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第一回分身ロボットカフェ(2018年11月)
noteをはじめた理由のひとつに、お仕事のことなども記録していこうと思っていたまま。自己紹介の記事から時が止まっている(三日坊主にすらなれなかった)ので少しずつ思い出しながら書いていこうと思います。
2018年。社会人になって発症した病気が長引き、入退院を繰り返した末、ようやく病名もわかり、治療をしながら少し病状は落ち着いてきたものの、療養という名の引きこもり生活ももう10年以上。お仕事をしたい、でもなかなか見つからない。そして見つかったとしても移動や外出に伴う困難や、働ける体力など制約が多すぎる。
と、もどかしい思いをしていた頃です。家族がTwitterで分身ロボットのテストパイロットを募集している記事を見て「これなら、外に出られなくてもできるんじゃない?」と教えてくれたのがきっかけ。とにかく働きたい!という一心で応募しました。
その頃の私は、オリィ研究所のこともオリィさんのことも知らず、「え?社長が黒い白衣って大丈夫かな?」と失礼ながらにも思っていました。(いま思うと本当にごめんなさいという気持ちしかない。)
書類選考が終わり面接にのぞむまでに、オリィ研究所が目指している「孤独の解消」、そして番田雄太さんも出演されているドキュメンタリー番組に強く胸を打たれて「ここで働きたい!」と思ったのでした。
その後、ご縁があって採用してもらい、OriHimeパイロットとして働き始めることになりました。
応募動機は自分が働きたい気持ちが一番。
あとはこの2点。
・同じような病気の人のモデルケースになりたい。
・ずっと家にいて、自信がなくて、ビクビクして、そんな自分を変えたい。
目まぐるしく、準備や研修が始まりました。
その頃の慌ただしさは多くの人がお話ししてくださっているので、そちらをお聞きいただきければとおもいます。(が、忙しすぎてほとんどの人が当時の記憶がないっていう。)
そして迎えた
第一回の分身ロボットカフェDAWN ver.β
2018年11月26日から12月7日
場所は日本財団ビル
映画『イブの時間』とのコラボでした。
普通のカフェをイメージしていたわたしは、初日のマスコミ取材の多さにびっくり。そして10年以上ぶりに多くの人と話し、OriHimeを通じて外に出ることに体がびっくりして、気持ちは嬉しいのに体がついていかず、はやくも2日目でダウン。OriHime-Dにも酔うようになり乗れなくなりました。
その時助けてくれた、オリィさんやスタッフさんやエンジニアさん、一回目のカフェを共にした10名のパイロットのみんなには、今でもとても感謝しています。
わたしだけシフト通りに入れない、OriHime-Dにも乗れない。そんな私がパイロットでいていいのかな?迷惑をかけてしまうからやめたほうがいいのかもしれない。それはつい最近まで私が抱えていた思いです。
けれども、シフト通りで働くのが難しい私にフレキシブルにシフトに入るという選択肢を与えてくれ、バックアップを用意してくれる。OriHime-Dに乗れなくても、OriHimeで受付や卓上の接客をする役割を作り出してくれたこと。
そして、OriHimeに入るのにも緊張して冷や汗が止まらない私に、毎回声をかけ続けてくれる仲間や現地のエンジニアさんたちのおかげで、いまわたしは辞めずに楽しくお仕事できているのだと思います。
そして、アナログ人間の私、カフェの終わり際にようやくTwitterを始め、少しずつカフェの様子を発信するようになりました。(Twitterのアカウントを作るのに丸一日かかったのはここだけの話。)
当日券はあっという間に完売。見学や体験コーナー、物販コーナーなどはございますのでぜひどうぞ。
— さえ (@Saepochaco) December 5, 2018
キレイな受付のお嬢さまたちに混ぜていただきましたー!#分身ロボットカフェ pic.twitter.com/R1xPk4vEK4
#分身ロボットカフェ
— さえ (@Saepochaco) December 5, 2018
私は身体症状症という病気です。常に吐き気などの身体症状に悩まされています。身体障害をお持ちの方はもちろんオリヒメを使って肉体労働をすることができますが、私のように外的刺激やストレスに弱かったり、精神障害をお持ちの方も働ける未来が来ればいいなと思っています!
お客さまにプロフィールカードの写真を褒めて頂き、えっ本体の方ですか?と聞き直してしまった。いつのまにかオリヒメが分身って意識が自然に定着してたのに驚き!ちなみに本体の方は褒められ慣れてないので、褒めて頂くと電波障害がなくても挙動不審になりますー∑(ノ∀`*)#分身ロボットカフェ
— さえ (@Saepochaco) December 5, 2018
それにしても、病気になってから何年も家族や医師とくらいしか会話をしてこなかったから、毎日たくさんの人と出会えることが本当に感動でしかない。私が働くことで支えてくれた家族も嬉しいって言ってくれて私も嬉しい!#分身ロボットカフェ
— さえ (@Saepochaco) December 5, 2018
そしていまや常設店舗の主任研究員さまになってくださっているお客様たちとのご縁もこのころから♡(1回目のカフェの時から、変わらずぼーっとしている自分の写真にいまおどろいている。)
マサさん、TKさん、みかさん、さえさん。楽しい時間をありがとうございました🎵#分身ロボットカフェ pic.twitter.com/Yv8QuTfR4c
— 緒里架 (@5mikan7maguro) December 5, 2018
コスプレも♡
コーキさんのサンタ姿が大好きな私です。(この頃からの推しです。)
そしてみかちゃんの「出会うべくして出会った仲間」という言葉。いまでも本当に奇跡のような巡り合わせだったって思っています。
出撃、もとい、出発直前のチョイドキ時間。
— コーキ👨🏻🦼OriHimeパイロット🌟 (@koki_sixx) December 6, 2018
女子二人に挟まれて喜ぶコーキサンタ。
本日もご来店ありがとうございました!
オープンから連日沢山のお客様にご来店頂き大盛況の分身ロボットカフェですが、ついに明日が最終日となります。是非明日もご来店ください。#分身ロボットカフェ, #AVATARCAFE pic.twitter.com/xb9lKjSKcW
難病で動かなくなっていく身体に、なんて事だ!って思っていたけど、今は分身ロボットカフェで、なんて事だ!という景色を見せてもらっている。
— みか (@mikarinnomahou1) December 6, 2018
出会うべくして出会ったパイロット仲間と、明日7日ラストランです。
でも私達のスタートでもあります!#分身ロボットカフェ pic.twitter.com/gk4XU63i9l
以前、記者さんにさえさんにとって「一回目のカフェから一緒に働いてきたパイロットのみなさんのことを一言で言うとなんでしょうか?」と聞かれたことがあります。
「同僚」「同期」「友人」「戦友」?
いろいろな言葉があるけれど、「仲間」ということばが一番しっくりくるのかな。けれど、この関係性を既存の言葉でカテゴライズしてしまうのはもったいないなというくらい、豊かな関係性が生まれた場所でした。
昨日で最終日を迎えました。一言で言うととても楽しかったです!!このカフェでたくさんのご縁がありました。大切にしていけたらと思います。#分身ロボットカフェ pic.twitter.com/mHzb6b5hOe
— さえ (@Saepochaco) December 8, 2018
当時は、私だけOriHime-Dに乗れないし、シフト通りに働けないしと、正直心から楽しめていない自分もいたのですが、周りのみんなの優しさやあたたかさに触れて、いまは当時を思い出すととてもポカポカとした気持ちになります。
カフェでお仕事したお給料がはいったら家族にお寿司をご馳走する!と決めているのだけど、家族が、それより食べたいものないの?美味しいもの食べようよ!ご馳走するから!と言ってくれて、遠方に越した友達が就職祝いだよ♡と逆に小包送ってくれたりでもう感謝しかない。 #分身ロボットカフェ
— さえ (@Saepochaco) December 9, 2018
昔一緒に働いてた同僚で友人がカフェの動画を見てくれたようで、オリヒメのさえちゃんの声聞いて当時を思い出して涙でたよって言ってくれて私も泣いてる。オリヒメで働いてる私をみて、病気の私じゃなくて、元気に頑張ってた頃の私を思い出してくれたのがとても嬉しい。#分身ロボットカフェ
— さえ (@Saepochaco) December 26, 2018
一回目のカフェはメニューもコーヒーかオレンジジュース。コーヒーはオリジナルコーヒーの「オリィブレンド」です。
カフェの期間が終わり、送ってもらったオリィブレンドは本当に美味しかったなー!仕事後のコーヒーという感じで!
オリィブレンドでのんびり♪深煎りのしっかりビターな味わいとすっきりした後味。飲みやすい( o´ェ`o)この季節はといえばのシュトーレンと一緒に頂きました!(この時刻にシュトーレンとはなかなかの背徳感。) #分身ロボットカフェ pic.twitter.com/83FEZywMRM
— さえ (@Saepochaco) December 16, 2018
そして、当時取材に来てくださった記者さんが、常設店になった際にも足をお運びくださって、3回にわたって新聞で特集をくんでくれたり、当時のお客さまが今でも常設店舗に会いに来てくださったりとご縁が続いているのも嬉しいことです♡
読売英字新聞の一面にオリヒメ集合写真。みんなでうつってる写真嬉しいー!!#分身ロボットカフェ pic.twitter.com/oK4NWOhYvD
— さえ (@Saepochaco) December 23, 2018
そしてカフェが終わっても、パイロットのみんなとの関係性は続き。3年前もいまも相変わらずのやりとりをしております。笑
パイロット仲間と「寒いね。」「こっちもめっちゃ寒いー。」「こたつから出れない。」「オリヒメD操作して外に肉まん買いにいきたい。」「カフェラテも欲しい!」ってメールしてて、そんな未来が来ないかなぁって考えてる( *´艸`)笑 #分身ロボット #OriHime
— さえ (@Saepochaco) December 28, 2018
もう3年になるんだなぁ。
あっという間。
まだまだ初心者気分は抜けなくて、失敗したり、うっかりしたり、ぼーっとしたりな毎日です。
けれど、気持ちの芯にある部分はかわらなくて、「こんな私でも働けているから大丈夫。」ということをこれからも発信し続けていけたらいいなと思っています。
そして、働きたいという気持ちと同時に、外に出るのが怖かった私、人が怖かった私。それはいまも変わらなくて、人と関係性を築くのにまだとても勇気がいります。でも、大丈夫ぶるのをやめよう、その場しのぎのことをいうのは止めよう、ありのままの自分でいようと思わせてくれる人たちに出会えたのもこの1回目のカフェでのご縁のおかげです。実は何度もパイロットをやめようと思ったこともあるけれど、周りのみんながいるから続けられています。
私の小さな世界が広がった年。実はとても人見知りです。10年ぶりに外の世界に出ることに不安もたくさんありました。でも、たくさんの方とお会いし、助けてくれる仲間がいて、外の世界は私が考えていたよりずっと優しいものでした。ご縁があったすべての方に感謝を。よいお年を! #分身ロボットカフェ pic.twitter.com/FBqCWcHMZ7
— さえ (@Saepochaco) December 31, 2018
これからも、落ち込んだりもするだろうけど、ありのままで。それがいつか誰かの「大丈夫」に繋がったらいいな。
あまり自分の気持ちをこうして書き連ねることはないのですが、歳と共に失われていく記憶にあらがうために、記録も兼ねて綴っていければなと思っています。
そして、簡潔に上手にまとめることができないこの書き散らかした文章を最後まで読んでくださった方が万が一いたら、本当にありがとうございます♡
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