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[Chicago Booth MBA] インタビュー対策という答えの無いゲームにMatthewという選択肢を 後編

彼とのメールのやり取りで一番衝撃的だったのは、(多分誰もが言及してるだろうが)フレキシビリティだった。

メールを見ても記録は残ってないため、きっと会話で言っていたのだと思うが、だいたい朝の8時ぐらいから夜の22時ぐらいまで、基本的にどこでもいいと言うのだ。「フリーターかよ」と心の中で突っ込んだことを覚えている。まぁ個人事業主らしいスタイルである。特にタイで時差もある中で調整しなければいけないので、夜22時まで対応してくれるのは本当にありがたかった。

結局彼とは、合計6回セッションをした。

1) インタビュー6日前

簡単な自己紹介とモックインタビュー。この日が最初の顔合わせで、どんな強面のおじさんが出てくるのかとドキドキしてたが、陽気でフランクな感じで、特に彼の書斎は木のぬくもりが感じられて安心したことを覚えている。初回で「この人と心中しよう」とまでは思えなかったが、独特のプロフェッショナル感・手練れ感が伝わってきて、「この人についていけばいけるんじゃないかな」ということは分かった。巷では、複数のカウンセラーにお願いすべきという意見もあるが、彼との会話を見事に消化できれば、Matthew一人にお願いしてもきっといい結果を掴めるんじゃないかなと思った。これまで調べてきた質問集や回答集は一旦捨て去り、この日を境に全てをゼロから構築し直した。

2) インタビュー4日前

1日空けて、いろいろ不安な点や質疑点を質問をしてたら、一気に60分が終わってしまった。モックインタビューできず。でも、彼のアドバイス通り「Mind map」を頭に描いて会話するというのは、単に言いたいことを暗記するより効果があるなと実感し始めた。特にMatthewと話すまでは「オンラインやし軽くカンペも使えるかな…」と余裕をこいてたが、当然ながら論外だった。オンラインとはいえインタビューは生もの。会話なのである。だから「違和感」があるとそれは減点になると。一番わかりやすかった説明は「自分の準備した回答はすらすら答えるけど、コロナの話とか世界経済の話とか振られて、その場で自分の回答をできなかったら、それは非常に良くないよね。もちろん暗記するなとは言わない。でも全てを暗記しちゃいけない。あなたの準備しまくったベストアンサーと、準備できない唐突な質問に対するワーストアンサー、このギャップがあればあるほど、対応能力で減点されてしまうんだ。この応募者は自分との会話ではなく単に覚えたフレーズを話しているだけの機械だ、って感じちゃうよね。それはNGだ
そして僕は猛省した。

3) インタビュー3日前

この日もモックインタビューに入る前の質疑応答で、1時間が終わってしまった。さすがにMatthewも「そろそろ本番見据えたインタビューしないとやばいんじゃない?笑 明日は絶対しよう」と言っていた。間違いない。でも不思議と彼と話していると、自分もなんだかできそうな気になってきた。というか、彼はトークのプロだ。僕よりも僕の体験談を華麗に語ってくれる。僕はそれをただただうなずいて「確かに!」「そういう風に回答すればいいのか!」「そのフレーズ頂戴します!」とずっと笑いながら、メモを取りながら、彼の話を聞き入っていた。彼の手にかかれば、どんな些細な出来事もドラマチックな話に生まれ変わるのである。

4) インタビュー2日前

改めて、暗記を全て捨て、Mind mapを浮かべてモックインタビュー。全然ダメだったことしか記憶にない。「自己採点で何点だった?」と聞かれて、確か「60点」と答えたことを覚えている。やはり頭で思い描いているのとアウトプットするのでは全然違う。2日前にも関わらず自分の出来の悪さに、相当落胆した。この日は仕事も手につかず、一日ずっとインタビューの内容を振り返っていた。確か、フラッシュカードを使って、質問に対するキーワードを瞬時に思い浮かべる練習をしていた。

5) インタビュー1日前

1日前にも関わらず、手加減なしのレビューをしてくれるMatthew。「この人は本番当日を目前に控えた人間のメンタルに寄り添う気はないのか?」というぐらいにまで徹底的に言ってくれるなと思った。笑 もちろん自分の出来がよくなかったのもあるが、とはいえ「70点」のできに対して、残りの「30点」を徹底的にぐりぐりとコメントするのである。前日のコメントとしては相当堪えたが、全てが胸に刺さりすぎて、中途半端に妥協されるより全然マシだなと思う。これは持ち前のメンタルタフネスで切り替えたが、この30点をいかに埋めれるかが当日の鍵を握るのだなと思った。

6) インタビュー当日 (15分前)

本番直前ということで、本番と全く同じ設定でMatthewと会話をした。しかも朝7時(タイでは5時)から。こういうことができるのは非常にありがたい。彼のフレキシビリティに感謝。パソコンの配置・自分の映り方・服装・部屋の温度・飲み物の準備・ネット環境のチェック・照明チェック、全てをMatthewにも確認してもらいながら整え本番を迎えることができる安心感は尋常じゃなかった。さて、肝心の彼との会話は、軽く雑談してリラックスさせてくれるのかな~と思ってたら、ふつうに30分のモックインタビュー。お金も払ってるので当然と言えば当然だが、でも心のどこかで「直前だからTipsとリラックストークかな」と思っていたが、全然そんなことはなかった。でも、それでよかったのだと思う。これがMatthewのやり方だし、僕はこの人に付いていくしかなかった。何より、この短期間で、朝一から夜遅くまで常にフレキシブルに動いてくれた彼には本当にプロフェッショナリズムを感じていた。きっとMatthewも、僕にはまだまだモックの経験が必要なんだと思って、直前にも関わらずやってくれたのだと思う。

Matthewからのメッセージ

こうして振り返ってみると、彼の対応は本物だったなとつくづく感じる。何より、自分がサポートしてきた受験生たちが合格してきた実績を彼自身が一番理解しているし、その自信が僕にも伝わってきた。

僕が本番インタビューが終わった後と、そして合格の連絡を貰った後、家族の次に連絡したのは彼だった。それぐらい「Matthewに早く伝えたい!」という気持ちで溢れたし、彼に心から感謝していたのだと思う。

最後に、合格を伝えた後、彼から来たメッセージを紹介させて欲しい。

Matthewからのお祝いメール

いつもぶっきらぼうに要件しか返ってこない彼から、まさかの「Dear ~」から始まる丁寧なメールが来て、今まであまり褒めてくれなかった彼が手放しで喜び、僕を評価してくれたのである。そして「Preferring instead to be judged」という言葉からも、彼のプロフェッショナリズムを感じた。

「Matthew、めちゃくちゃNice guyやん」って、BTS(タイの電車)に乗りながら目頭が熱くなってしまった。

インタビュー対策は答えの無いゲーム

極端な話、誰もが「どうやって準備したらいいねん…とりあえずネットで情報あさるか…」というところからスタートすると思う。それでいいと思う。誰もが自分の旅があるし、誰もが自分に合った準備方法がある。ビジネス同様、答えの無いゲームだ。

僕のインタビュー対策はMatthewに始まり、Matthewに終わった。彼無くしては絶対に合格はなかった。Matthewには心から感謝している。

もしMBA受験生で、インタビュー対策するにあたり、この記事に辿り着いたのであるならば、彼にそっとメールを送ってみてはいかがだろうか。
aldridge@m5.kcn.ne.jp

インタビュー対策を今すぐにでもしたい!そうはやる気持ちをよそに、とんでもない長文が返ってくるのでご注意を。

Thank you Matthew for all of your support. 


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