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冷水シャワーと科学

前回の冨永さんの冷水シャワーの記事を見て、「冷たそうだなぁ」と「気持ちよさそうだなぁ」が入り混じる感覚、あれ、何なんでしょうね。俗にいう、怖いもの見たさのようなものなんでしょうか。

研究員の藤平です。
早くも2度目のコラムです。

このコラム執筆の2日前、サイエンスアゴラ2023という国内でも規模の大きな科学祭のオンライン版に登壇し、科学についての哲学対話を行いました。対話型コミュニケーションは私のフィールドの一つです。
(哲学対話って何?という方には、後日、サイエンスアゴラ公式YouTubeから一部動画公開されるようですので、そちらをご覧いただければと思います。)
科学をテーマに、複数名で問いと返答を紡いでいったのですが、その中に科学に対する「恐れ」というキーワードが出てきました。冨永さんの記事にも冷水に対する恐れという話が出ていたので、タイムリーだなと思っていました。

冷水に対する恐れについて冨永さんは「実際以上に冷たいものだという思い込み」から来ると書かれていました。
科学に対する恐れについては様々な意見が出ましたが、知らない事柄について「科学者や研究者が何をやっているのか分からない」ことから来る恐怖がある、という意見が印象的でした。

冷水シャワーは何度も経験するうちに恐れが消えていったとのこと。
科学も苦手意識のハードルを下げ、知りたくなって、更に学び続けられるようになれば、恐れも低くなるのではないかと思います。私のフィールドの一つであるサイエンスコミュニケーションの分野が助け舟になるかも知れません。

哲学対話もサイエンスコミュニケーションも、平時は「おもしろまじめ」に行うものだと思っています。冨永さん曰く「予断や恐れで固くなった心身は、現実を受け止める力が弱い、とかあるいは、現実を楽しみ損ねる」とおっしゃっています。恐れを取り除く作業も楽しくできるとより良い人生になるのかもしれない・・・なんて思う10月末の夜でした。

冨永さんが焼酎ならば、私は風呂上がりのアイスですかね。楽しい儀式です。

文/藤平昌寿(Safeology研究所研究員/自治医科大学客員研究員)

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