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「誰のために、何を、どう書くか」逆算で考える~スポーツライティング講座第1回講義の実況中継③

スポーツについて伝えるとき、「誰のために、何を、どう書くか」。これを逆算で考えてください。

ライター講座で学ぼうとする人は、「どう書くか」ばかりにとらわれがちなんですね。
文章力、文章のテクニックでなんとかしようとする。
そうではないのです。それはあくまで最終手段です。

お配りしたレジュメを見てください。一番上の「どう書くか」から、逆算していきます。
「どう書くか」の前に「何を書くか」。「何を書くか」は「何をどう訊くか」で決まり、「何を訊くか」は「何をどう視るか」で決まります。


どう書くか(執筆力=表現力+構成力)
執筆力とは、表現力と構成力で成り立ちます。
表現力とは、どういう言葉を使うか。構成力とは、何をどの順番で伝えるか。これについては、第3回の「文章の書き方」で詳しくお伝えする予定ですが、少しだけお話しますね。

昔の映画は緩やかに始まって、クライマックスがあって、終わりを迎えるというものが多かった。でも、今の映画はドーンと始まって、そのままクライマックスまでもっていかないと、ヒットしない。

文章も同じです。最初に山場を持ってこないと、読んでもらえない。特にWEB媒体の場合は、最初に緩やかに始まってしまうと、そこから先を読んでもらえない。だから、構成としてどこに、何をもってくるか。どのエピソードを、どの順番で書くかーーを考えなければいけません。


何を書くか(狭義の企画力=取捨選択)
さきほどお伝えしたように、「どう書くか」というのは最後の手段です。逆算すると、その前に「何を書くか」ということがある。これは、狭義の「企画力」です。

取材したなかにいろいろな話がある。そのうち、どれを伝えれば、その人物の人となりが伝わるのか。いい試合だったけど、読者がどのシーンを知れば、そのよさが伝わるのか――というようなこと。どこにスポットを当てるか、どこを切り取って書くかということです。取材したいろいろな材料を「取捨選択」するということですね。

「何を書くか」ということは、言い換えれば「何を書かないか」ということになります。写真でも同じですよね。どこかを撮るためには、どこかを撮らない。同じ瞬間に複数のものは撮れない。そこにファインダーを向けるということは、それ以外のものを捨てる、あきらめるということですよね。

原稿を書くときも同じです。材料の選び方というか、捨て方です。取材をしたなかのどの材料を使って、原稿をつくるか。

たくさん取材したり、インタビューして、原稿を書く。おそらく、取材したことすべては書けないと思います。どこかを選んで書く。その選び方にこそ、その書き手の個性が出る。取材対象のことを伝えるには、どのエピソードを入れれば引き立つのか。それを選ぶということです。

「どう書くか」以上に、「何を書くか」が大事です。「何を書くか」の選択がうまくできていないと、どんなにいい文章を書いても、いい原稿にはなりません。

どんなに料理の腕が良くても、どんなに調味料がよくても、材料自体の味がよくなければ、その料理はおいしくないーーというのと似ていますね。

ここまでが「どう書くか」と「何を書くか」ということです。

ここから、さらに逆算です。「何を書くか」は材料集め、つまり「何を訊くか」「どう訊くか」で決まります。
                          (④へ続く)

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スポーツライター。野球(主に東京六大学リーグ、東都大学リーグ)を中心に取材しています。 「取材の量と原稿の質は比例する」がモットー。 「週刊ベースボール」「大学野球」「ベースボール・クリニック」などの野球専門誌などに執筆中。
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