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夢の逢ひは

日曜日の朝。

寝坊のうたたね。

うっすらと目を開くと、見慣れた背中があった。

じんわりと体温を感じる。

ちょっと狭くるしいな。

でも、こういうのは悪くないな。

彼の髪の匂いがする。

こうして一緒に寝ているのはいいな。

こうして二人で並んでいるのはいいな。



死んじゃっても、

こうして一緒にいられるなら、いいな。




死んじゃっても…?

どうして隣にいるの?

… 

そこで目が覚めた。

私の横には白いシーツ。
誰もいない。

でも、確かに鼻腔の奥に懐かしい匂いが残っていた。



そういえばそんな歌があったな。


夢の逢ひは苦しかりけり
     おどろきて掻き探れども手にも触れねば
              (万葉集 巻四 第七四一番 大友家持)


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