あまえんぼうとチャンポン（数行日記）
9月28日
息子に「今日保育園どうだった？」と聞くと「ママ待ってたのよ。来るかな来るかなって、見てたのよ」と答えたので、下唇を前に突き出して、感情がどちゃ溢れるのを堰き止めた。
9月29日
友人と子連れで会った。自由奔放に走りだした娘を追いかける友人の背中が、腰を落とした本気（マジ）の走りで、さながら救出に向かうレスキュー隊のよう。人混みに向かい、走る娘。その前には階段。後ろからレスキューに向かうママ。臨場感ある「育児」だった。
9月30日
お腹が痛い。食事中の息子に言うと「ごはんたべおわったら、ヨシヨシしてあげようね……」と言ってくれた。優しい。すき。
10月1日
夜ご飯に、ちゃんぽんを作って家族で食べた。その夜、カーズの絵本を読んで「お前こそチャンピオンだ！」と言う文章をきいた息子が、リピートしたつもり満々で堂々と「あまえんぼうと、ちゃんぽんだ！」と言っていた。惜しい。
10月2日
愉快で美人な友人とご飯を食べに行った。友人が「私、それで怒髪天を衝いちゃって！」と言って、口語で「怒髪天を衝く」と聞いたのははじめてだったので、ゲラゲラ笑った。「怒髪天を衝く」。中国史以来、はじめて言葉にした人じゃない？
10月3日
疲れが溜まっていた日。保育園に送った後、そのまま仕事にいくつもりだったけれど、寄り道をして美味しいパンを買って、夫とゆっくりおしゃべりをしながら食べてから仕事をした。夫の背後に揺れるカーテンに、木の葉の影が映り、愛すべき朝だった。
10月5日
息子のかわいい服をいきおいで買ったら、私の物よりも高かった。一生サイズ１００を着てくれますように。
10月6日
電車と新幹線とタクシーを乗り継いで、あさぎーにょちゃんの結婚式へ。息子は、スピーチを聞いて泣いている参列者に向かって「泣いてるの？ メガネどうしてとってるの？ じゃんけんしよう」と言い続けていた。
10月7日
コンタクトレンズを紛失して、何も見えないままホテルのビュッフェ会場で朝食。何も見えないので、もともと細い目を全力で細めて情報を得ようとしたせいで、息子を守るSPみたいに周囲に睨みをきかせてしまった。
10月8日
同僚たちと、子連れピクニック。1歳8ヶ月の子が、突然「じゅういち……じゅういち……」と言うので何かと思ったら、まじで数字の「１１」が書かれており、Ohジーニアス。
10月9日
祝日だけど、仕事。夜にお腹が痛いと言ったら、息子が「また痛くなったら言ってね。よしよししてあげるからね」と言ってくれて、わざわざ起き上がってよしよししてくれて、泣いた。けど、そのあとで壊れたおもちゃみたいに一生「また痛くなったら言ってね。よしよししてあげるからね」を１０回くらい言っていたので、涙も引っ込んだ。あと、この日記を書いていて気づいたけど、ずっとお腹痛いみたいだな。病院行くか……
▶︎感じたことや学んだことや、見た情景、気分などを、月3〜4本、しっかり書いているメンバーシップはこちら。
▶︎最新回はこちら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？