高だよ」とのことであった。

なるほど、確かに、そのコートの本来の価値からすると、12,000円は激安でコスパが大変良いのかもしれない。
ただ、どうも、その買い物が本当に良い買い物なのか、という疑問が拭えないのだった。

コスパが良い、とは

「コスパ」とは「コストパフォーマンス」の略であるが、これはコストに対してどれだけのパフォーマンスが引き出せるのか、ということで、要は費用対効果である。

「コストパフォーマンス」なる言葉を僕が初めて実際に目にしたのは、FF7の「解体真書」という攻略本の中で(アルティマニアがない時代のアルティマニアみたいなもの)、その時には消費MPに対して敵に与えるダメージが大きい技を「コストパフォーマンスが良い」と表現されていて、意味を理解した。

後に、コストパフォーマンス、略してコスパという言葉はどんどん世界に溢れかえってきて、人々は物を買うとき、サービスを受けるとき、外食をするときに、常に「コスパ」を意識するようになり、ネットの情報サイトの普及も相まって「良いと思うものを安く」調達する意識がより強くなっていった。

「パフォーマンスの良さ」より「コスパの良さ」に快感を求める人達

コスパ意識がどんどん強くなってきているこの世界では、コスパの良いことは、個人のモノやサービスを手に入れる時の費用対効果の満足度を超えて、その人の「消費行動の賢さ」を示す指標になってくる。

つまり、人々は、単に「それぞれの買い物のコスパが良いこと」だけを求めるのではなくて、「コスパの良い、賢い買い物をしている自分」というものを他人に知ってもらうことを求めるようになる。

今や、「コスパの良さ」は、その人の承認欲求の一つの顕れなのだ。
そのような世界では、コスパの良さは、満足度そのもの、

「実際に得られた(と思われる)価値>かかったコスト」

この差が大きければ大きいほど満足なのであり、その差により得られる満足度は、もやは「パフォーマンスの良さ」、すなわち、買い物から通常得ようとしている満足度を超えているようにも思えるのである。

「実際に必要なのか」ということより「コスパの良さ」を求めてしまう

さて、コスパを追求し続け、それがもはや承認欲求充足の一つの手段にまでなってしまった人々にとって、コスパの良い商品を買うことは何より快感であり、そのコスパの良さの度合いが大きければ大きいほど、その快感も膨れ上がる。

そして、このような人々は、もはや、この快感を求める欲求に抗うことはできない。

その快感を得るためには、別に欲しくなくても買ってしまうのだ。「コスパが良い」という理由だけで。

実際に必要なのかどうかを吟味しないまま、あるいは、本当は必要ないのに、あたかも、それが自分に必要であるかのように、自分の脳を、心を騙し、「コスパ最高」という呪文のもとに買ってしまう。自分の本当の欲求を理解しないまま・・

出費コントロールは自分の真の必要度と照らし合わせないと意味が無い

結局、よく言われる「コスパの良さ」を求める行動は、「何となくみんなが価値が高いと思うもの」を「それに見合わないと思われる低コスト」で手に入れているというものであり、その本質は、そのような「賢い行動」をしている自分を見てほしいという承認欲求の充足手段に他ならない。

その行動は、自分の生活とマッチしていれば、確かに生活にプラスになる、出費コントロールとして良い手段となり得るが、そうでない場合には、出費をむしろ増大させる。

出費をする際には、自分の現状に照らし合わせて、何が必要なのか、本当に必要なのか、それがどれくらいの量必要なのか、新品である必要はあるのか、等の真の必要度に照らし合わせて、それを満たすための消費行動をすることを考えるべきだ。

本当に追うべきなのは、その商品やサービス自体のコスパではなく、自分にとっての真のニーズの探求と、それを満たすもののパフォーマンスが得られるかどうかであって、コストの考慮は最後にくるべきものなのである。

きちんとした買い物の見本

友達からの買い物の戦果報告を聞いて、何となく、上記のようなことを思いながら、2021年の僕は、きちんと必要度とパフォーマンスの考慮に基づいて消費行動をしてきたなという自負を新たにした。

そんな僕の本日の素晴らしい買い物を見本として示そうと思う。
まず、これを見て欲しい。

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ニュースやTwitterでも色々と報告があったが、ヨドバシの初売りで、iPhone12miniとiPhone13miniが特価になっている。
僕が行った時にはiPhone12miniシリーズは既に在庫が尽きていて、13miniの256gbのみ在庫がある状態であった。

iPhone13miniの256gbは、Apple Storeで単体で購入すると、99,800円である。約10万円。

さて、この特価の13miniの256gbをMNP一括で買うと、60,511円(特価案内は分割でかつプログラムで最後に端末を返却した場合の価格表示であり、一括で買う場合には、7,591円+残価金額である52,920円の60,511円となる)。

つまり、約4万安い。まだ発売2ヶ月ちょいの新製品がである。

昔の一括0円には遠く及ばないものの、今の時期でこれだけのMNP特価が出てくるのであれば、これは買いである。
ちなみにこの価格は、中古価格相場よりもずっと安いので、中古端末に格安回線を組み合わる等という小細工もする必要がない。

さて、このiPhoneを僕が買う理由はあるのか。真に必要としているのだろうか。

必要、大ありである。

元々僕は、小型端末信者でiPhone5サイズでベゼルレスのような端末を望んでいたところ、このminiシリーズはずっと欲しかったサイズである。
ただ、12miniは電池持ちがイマイチという評判も多かったが、13miniでそれが改善されたらしい。
256gbも僕にとっては必要な容量で128gbでは足りない。

ということで、これは僕が真に求めている端末。買うしかない!
ということで、買ってきた。iPhone13miniの256gb。

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真に必要なモノだからこそ買ったのだ。決して、初売りセールの気分に飲まれたわけではない。
え?今使っているiPhoneⅹsMaxで全く不満が無かったんじゃなかったのって?

不満は無かったが、小型端末を欲しかったという気持ちは常に秘めていた。

いやいや、本当に欲しいのはiPhone12で、そのばら撒きを待っていたんじゃなかったのって?

まあ、でも、13miniなら良いでしょう。電池持ちも良いみたいだし・・

結局お前も、目の前のコスパの良さに踊らされて買っちゃっただけだろって?

そんなことは無い!!

正直、最初、12miniの128gbでも十分かなって思ったこともあったんです。
でも、バッテリー持ちが少しでも長い方が、ストレージが大きい方が、日々の運用上の心の余裕というか、満足度の積み重ねが大きくちがってくるんちゃうかなと。
安さを取るのか、その小さな日々の満足を大事にするのか。真剣に考えました。
その結果、やっぱり、毎日使うものやから、日々の満足度が何よりも大事やなと、素直に思えたんですね。
そこに関しては、何の嘘もないです。
こんな特価キャンペーンを新年早々やってくれたauにはホンマに感謝しかないですね。

ということで、今年最初の買い物はiPhone13miniとなった。
とってもコスパの良い買い物なったので非常に満足である!
この特価キャンペーンは、ヨドバシで(他の量販店も追随しそうだけど)1月11日までとなっているので、自分の真のニーズと向き合って欲しいと思ったら買っちゃいましょう!

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