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【実録】40歳バツイチ女がマッチングアプリで年下彼氏に出会うまで(6)

いらっしゃいませ!さえこです。いつもお疲れ様です。今夜もゆるりと読んでいってくださいね。

【実録】シリーズ連載6回目。前回の記事はコチラです☆
https://note.com/saeko_111/n/n58c4085dc8bb

【前回までのあらすじ】
39歳バツイチのさえこは、マッチングアプリで知り合った大ウソつきのヒロくんに「実は既婚者なんだ」と告白される。
ショックを受けるも、それから数ヶ月にわたり別れることができず関係は続いていた。そんなある日、彼がマッチングアプリに登録していることが判明する。彼といるときの自分が幸せではないことにようやく気づき、別れを選択するさえこ。
辛くても涙を流しても、まだまだ出会いを諦めないのであった。

===

さてと、次なる作戦は…。
ヒロ君と別れてからわずか1週間。私は傷心をものともせずに活動を開始した。

今日は土曜日。手始めに丸の内で開催される「お見合いパーティー」に参加してみることにする。
新宿でも渋谷でもなく「丸の内」ってとこがいいよね。
素敵なビジネスマンに出会えちゃうかもしれないぞっ!テンション高めてこ~!!


女性35歳~45歳参加OKのパーティーだ。私の年齢、39歳はほぼ中央値といったところか。
年齢制限があるパーティーにおいて、特に女性は低年齢のほうが有利だ。でも、そのハンデを払拭する技を私は持っている。

学生時代は合コンしまくってたし、社会人になってからは営業職としてキャリアを積み、トップセールスとして表彰台に何度も立った。すなわち私は氷河期を生き抜いた「出会いのプロ」である。ハートの強さと、ファーストコンタクトでの「掴みの良さ」では誰にも負けやしない(なのになぜ幸せになれないのだろう……💧)


パーティーが開始するのは13時。
その時間に間に合うよう、会場近くの美容院に予約を入れていた。普段は後ろでひっつめている髪を、わざわざセットしてもらうためだ。

「ハーフアップをご希望ですね。今日はどこかにお呼ばれですか?」
美容師さんが笑顔で話しかけてくれる。
「ふふっ。実は、お見合いパーティーにいくんです!」
私は臆面もなく言う。

「わぁっ!そうなんですね。じゃあ気合い入れないとですね!」
「あはは、気合いはもう十分なんで、髪の毛はゆるふわ~で女子力~な感じでお願いしますっ」
「承知しました~!じゃあ、ゆる巻きと編み込みを合わせて女子力アピールしちゃいましょう!」
「おぉ~いいですねぇ!お任せしますっ!」

さすがプロの手さばき。セットは速やかに終わり、美容師さんに激励をもらって店を出た。

よし、準備は整った。
髪はゆるふわハーフアップ。ひざが隠れる丈の淡いピンク系のワンピースでオトナの上品さを演出。
素肌感を生かしたベースメイクに、アイラインはいつもよりも気持ち抑えめでさりげなく。ラメのアイシャドウを少しだけ加えてほどよい目力アピールもバッチリよ!
(これで、中身がハイボール大好きなおっさんだとは気づかれまい…)


潜在意識のセン子が言う。
――大丈夫かなぁ。いつも、気合い入れるところまではいいんだけどさ。頑張りすぎて空回りしないでよね?

「もうっ、セン子は黙ってて! これっくらい気合い入れないと参加できない気分だったの! これでも一応、傷心なんですからね」

会場には10分前についた。既に半数くらいの人が席についている。

えっと…お、受付はあそこか。

スタッフの人に向けて足を進めようとしたそのとき―――

ドンッ、と誰かが肩にぶつかった。

「あ、すみませ…」

すぐ近くに女性の顔があった。ものすごい目つきで私を睨んでいる。こんなにわかりやすく、誰かから「敵意」を向けられたことが近年あっただろうか。いや、ない(反語)。

私はタジタジとなりながら彼女に先を譲った。

続いて受付を済ませ、席につくとさりげなく先ほどの女性に目を向ける。…まずい!目が合った。

…おいおい、また睨んでるよ……💧💧


彼女から目をそらしたものの、心の中には決意の炎が燃えていた。ふわふわと、半分は物見遊山のようだった気持ちがピリリと引き締まる。
忘れていた。ここは、戦いの場なのだ。

いいじゃない。そっちがその気なら、やってやろうじゃないの。

「本日は、ご参加いただきありがとうございます。皆さまお集まりですのでパーティーを開始いたします。どうぞよろしくお願いいたします……」

参加者は男女それぞれ15人ほど。合わせて30名が円形に席についている。

女性が壁側に座り、男性がずれていくスタイルだ。一人と話せるのは5分ずつ(短か!)。
それでも5×15で75分。1時間15分か。

ふふ…。そんなのはね、伝説の営業マン・さえこにかかったら序の口よ!!!


手元のプロフィールカードに記入を終えると、いよいよ試合開始である。
「それでは、お話を始めてください。スタート!」

ゴングが鳴った。いままでに流した汗と涙―――すべてを結集してこの試合に挑む。

ーーーあーあ。スポ根モードが発動しちゃってる。いつの間にか試合ってことになってるけど、だいじょうぶ??(byセン子)

だいじょうぶ。39歳には39歳の戦い方がある。

(続く)

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