仮面ライダーブーム到来

仮面ライダーブームが到来している。

きっかけは、「仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド」(2024年2月公開)である。


大好きだった「仮面ライダー555」(2003年1月から2004年1月)の正統派続編で主要キャスト、脚本家も一致ということで、その製作が発表されてから期待8割・不安2割で待ち焦がれた作品である。
「仮面ライダー555」シリーズについて語りたいことは山ほどあるが、本題から逸れるばかりか、長過ぎて誰も読まなくなってしまうので割愛する。

この仮面ライダー555最新作を劇場で公開初日に観賞してから、過去の仮面ライダー作品を視聴したい欲求が再び私の心を支配し始めた。

仮面ライダーは好きだ。
でも、私はウルトラマンも、スーパー戦隊もゴジラも好きなのだ。
しかも近年は仮面ライダーへの情熱はどちらかというと下火だった。

理由は様々だが、近時の作風がハマらなかったというネガティブなものもあるが、それ以上にウルトラマンやスーパー戦隊の勢いがすごかったためだ。
最新作「ウルトラマンブレーザー」「王様戦隊キングオージャー」の革新さ、面白さは凄まじかった。これらも語りたいけど、ここまでにする。

娘の影響も大きい。
最初に娘の心を捉えた特撮は、「ウルトラマンデッカー」(2022年)だった。返信時の掛け声が気に入ったようだった。その後娘は、複数のウルトラマンを観賞し、4歳にして「ウルトラマンゼロ」という推しを見つけた。
娘はプリンセスも大好きだったから、「キングオージャー」のカマキリオージャーを推しかけたものの、その後「獣電戦隊キョウリュウジャー」(2013年)に出会ってから、片っ端からスーパー戦隊シリーズを観ている。
誤解の内容に言うと、私からゴリ押ししたことはない。血は争えないということだ。
ただ、娘にはまだ仮面ライダーはハードルが高いようだ。
理由は様々で、女性戦士が少ない、話が重い(雰囲気)、などが影響していそうだ。

といった理由で、仮面ライダーから心が離れ気味だったが、仮面ライダー555が一気に引き戻してくれた。

久しぶりの仮面ライダーは・・・


では、何を観ようか、となり、私は「仮面ライダージオウ」(2018年~2019年)を選んだ。


この作品は、平成ライダー(2000年放映開始の仮面ライダークウガ以降のライダーをそう呼ぶ)20作品目の記念作品で、過去のライダーが多数登場した。
その関係で、仮面ライダー555の主人公「乾巧(いぬいたくみ)」と「草加雅人(くさかまさと)」が15年ぶりに出演していたのを覚えていたからだ。

理由は他にもあった。
仮面ライダー555をはじめ、名作だと思う仮面ライダーシリーズはたくさんある。これまで何度か見直してきた。
仮面ライダージオウはそこには入っていない。テレビ放送時、無理やり過去の仮面ライダーを引っ張り出してきてストーリーを構成した結果、意味不明で付いていけないと思うことが何度もあったことが大きい。

でも、やっぱり過去の仮面ライダーが出てくるのはとても味わい深いし、主演の「常磐ソウゴ」は非常に魅力的だったし、他にも素晴らしい要素がたくさんあった。

もう一度一気に見たら何かが変わる期待があったんだと思う。

その期待は的中した。
ネットに転がっている考察などに助けられながら一気見を進めると、非常に奥深く、複雑でよく構成されたストーリーだった。
キャラクターは非常に魅力的で、過去のライダーとの共演もうまく実現されていた。

私は決意した。
これまでつまらない・イマイチと思っていたライダーを今こそ見直すべきだ、と。

仮面ライダーキバ

次に私が選んだのは、瀬戸康史さん主演の仮面ライダーキバ(2009)だった。


その理由は、仮面ライダー555と同じ井上敏樹さんの脚本だということ。
だけでなく、こちらも私の中で残念な方の仮面ライダーだったからだ。

当時私は受験生で、遊ぶことは皆無で勉強ばかりしている生活だった。そんな中、なぜか受験仲間たちと仮面ライダーキバを観て、考察を語り合うのが数少ない楽しみになっていた。
しかし、当時の感想では、あまりストーリーが盛り上がらず、終盤に駆け足で適当にまとめられたような気がしていた。考察会議で、こういう話だったらつまらない、と言っていた方に進んでいった(ような気がしていた)からだ。

結果として、こちらも見直して大正解だった。途中から面白いやらかっこいいやらで止まらなくなった。
見直したことによる変化を列挙する。若干ネタバレありだけど、15年前の作品なのでご容赦ください。
・キバがあまりかっこよくない。→めちゃくちゃかっこいい。
・説明なしの設定変更がある。→設定変更ではなく、ちゃんと理由がある。
・あんなに思いを寄せていたのに、結ばれた途端他の女性に行くのはドラマとして盛り上がらない。→そういうことってあるんだよな。切ない。
・エンペラーフォームばかりでつまらない。→エンペラーフォームカッコよすぎてずっと見ていたい。
・終盤で急に色々説明されて無理やり風呂敷が包まれた。→ちゃんと流れがある。

などなど、枚挙にいとまがない。
イマイチ作品から、大好きな作品に突然変異した。

コンテンツは変化する

そして私は、今「仮面ライダー響鬼」(2005)と「仮面ライダーカブト」(2006)を同時期に視聴している。2つの作品は作風が全く違うので、気分によって好きな方を選択している。
こんな贅沢ができるのは動画配信サービス隆盛のおかげだ。ありがとう、動画配信サービス(映画は映画館派)。

TVシリーズの合間に、食わず嫌いをして唯一ちゃんと視聴してなかった「真・仮面ライダー 序章」(1992年)を観て、その流れで「仮面ライダーZO」(1993)「仮面ライダーJ」(1994)を久しぶりに観た。いずれにも独創性があり、非常に楽しめた。
時代と共に作風を変化していけたことが、仮面ライダーがここまで生き延び、それどころか圧倒的に支持されている理由だと改めて感じた。

そして、最近の仮面ライダーブームにより気づいたのは、コンテンツを楽しむ私自身が変化していて、それによりコンテンツの捉え方も変わっていくということだ。
コンテンツは常に同じところにおらず、私と共に変容していく。
昔は好きでなかったものでも今見たらこんなに面白いのだ。逆もあるかもしれない。10年後は分からない。

いつ死ぬかはわからないけど、きっと私は死ぬまで、同じ特撮作品・映画などのコンテンツを巡るんだろう。
楽しみでならない。

あとがき

今回の仮面ライダーブームは何度目なんだろうと思った。
そもそも1度目はいつだろう。
仮面ライダークウガから仮面ライダー555を一気見した大学2年生のとき?仮面ライダーキバに熱中したとき?社会人1年目で地獄のような現実から未視聴の平成仮面ライダーを観たとき?コンテンツ制作会社に転職して、同僚にプッシュされて、「仮面ライダーウィザード」(2012年から2013年)と「仮面ライダー鎧武」(2013年から2014年)を観たとき?

いや、違う。
「仮面ライダーBlack」(1987年)に出会ったときだ!(当時3歳)
3歳だったのに、鮮烈に記憶にあるのは、家にあったビデオを何度も見たからだと思う。
仮面ライダーBlackと「仮面ライダーBlack RX」(1988年)は永遠のマイベストライダーシリーズだ。
特に仮面ライダーBlackは、私が人生を賭けた試験に臨む前に、ふと私の前に現れ、勇気をたくさんくれた。
感謝の念に堪えない。


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