見出し画像

ネットフリックス『REBEL MOON ー パート1:炎の子』 ソフィア・ブテラ&エド・スクラインが作品の魅力を語る。


【Profile】写真左:ソフィア・ブテラ/1982年4月6日生まれ、アルジェリア出身。プロのダンサーとして活躍したのち、俳優に。刺客を演じた『キングスマン』(2014年)で脚光を浴びる。写真右:エド・スクライン/1983年3月29日生まれ、イギリス出身。テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(2013年)、『トランスポーター イグニション』(2015年)に出演し、人気者に

『300<スリー・ハンドレッド>』『マン・オブ・スティール』などで、ハリウッドのアクション大作を牽引してきたザック・スナイダー監督。彼が数十年もかけて構想したという壮大なSFスペクタクル巨編『REBEL MOON』が2部作として完成。その前編にあたる『REBEL MOON ー パート1:炎の子』が全世界に向けて配信される。

宇宙の果てにある小さな星の集落が巨大帝国マザーワールドの軍勢に襲われ、一人の女性戦士コラが立ち上がる物語。そのコラを任されたのが、ソフィア・ブテラだ。『キングスマン』の義足の殺し屋など数々のアクション映画で活躍してきた彼女が、有能な戦士たちのリーダーとなるコラに最高のハマリ役。そしてマザーワールドの軍を指揮するノーブル提督、つまり本作の悪役がエド・スクライン。『トランスポーター イグニッション』の主演や、『デッドプール』などで発揮してきた存在感でで、邪悪なノーブルになりきっている。来日したソフィアとエドに話を聞いた。

ーーこれまで数多くの撮影現場を経験してきたあなたたちにとって、この『REBEL MOON』はどのような体験だったのでしょう?

ソフィア・ブテラ(以下、ソフィア)「撮影期間は153日という、とても長いものでした。結果的に私は自分たちの空間に完全に没入した気分になり、周囲もキャラクターになりきっていたので、魔法のような時間を過ごしたと感じています」

エド・スクライン(以下、エド)「たしかに今回の撮影は長かった。以前に僕が参加した現場は、最長で55日間くらいでしたから」

ーーその長い撮影期間で最も忘れられないシーンはどこですか?

エド「オープニングの村のシーンで、サンタクラリタという砂漠の町での撮影でしょうか。オープンセットにタランチュラや毒ヘビの使い手もいると聞いてビビりつつ(笑)、灼熱の中、僕はブーツを履いて演技しなければならなかったんです。それなのにソフィアも言ったように“魔法のような時間”だと感じられました。あまりにも楽しく演じてしまったので、シーンとしてちゃんと成立するのか心配になったくらい。でも見応えのある映像になっていて安心しました」

ソフィア「撮影中は、空がどんな色なのかもわからなかったし、次にどんな映像が待っているか予想できなかったけれど、私も完成版で観た時、それらを確認して感激しましたね」

ーーソフィアはダンサーとしての活躍も豊富なので、今回のアクションにはその経験も生かされたのでは?

ソフィア「そのとおりです。ダンスは私の人生の一部なので、つねに仕事には役立っています。肉体的にはもちろんですが、自制心や規律を守ることもダンサーの条件なのです。今回はみんなと一緒にワークアウトで準備を進め、個人的にはピラティスで身体を整え、食生活にも気をつけました。ただ、銃を持ってのアクションははじめてだったので、早い時期からスタントチームとともに、銃の持ち方や、持ってどう走るのかを学んだのです。演じたコラは若い時期から戦士だったので、動きが身についていないといけません。細かいところはザック(・スナイダー監督)が直してくれました」

ーーエドはこれまでも悪役を演じることがあったと思いますが、今回のノーブル役は素顔のあなたとかなりイメージが異なります。

エド「僕もそう感じています。ノーブルは、僕自身と最もかけ離れた役でしょう。(横にいるソフィアに向かって)きみも、いつもの僕とこの役はかなり違うと思ってるよね(笑)?  完成した映像や作品のポスターを見ても、とても自分とは思えない。とにかくザックが描写するキャラクターにどこまで近づけるかはチャレンジでした。その結果、親しい友人は、これまでの僕の仕事の中で、本作をいちばん高く評価してくれたのでホッとしています」

ーーコラとノーブルが戦う理由について、お二人はどう考えて演じましたか?

ソフィア「いろいろな理由があります。ひとつは(マザーワールドに狙われた)村を“守る”こと。弱い立場の人々を助けようとするわけです。さらに自分自身の“贖(あがな)い”でしょうか。そこにはコラの過去が関係していて、『パート2』で描かれます。一度でも正しい行いをしなければ……と、彼女は自分に言い聞かせながら戦っているのです」

エド「ノーブルはマザーワールドの一員で、元老院にいる父親は彼に失望しています。いわゆるダメ息子ですね。そのため銀河系の彼方で反乱者を取り締まるような末端の仕事を課せられています。でも本人には野望があり、マザーワールドや父親に評価されたくて、お尋ね者を捕らえようとコラの仲間たちを標的にする。それが戦いの大きな理由です」

ーー今回の共演によって、俳優としてのおたがいの才能や人としての魅力を、どのように感じましたか?

エド「ソフィアの美しさは誰もが認めるところでしょう。でも俳優はモデルではないので、神秘的な部分や内面の奥行きも要求されます。そんな事実を『REBEL MOON』の彼女が実感させてくれるのでは? 戦士の忍耐力、強さが伝わってきますから。とにかく真摯に役にアプローチしていた印象で、リスペクトせずにはいられません」

ソフィア「ふだんのエドはジェントルマンで礼儀正しく、周りに対して気を遣う人です。それはアーティストとしても、また一人の人間としても価値のあることです。エドのようにいろいろなことに寛容な性格でないと、俳優としてやっていけないでしょう。そんなことを彼から教わりました」

エド「女優って、撮影のテイクとテイクの間に、気分転換でチワワを片手に抱いてたりするイメージもあるけど、きみは決してそんなタイプじゃないよね(笑)。みなさんは完成版のソフィアの映像しか観られないわけですが、僕はそのテイクに至るまでの100倍くらいの彼女の演技を現場で観ているので本当にラッキーでした」

ソフィア「(エドをハグしながら)うれしい。ありがとう!」

『REBEL MOON パート1 炎の子』配信中
製作・監督・脚本/ザック・スナイダー 出演/ソフィア・ブテラ、チャーリー・ハナム、ペ・ドゥナ、ジャイモン・フンスー、ミヒウ・ハウスマン、スタズ・ネア、レイ・フィッシャー、エド・スクライン、アンソニー・ホプキンス 配信/ネットフリックス

取材・文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
撮影=三橋優美子 photo:Yumiko Mitsuhashi
Netflix映画『REBEL MOON - パート1:炎の子』12月22日(金)世界独占配信
© NETFLIX, INC. AND IT'S AFFILIATES, 2023. ALL RIGHTS RESERVED.

ご興味あれば、ぜひサポートのほどよろしくお願いします。今後の記事制作に役立たせていただきます。