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東京的男女の機微戦線

親友と言っても過言ではない男友達がいた。大学と社会人の結構長い期間一緒に過ごし、ちょっとしたグルメを2人で気取って街に繰り出し、「結婚出来なかったら逃げ恥っぽく一緒に住も」とたまに話す仲だった。お互いの家のこと、仕事のこと、多分1番分かり合っているのではと思っていた

こうやって書いていると自分が如何に傍若無人なのかと思うが、アラサーにはこういう友達がいる人間もいるのではないでろうか。ちなみに私は物凄い美人などでは誓ってないく、特別な人間ではないということを申し添えておく。スタイルは比較的良いかもしれないが、知人によると「似顔絵にしづらい顔」らしいですし

私たちの関係性にひびが入ったのは私に久しぶりにちゃんと(?)した恋人が出来たこと。それまでは色々と迷走していたが、ちゃんと向き合って大切に出来る恋人が出来、そのことは男友達にも報告した

男友達もその場では祝福してくれた(と私は思った)が、折しもクリスマスが近かったことで、プレゼント交換をした。その中に手紙が添えられており、ずっと私のことが好きだったけど言い出せなかったと書かれていた

私は困惑と怒りを感じた。彼の気持ちに全く気がついていなかった訳ではないが、アルコールと冗談の海に毎度溺れ、その場限りの話ばかりしていた私も悪いと思うが、ものすごくたくさんチャンスがあったのを無にしてきたのも貴方でしょ、と思った。そして関係性は修復できずに今に至る。大学時代の思い出も消え失せているようにも感じるのは少し悲しいけど、大丈夫。

恋人と一緒に住む話が全く進展しない中、ふと男友達のことを思い出す。恐ろしい事に互いに家族も男友達のことを知っているし、一緒に住むとなってもこんな風に悩んだり上手くいかないこともなかったんだろう

でも某バンドの有名曲でないけれど、お互いに運命の人ではなかったんだろう、もし一緒にいたとしても早晩破綻はしないだろうけど、不満が妙なタイミングで爆発する、愉快でない関係になっていたのではないかと思う

よく、「男女の友情は成立するか」という話題があるが、私はこの男友達の件もあり成立する派だったが、少し考えを改め、「成立するが実際はめったにない」派となった。男女の友情はあってほしいし、私は会社の同期(ほぼ男性)とは仲は悪くないし、男女織り交ぜて仲良くしているグループもある。グループだからかなんだか適度な距離感があり、穏やかに仲良くしている。ただ、もっと近く寄ろうとするタイミング・スピードが合わないと男女の友情はすぐに崩れる、ということだろう

東京にはそんな話が溢れていて、毎晩どこかの居酒屋やバーで交わされている会話の一つだと思う。でも、実際に食らうと平静ではいられないし困惑をする

恋人といて良かったなぁ、と思うのは言わば男女の機微戦線から解放されているなと思うときかもしれない。Apexをプレイしている彼の横で布団にくるまりながら本を読んだり料理をしたり。そんなことに幸せを感じられるようになったのはある種の成長なのかもしれない、と思い出す春なのであった

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