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めくらやなぎと眠る女

仏映画監督ピエール・フォルデさん来日。
お初にお目にかかりました。


事の起こりは去年の秋、友人の逸見愛ちゃんが演技レッスンの稽古場で放った一言でした。

「ねえ紅ちゃん、フランスにいる友達のダンナがひとりでアニメ映画作ったんだけど、日本での売り方がわからないんだって。いちど見てやってくれない?」
「いいよ。友達のダンナさんて何やってる人」
「さあ。音楽関係だったかな」

そんな言い方されたらふつう、素人の自主映画と思うじゃないですか。

まあじゃとりあえずウチで上映会やろう、となり、彼女が我が家に持ってきたのが後に新潟国際アニメーション映画祭でグランプリを獲ったピエール・フォルデ監督映画『めくらやなぎと眠る女』でした。

原作は村上春樹の小説で、映画の舞台は日本です。

ネコズがたむろすうちのリビングで初めてこの映画を観た感想は、最上級の賛辞の意味での「なんだこりゃ」でした。

アニメは大好きでこれまでいろいろ見てきた私ですが、そんな私が「これどうやって作ったんだろう」と驚いたものだったからです。

音楽、映像、構成、どれも一流。
しかも作中のかえるくんの声と動きは監督本人がやってます。

こだわりというか作り込みがほとんど狂気の域に達しており、それでいてどことなくへんなおかしみがあるのです。

こんなの日本じゃ絶対できない、なんだろうこの無国籍感。

その彼が来日したのでとりあえず最近いろいろ世話になってる内田滋さんのお店「だれかれ」で祝賀会をやりました。
アニメ関係でお世話になってる桑島龍一さんも一緒です。

日本での配給等、詳細はのちにまた告知するとして、ここではとりあえず料理を注文する時に監督の放った言葉をのせておきます。

私「何か苦手な食材はありますか」
ピエールさん「(真顔で)タコとカエルはやめてくれ。両方ともボクの友達なんだ」

洋の東西に関わらず、変わっている人というのはみんな同じ匂いがします。

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