伝わるエントリーシートを書くには?
「まずは、最も伝えたいコトを冒頭の一文で!」
取材でお邪魔した大学の野球部のマネジャーさんから「400字以内の自己PRは、どう書けばいいですか? 」と『逆取材』を受け、そう答えました。
エントリーシートの自己PR文の構造として、オススメなのは
「はじめ(冒頭の一文)」「なか」「終わり」の3幕構成です。
「文章は起・承・転・結で書け」と言いますよね?
でも、エントリーシートや面接は字数(持ち時間)に制限がある。
「起・承・転・結」は、短く伝える場合には不向きです。
「はじめ」「なか」「終わり」の3幕構成の方が向いています。
「はじめ」から順に説明しますね。
①はじめ
まず、結論から言ってしまいましょう。
自己PRなら「私は○○な人間です」。
志望動機なら「私が貴社を志望したのは、○○だからです」
というように、一文で伝えたいことを表してください。
キャッチコピーやタイトルのような一文を書くのもいいですね。 とにかく、シンプルに内容を伝えます。
これは、予告編みたいなもの。「これから何について話を始めるのか」を、最初の一文で読む人に伝えます。
これをせずにダラダラと書き出してしまうと、読者(就活の場合は、採用担当者)は何についての話なのか、わからないまま読み進めなければいけない。そんなの、はっきり言って苦痛です。
あなたも友人の話を聞いているとき、何の話なのかがわからなくてイライラしたことはありませんか? 思わず「で、何の話?」と突っ込んでしまったことは?
企業の採用担当者は何百人分ものESを読みます。全員のエントリーシートを最後の一文まで、同じ集中力で読み込むのは不可能です。読み始めて何の話なのかがわからなかったら、読み飛ばしてしまうかもしれません。
「それが仕事なんだから、ちゃんと読んでくれよ!」と言いたい気持ちはわかります。でも、悲しいかな、それが現実。そうならないように、まず結論から書くのです。
②なか
次に、①の結論に至った根拠を述べます。
ここでのポイントは、2つ。
1)エピソードや具体例は、読み手の脳裏にイメージが浮かぶように
視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚 の五感に訴えましょう。
例えば……
「ボールが見えなくなるほど暗くなるまで練習した」
「何も音が聞こえなくなるほど集中した」
「何度もボールに食らいついて地面に倒れた。土が苦かった」など。
2)数字を入れる
仮に「一生懸命頑張った」と言ったら、どうでしょうか?
あなたが思っている「一生懸命」と、採用担当者が思っている「一生懸命」が
同じとは限りませんよね。
例えば、野球の素振りなら
×「たくさん素振りをした」
×「人一倍スイングした」 ではなく、
○「1日1000スイングした」。
1)の「五感」と組み合わせて、書いてみましょう。
例えば
「全体練習が終わって、真っ暗になってからも素振りを続けた。1日1000スイング。
マメがつぶれて皮がむけ、そこが固まってゴツゴツした手になった」
どうでしょう? 頭の中に映像が浮かびませんか?
相手の頭のなかに映像が浮かべば、伝えたいコトが共有できる。共感してもらえる確率がグッと上がります。
この根拠を、A、B、Cの3つくらい用意しておくと便利です。
ES(面接)の長さ・分量によって、Aだけにしたり、A+Bにしたり、A+B+Cしたりして、長さを調節できるからです。
③終わり
「はじめ」で書いた結論を発展させた形で締めくくります。
読み手に期待を持たせるような、未来へ向かった形の文にします。
さらに「はじめ」と「終わり」が一致している、つまり首尾一貫していると、より相手に伝わりやすくなります。
最初の一文で結論として述べたことを○○とすると、
「私の○○が、貴社の~~で生かせます」
「貴社に入って、私の○○をさらに伸ばしたい」という形です。
このように書けば、あなたが伝えたいことは読み手に伝わります。
エントリーシートも面接も、「何を書くか」には正解はありません。伝えるべき「何か」は、10人いれば10通りです。あなたらしさが伝わる内容であればいい。
ただ、それを「どう書くか」にはある程度の正解があります。まず、結論を表す一文から書けば、少なくとも「何について書いてあるか、わからなくて読み飛ばされる」ことはないはず。エントリーシートが通過する確率はグッと上がります。
さて……。
もうお気づきですよね?
この文章自体が、結論から始まる「はじめ」「なか」「おわり」の3幕構成になっています。
このnoteが、少しでもあなたの就活のお役に立てば幸いです。
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