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「ゆるく生きるとは?」毎日ショートエッセー:古い羅針盤129章

ゆとり時代だとか、Z世代だとか、昨今若者は貪欲さに欠けると批判されることが多い。失われた30年で育った、高度成長時代はおろか、バブル経済すら知らないからだとも。一方では、ガツガツした新興国の若者たちの活発性を羨んで、あ~あ、我が国は終わりだと嘆くご老人たちが多い。しかし、よく考えれば、人類はその利便性向上に突き進んできた生物であり、古代には食べ物を探し、それを食することでガツガツだった黒歴史がある。だからこそ、農耕文化や社会といった虚構を形成し、仕事を分担することで、ガツガツからゆとりある生活を少しずつ手にして来た動物でもある。だから、このゆるくとか、ゆとりは、利便性を追い求めるあまりに副作用として生じた人間のストレスを危惧する考え方で、もう少し、社会の進歩をゆっくり出来ないかという問いかけでもあろうか。地球温暖化でさえ、あれほど早くに産業革命が発展しなければ斯くなる地球汚染に起きなかったかもしれない。が、その根っこには、他人よりより良い生活を送りたいという自我、アイデンティティという生物本来が持つ種の保存則も垣間見えて、中々解決困難な課題でもあるのだろう。「ゆるく生きる」:いなり氏を読んでいる。


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