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ヒマラヤ便り44号 ヴァサント・パンチャミ

ナマステ~!今日は、春の到来への準備をお祝いする「ヴァサント・パンチャミ」のレポートです。2023年は1月26日、2024年は2月14日、2025年は2月3日です。(日本時間)Don't miss it!!!

ヴァサントは「春」パンチャミは「5日目」という意味ですが、シシラ(冬)のマーガ月(1~2月)のシュクラ・パクシャのパンチャミに祝われます。春の到来の前祝いということですね。

季節の移行期間は40日で、春の到来の40日前に祝われ、その後徐々に春が満開になります。ヴァサント・パンチャミの40日後に、春本番のお祭りホーリーカとホーリー(色のお祭り)が盛大に祝われます。

ヒマラヤ便り35号 色のお祭り Holi|エルマ鹿通信 el magica express|note

ヴァサント・パンチャミは、知識、音楽、芸術,、知恵、学習を司る女神サラスワティ(弁財天)の生誕記念日であり、サラスワティに捧げられるお祭りです。幼い子供が文字の書き方を学ぶことを手伝い記念します。サラスワティの恩恵は、学校に深く関係することから、サラスワティ・プジャーは学校の行事としても行われます。

サラスワティのお気に入りの色である白を身に着け、白い花で飾り、ミルクと白ゴマのお菓子をお供えしたり、家族や友人と共有します。北インドでは、この時期マスタードの花とマリーゴールド(Genda Phool)が豊富なので、春を象徴する色である黄色い服を身に着け、黄色い花をお供えしたり、お米をサフランで黄色く色付けしたり、黄色のお菓子を食べます。

ヒマラヤ便り19号 マリーゴールドと馬蹄|エルマ鹿通信 el magica express|note

りんご、デーツ、バナナ、ナツメの実が供えられます。ナツメの実は、ヴァサント・パンチャミの前から八百屋に並びますが、多くの人は、サラスワティーに捧げた後に食べるのを楽しみに待ちます。


サラスワティ Sarasvati  湖を持つ者 弁財天

知識・芸術・学問・言語・知恵の女神

  • トリデーヴィー(3女神)の一女神。

  • ブラフマーの妻。人類の祖マヌの母。

  • 三日月。

  • サラス=湖。又は水を蓄える。ヴァティ=所有する者(女)の他、サラ=本質、スヴァ=自己とも訳される。

  • 住処ブラフマロカ。

  • ヴァーハナ(神々の乗り物)はハムサ(白鳥)とマユラ(孔雀)。   白鳥は、善悪を区別する能力があり、精神的完全性、超越性、モクシャ(悟り、解脱)を象徴し、孔雀は、多彩、祝いの舞踏、蛇の捕食者として、毒を悟りの輝く羽毛に変える錬金術的能力を象徴します。

  • 神話上の聖なる川 、純粋さの象徴であるサラスヴァティ川の女神。

  • 色は、純粋・洞察力・知恵を表す白。

  • 4本の腕があり、一組で数珠(マーラー)と知識を表すヴェーダ(聖典)を、もう一組で調和を表す弦楽器ヴィーナを持ち、光、知識、真実を象徴する白い蓮に座っています。

  • 水辺に描かれ、流れるものとして言葉、知識、音楽を象徴しています。

  • サラスワティの所有する水鍋には、ソーマ(知識と解放につながる神々の飲料。月神チャンドラと関連がある。)が入っている。

神秘の聖なる川 サラスワティ川 The mystical sacred river Sarasvati

現代の人間には発見できない聖なる川、純粋さの象徴であるサラスワティ川は、プシュカル(ラジャスタン州)に向かって流れています。ガンジス川とヤムナー川の合流点は、トリヴェ二サンガム(3川の合流地)と呼ばれる聖地です。人間にはガンガとヤムナ2川の合流点ですが、本来は神秘の川サラスワティ川も合流しているのでトリヴェ二と呼ばれています。
神話時代、恐ろしい戦争のさなか、「ヴァダヴァ二」と呼ばれる世界を滅しかねない火が生まれました。デーヴァ神族は、シヴァに助けを求めました。シヴァは、「サラスワティが川になれば、ヴァダヴァ二を海へと運び、海の水に浸して消すことができるので、サラスワティに助けを求めるべきだ。」と助言しました。神々は、サラスワティに宇宙を守るよう頼みました。サラスワティは「弟子のブラムハが、私が川になるよう願った場合だけ、お引き受けします。」と返事しました。ブラムハは、サラスワティに川になるよう願いました。サラスワティは、ブラフマロカを去り、賢者ウッタンカを訪ね、そこでシヴァに会いました。シヴァはポットに入ったヴァダヴァ二を渡し、「プラクシャの木(聖なるイチジク。インドボダイジュ)に由来するように。」と助言しました。サラスワティはプラクシャの木に融合し、川に変わりました。プシュカルから海に向かって旅を続け、遂に海にたどり着き、ヴァダヴァ二を海に浸すことに成功しました。

インドくるるん滞在日記

夫であるブラフマー(梵天)との逸話

トリムルティ(3大神)の一柱である創造神ブラフマーは、自らの体からサラスワティを創り出しました。あまりの美しさに妻に娶ろうとしましたが、サラスワティは逃げてしまいました。サラスワティを常に見守るため、ブラフマーは前後左右と上に5つの顔を創りました。5番目に作られた上の顔は、のちにシヴァによって焼き切られるため、ブラフマーは4つの顔を持ちます。サラスヴァティは、顔を創り出すほどのバラフマーの熱心さに負け、結婚することにしました。

ブラフマーが、プシュカルで祭儀を行う際、サラスワティが定刻になっても現れず、使者を派遣しました。サラスワティは、「今、お化粧中なので、もう少し待ってほしい。」とお願いしました。その伝言を聞いたブラフマーは怒ってしまい、「別の妃と祭儀を執り行いたい。」と神々に申し出ました。神々はガヤトリーを紹介し、ブラフマーは、ガヤトリーを妃として祭儀を執り行いました。その後到着したサラスワティは激怒し、「ブラフマーの祭儀は年に一度しか出来ず、また、ブラフマーはプシュカルでしか崇拝されない。」という呪いをかけました。

ヴィシュヌとブラフマーは、宇宙の時間の始まりに、巨大なシヴァリンガに近づき、その始まりと終わりを見つけようとしました。ヴィシュヌが終わりを求め、ブラフマーが始まりを求ることになりました。ヴィシュヌはイノシシの形で地中を掘り、ブラフマーは白鳥の形で上空を飛びましたが、二人とも見つけることは出来ませんでした。ヴィシュヌはシヴァに感服し、ひれ伏しました。ブラフマーの5つある顔の一つ(上の顔)が、「始まりを発見した。」と嘘をつきました。全知全能のシヴァは嘘を見抜き、第三の目で、嘘をついた顔を焼き切りました。そして、シヴァは「ブラフマーは、いかなる地でも崇拝の対象にならない。」と宣言しました。ブラフマーを崇拝する寺院が存在しないのは、そのためです。

シヴァ・プラーナ

パールヴァティ Parvati  山の娘 烏摩妃

Mansi

写真は、ゲストハウスのお嬢様のマンシィ。マンシィという名前は、「スピリチュアルな献身」という意味があります。私の写真をずーっと見たがっていて、見せてあげた時、川の写真を見て「パールヴァティ!」と感嘆の声をあげておりました。13歳の誕生日を迎え、ティーンエイジャーの仲間入り。近所に住む従姉のお姉さんが付き添ってパーティに繰り出す前の一枚。

Parvati 

愛と情熱、欲望の神 カマデヴァ

地域により、ヴァサント・パンチャミは、愛と欲望の神カマデヴァにまつわる伝説に関連付けられます。この伝説は、地球の情熱を目覚めさせ、世界を新たに開花させます。神々が、シヴァを瞑想から目覚めさせ、欲望と情熱を復活させるため、カマデヴァ(愛と欲望、情熱の神)を訪れた日とされます。

インドラ(雷神。帝釈天)と神々は、アスラの悪鬼タラカスラに苦しめられていました。タラカスラは、シヴァの息子によってのみ倒されるという恩恵を得て、シヴァが息子を授かるようパールヴァティに神聖なプジャーを行うよう助言しました。パールヴァティは、シヴァを夫とするため苦行をしましたが、シヴァは、最初の妻サティを失った後、厳しく深い瞑想を続けていました。
インドラと神々は、シヴァに世俗的欲望と情熱を復活させるよう、カマデヴァに命じました。カマデヴァは、シヴァを恐れ断りました。インドラと神々は、断れば呪いをかけると脅し、カマデヴァは、シヴァに滅される方がマシだと引き受けました。
カマデヴァは、最初に春の女神ヴァサンタを作り同行させ、春の雰囲気を醸し出しました。南風の形をとり、シヴァの護衛ナンディン(白い雄牛。シヴァのヴァーハナ(神々の乗り物)。カイラス山の守護神。)をかわし、シヴァの住処に入りました。
カマデヴァが花の矢を射ってシヴァを目覚めさせると、シヴァは激怒して第三の目を開き、カマデヴァを瞬時に焼却し灰に変えました。
動揺した神々は、シヴァに全てを説明し、祈りを捧げ、カマデヴァを蘇生させるように頼みました。カマデヴァの妻ラティ(情愛、快楽の女神)は、カマデヴァを蘇生させるため40日間の禁欲苦行をしました。シヴァは、神々とカマデヴァを許し、ヴァサント・パンチャミに願いを叶えました。シヴァは、カマデヴァを妻のラティにしか見えないアナンガ(アン=~のない。アンガ=体)の形で蘇生させました。
シヴァとパールヴァティは、めでたく結ばれ、カールティッケーヤ(スカンダ。軍神。韋駄天。)が産まれ、悪鬼タラカスラを倒しました。

カマデヴァ(愛と情熱、欲望の神)

  • サトウキビの弓、ミツバチの紐、5種の花の矢(青い蓮、白い蓮、アショカ(無憂花)、マンゴーの花、ジャスミン)

  • ヴァーハナ(神々の乗り物)緑のオウム。

  • ヴァサンタ(春の女神)を創造。

  • コキラ(カッコウ。サティは、パールヴァティに転生するまでの天界年1000年をカッコウとして過ごした。カッコウを崇拝すると、未亡人にならず、愛情と思いやりのある夫を得られる。)

  • そよ風

  • 妻はダクシャの娘、情愛と快楽の女神ラティ

  • 化身は、クリシュナの息子、プラディウムナとシャンバ。ブラフマの息子、サナト・クマラ(4人のリシ賢者)

花の弓と花の矢。
愛と官能的な欲望のヴェーダの神カマデーヴァはかつてシヴァに5本の矢を向けて美しい女神パールヴァテ​​ィーへの情熱を呼び起こしました。5本目の矢はシヴァの厳粛な心を突き刺し、欲望を引き起こしました。そして怒りの中でシヴァは彼の第三の目からの炎でカマデーヴァを灰にし、彼を目に見えない愛の力として、彼を身体のないものにします。
カマデーヴァの弓矢は、征服する女神のクルクラ(レッドターラー)の武器としてヴァジュラヤナ仏教に吸収されました。
彼の情熱の矢は、白い蓮、赤いアショカ、マンゴーの花、白いジャスミン、青い蓮の花からなり、無知、欲望、嫌悪、誇り、嫉妬の5つの毒として識別されました。クルクーラ(レッド・ターラー)のフック、縄、弓と矢は、蜜を含んだ赤い蓮の花と葉で飾られています。これらの武器は、征服する女神の武器として、縛り、圧倒し、固定し、魅惑的な磁気によってすべての存在を魅了し、制御する魔法使いとしての女神の機能を表しています。

Tibetan Buddhism Symbols Knowledge Card by Robert Beer

ヒマラヤ便り36号 Kurukulla-Red Tara|エルマ鹿通信 el magica express|note

カールティッケーヤ 勝利と戦いの神 韋駄天

  • 父シヴァ、母パールヴァティ、弟ガネーシャ。

  • 武器:ヴェル(槍)

  • ヴァーハナ(神々の乗り物)は孔雀。

  • 住処カイラス山

  • シンボル:雄鶏

  • 6つの顔、12本の腕を持つ。

  • 軍神インドラ(帝釈天)から神軍の最高指揮官を譲られる。

  • 別名:スカンダ(多量・集合体)クマーラ(少年)セーナーパティ(戦士の王)グハ(神秘的な者)シャクティダラ(槍を持つ者)ターラカジット(ターラカの征服者)など64の別名を持つ。

  • シュクラ・パクシャのサシュティ(6日目)は、スカンダ・サシュティと呼ばれ、スカンダに捧げられます。カールティッカのシュクラ・パクシャのシャシュティが最も重要です。

カールティッカは、ヒンドゥ暦8番目のシャラド(秋)の太陰月で、3番目のナクシャトラ、クリティッカに由来した呼び名です。クリティッカは「ナイフ」または「鋭い物」という意味で、カールティッケーヤは「クリティッカの者」という意味です。
カールティッケーヤが,、ガンガのほとりに現れた時、7つの星団がありました。この星団は、金牛宮(おうし座)を構成し、和名:スバル星団、ギリシャ名:プレアデス開放星団。星団ですが肉眼で見えるのは5~7星ほどで、プレアデス7シスターズと呼ばれています。地球からは444光年。金牛宮は冬星座の中で西側に位置するため、秋の夜には東の空に肉眼で観測できます。

スカンダとインドラが互いの力を巡って争いとなり、カイラス山を周回する競争をしました。二人は互いに勝利を譲らず、カイラス山に判定を求めました。カイラッシュはインドラに有利な判定をしたため、怒ったスカンダは槍を投げつけカイラッシュは削られました。そこがクラウンチャ峠になりました。





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