【MTG】5色ニヴ=ミゼット解説【サイクル3店舗予選突破】
はじめに
こんにちは。一般MTG草の根プレイヤー(@Saegusa_KEY)です。
あずまやさんにて2023/01/09開催のチャンピオンズカップサイクル3店舗予選(パイオニア:32人)を5色ニヴ=ミゼット(通称5cニヴ、Niv to Light)で抜けることができました。
私のプレイヤーレベルはカードで言えば《Wood Elemental》程度なのですが、ずっと擦ってきたデッキで望外な結果を出すことができたので備忘録も兼ねて5cニヴ解説記事を書きました。読んでいただければ幸いです。
5cニヴとは
5cニヴは《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》を戦場に出し、公開したデッキトップ10枚の中から2色のカードを全て手札に加えることで(各2色の組み合わせにつき1枚)莫大なカードアドバンテージを得て盤面を制圧する5色のミッドレンジデッキです。
そして、5cニヴの要ともなるカードが《白日の下に/Bring to Light》です。このカードによりデッキ内に存在するほぼ全てのカードを状況に合わせて唱えることができます。《白日の下に/Bring to Light》から《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》を唱えた場合、《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》により公開された10枚の中に《白日の下に/Bring to Light》があればそれを手札に加えることができるため、対戦相手にさらなる脅威を突きつけることができます。
また、《白日の下に/Bring to Light》は盤面の状況に応じて全体除去や他のクリーチャーを選択する事ができるので、非常に柔軟性が高いです。後述しますが両面カードによるインチキもあるのでお楽しみに。
ミッドレンジデッキらしからぬド派手な挙動と5色特有の圧倒的な拡張性の高さが、5cニヴの最大の魅力です。
デッキリスト
チャンピオンズカップサイクル3店舗予選を抜けた際に使用したリストがこちらです。
見ての通り《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》を相棒に据えた80枚デッキとなっています。
80枚にしているのは以下の理由があります。
60枚ではマナ加速、除去、白日、フィニッシャー、土地でスロットが埋まってしまう為、少し重いデッキであることからもコントロールデッキ等に太刀打ちできなくなる
80枚にしてスロットを増やすことで環境に応じてデッキをカスタマイズしやすくなる
《白日の下に/Bring to Light》でインチキしたいカードはデッキ内にいてほしいので、80枚にすることでそれらを引く可能性を薄める
メインボード
マナ加速兼色の補助。タフネスが3あるため序盤のブロッカーとしても重宝します。
環境に多いラクドスミッドレンジ、アゾリウスコントロールに有効な一枚。
対ラクドスミッドレンジでは《致命的な一押し/Fatal Push》で除去されても《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester》と相打ってもトークンが残る為、相手がこちらに対して打って出てくるアグロプランを崩すことができます。
対アゾリウスコントロールはこのカードが出ている状態では相手は打ち消しを使えば使うほど不利な状況に追い込むことができます。痺れを切らして全体除去を打たせタップアウトしたところに《白日の下に/Bring to Light》や《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》を通してゲームの主導権を握っていきましょう。
いぶし銀枠。
80枚デッキということでキーカードである《白日の下に/Bring to Light》を探しに行けるカードとして採用。《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》との相性もヨシ!飛行も地味に偉かったりする。
スタンダード最速禁止のクリーチャー。
このデッキはゲームの序盤はマナ加速にターンを費やすので相手からの攻撃を受けライフを消耗しがちです。それを土地を置くだけで4点もゲインし、さらにマナ加速までしてくれるとんでもない生物です。
4点ゲインしてるだけ勝ってしまうゲームもあります。ライフが心もとない時は《白日の下に/Bring to Light》でこのカードを唱えることも考慮にいれます。
《寓話の小道/Fabled Passage》との相性は言わずもがなであり、このデッキの欠点であるワンアクションで終わりがちなところを改善してくれるため、本当に助かっています。
4色のカードなので《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》で回収できないことに注意しましょう。
このデッキの主人公。アドバンテージ獲得源兼フィニッシャーを務めます。
《白日の下に/Bring to Light》から唱える筆頭候補となります。
このカードが生き残り《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》でブリンクした瞬間、大体相手ははじけ飛びます。
また、現環境最多勢力であるラクドスミッドレンジはこのカードを除去する手段が《戦慄掘り/Dreadbore》程度しかなく、機体意識で最近よく採用されている《パワー・ワード・キル/Power Word Kill》はドラゴンを除去することができないため、一度戦場に出てしまえばそのままゲームを決めてしまうことも少なくありません。
アイドル枠(?)。戦場に出た時盤面に5点を振り分けます。
7マナであるため《白日の下に/Bring to Light》から唱えることはできませんが確実にボードアドバンテージを稼いでくれます。
またデッキ内の赤緑のカードはこのカードのみなので《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》のヒット率を高めてくれます。
次ターンで8マナに到達すれば、《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》を回収しそのまま唱えてこのカードをブリンクさせることができるので相手の場を壊滅させ心を折りましょう。
ちなみに雌です。デカい。
ドローしたくないカードその①。
《白日の下に/Bring to Light》は本来5マナ以下のカードしか唱えることはできませんが、このカードの表面は2マナのクリーチャーなので《白日の下に/Bring to Light》でデッキから指定することができます。そして一度追放し、唱える段階になるとなぜか表面か裏面のどちらを唱えるか選択することができるので、5マナしか払っていないのにデッキから突然7マナのプレインズウォーカーを戦場に出すことができるのです。
また、本来《白日の下に/Bring to Light》はプレインズウォーカーを指定することはできないので二重の意味でインチキをしています。
裏面の《星界の騙し屋、ティボルト/Tibalt, Cosmic Impostor》は7マナのプレインズウォーカーということでアドバンテージ獲得と除去を同時にこなすとんでもない性能をしています。場に定着したら間違いなくゲーム決めてくれます。
表面の《嘘の神、ヴァルキー/Valki, God of Lies》も弱いわけではなく、相手の手札のクリーチャーを追放しそれのコピーになることができます。相手の手札を見ることができるため、前方確認としても使うことができます。
ドローしたくないカードその②。
これも《白日の下に/Bring to Light》からインチキを狙うカードです。
裏面の《命取りのうぬぼれ/Deadly Vanity》は8マナの全体除去となっており、自分のクリーチャーを生かしつつもそれ以外を全て破壊することができます。またこの手の全体除去では珍しくプレインズウォーカーも流すことができるのがこのカードの魅力です。
表面の《無私の象形織り/Selfless Glyphweaver》は自分のクリーチャーに破壊不能を付与します。引いてしまった場合は余裕のある時に出しておき、後から出すフィニッシャーを除去から守りましょう。
単色パーマネントを追放する万能除去。現環境でよく見る脅威となるカードは単色であることが多く、腐ることはほとんどありません。
緑信心に対しては《老樹林のトロール/Old-Growth Troll》と《茨の騎兵/Cavalier of Thorns》の死亡時の効果誘発をさせることなく除去することができたり、様々なデッキに採用されているフォードゴン・レルム探訪で収録されたミシュラランド達もマナを使わせた上で除去できるので非常に便利です。
クリーチャーだけでなく単色であればエンチャントやプレインズウォーカーに触れるのもいいですね。
黒緑の除去と言えばこのカード。
打ち消されない為、《墓地の侵入者/Graveyard Trespasser》/《墓地の大食い/Graveyard Glutton》や《粗暴な聖戦士/Brutal Cathar》/《月憤怒の粗暴者/Moonrage Brute》等の護法を無視して除去することができます。
土地には触れないので、クリーチャー化したミシュラランドを除去することができないことに注意しましょう。
マナ加速カード。オムナスの2回目の上陸を誘発させるために使うこともあります。
ドローするため、《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》には注意。
効果モリモリインスタントその①
主にマナ加速とルーティング能力を使います。
3ターン目にこれでマナ加速して、ルーティングで5マナのアクションにたどり着くことができれば優位にゲームを進めることができます。
2点ダメージは相手自身に飛ばすことができるため、最後の押し込みに使えることを覚えておきましょう。
アーティファクト破壊は対アブザンパルへリオンやグルール機体で役に立ちます。
効果モリモリインスタントその②
除去された《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》や《創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation》等のフィニッシャーを再利用してさらにアドバンテージを得ます。
《嘘の神、ヴァルキー/Valki, God of Lies》を回収して《星界の騙し屋、ティボルト/Tibalt, Cosmic Impostor》として唱えられることも頭に入れておきましょう。
ハンデスとデッキトップ操作をするカード。
このデッキのスタートハンドは基本的にはマナ加速カードから始めたいのですが、マリガンしてそれらがない場合これがあればギリギリキープできるので、キープ基準をある程度緩和してくれるカードです。
ハンデス後の諜報1が本当に便利でドロー補助としても役に立ちます。
パイオニアの赤黒の除去といえばこれ。以上。
全体に3点ダメージと自分のクリーチャーに絆魂を付与するソーサリー。
現環境で嫌というほど見る《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》から出るトークンと《キキジキの鏡像/Reflection of Kiki-Jiki》を同時に除去したり、横並びした人間やスピリットなどのクリーチャーを流すのに重宝します。
また、こちらのフィニッシャー達はタフネスが4以上あるため、このカードで盤面を流した後に付与された絆魂で攻撃することで対戦相手の心を折ることがあります。
追放全体除去。
特に緑信心は奇数のクリーチャーしか出てこないので、このカードで全て流すことができます。単色カードですが現環境に刺さっているカードなので、1枚採用しています。
《白日の下に/Bring to Light》から唱えられれば良いので1枚の採用で問題ありません。
このデッキの真のキーカードです。
ここまでくればお分かりかと思いますが、このカードを引いてさえしまえばデッキ内のカードはほとんど全て唱えることができるので状況に応じてその場に適したカードを選択して盤面を制圧しましょう。
《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》でこのカードの回収に成功するとゲームを滅茶苦茶に出来ます。
条件次第では1マナで土地以外のパーマネントを問答無用で除去するエンチャントです。
単色なので《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》で回収することはできませんが、それを差し置いても強力な除去カードです。
このカードは版図の達成具合では1、2マナ、しかもインスタントタイミングで唱えることができるので、このデッキで陥りがちなトライオームのタップインによるテンポ損をある程度解消してくれます。
トークンを追放した場合、《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》でブリンクすることでさらに除去できることを覚えておきましょう。
4マナのプレインズウォーカー。
初期忠誠度4から+2で6になるので思っているより硬いです。
-2能力はエンチャントかタップされているクリーチャーかアーティファクトを追放することができます。特に現環境では《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》や《創案の火/Fires of Invention》、《力線の束縛/Leyline Binding》などの強力なエンチャントがあるため重宝します。
ー8能力は《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》を出してアドバンテージを稼いでやりましょう。
足りない色をカバーしたり、《創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation》の2度目の上陸を誘発させるカードです。
《創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation》が出ている状態でこのカードを置き即起動して《沼/Swamp》を持ってくることで即座に4点ゲインしつつ5色5マナを生成してさらなる動きにつなげることができます。
土地が3枚以下起動するとタップインしてしまうことに注意しましょう。
《寓話の小道/Fabled Passage》を含めてデッキ内の土地は37枚となります。
採用している土地についてはリストを参照ください。
正直雰囲気で土地を採用しているので(?)マナベース警察のみなさん、今がチャンスですよ。
サイドボード
80枚デッキということでこのカード。
ブリンク能力はもちろん強力ですが、単純に8枚目の手札として出てくる4/5飛行のクリーチャーはフィニッシャーとして十分強力です。
店舗予選の決勝ではこのカードの攻撃で勝負を決めました。
相棒は悪い文化。でも使う。
白単人間、スピリット、アブザンパルへリオン等への追加除去です。
単色カードですがこれらの相手にはテンポで遅れを取りたくないので1マナかつ打ち消されないこのカードを採用しています。
《致命的な一押し/Fatal Push》と選択になると思いますが、《大牙勢団の総長、脂牙/Greasefang, Okiba Boss》と《輝かしい聖戦士、エーデリン/Adeline, Resplendent Cathar》に当てにくいのが気になる為、現在は《引き裂く流弾/Rending Volley》を採用しています。
墓地対策と言えばやはりこのカード。
主にアブザンパルへリオン、イゼットフェニックス等にサイドインします。
しかし、アブザンパルへリオンは除去が豊富なこのデッキにとっては比較的有利な相手であり、イゼットフェニックスはこのカードを出したところで劇的に勝利に近づく訳ではない為、採用枚数は落としています。
打ち消されない《否認/Negate》。
主にコントロール、コンボデッキ等にサイドインします。
「この呪文は打ち消されない」の安心感は異常。
追加の鹿。打ち消しを多用するデッキにサイドインします。
追加の軽い全体除去。
ラクドスミッドレンジ、白単人間、スピリット等にサイドインします。
ラクドスミッドレンジは《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》と《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》を除けばタフネス3以下のクリーチャーで構成されているので意外と刺さります。
自分の《森の女人像/Sylvan Caryatid》の巻き込みに注意しましょう。
火力を調整できる《光輝の炎/Radiant Flames》と選択になります。
ロータスコンボ、4cエニグマ等にサイドインします。
常在型能力がメインの運用なので忠誠値の減らしすぎには注意しましょう。
実質エンチャント。
青いデッキ全般にサイドインします。
青いデッキに対してはお互いにこのカードをめぐるゲームになるので守りと攻めの両方でこのカードを使えるようになるといいと思います。
2色になった《記憶殺し/Memoricide》系カード。
ロータスコンボ、アブザンパルへリオン、緑信心等にサイドインします。
《殺戮遊戯/Slaughter Games》と選択になり、《白日の下に/Bring to Light》から唱えること前提とするなら基本的には《殺戮遊戯/Slaughter Games》のほうが性能が良いのですが、引いた時の場合はアブザンパルへリオンに対して3ターン目に唱えることができるため、現在は《漂流自我/Unmoored Ego》を採用しています。
リソースを削ぎながら墓地まで掃除するカード。
主に墓地利用、コントロール、コンボ系のデッキにサイドインします。
《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death's Hunger》の存在からラクドスミッドレンジに対して1枚だけ入れることもあります。
採用余地があるカード
最初に述べましたが5色であるこのデッキは拡張性が高く、ある程度は色に縛られることなく、環境合わせて様々なカードを採用することができます。今回は採用しませんでしたが私が今まで試してきたカードをいくつか紹介します。
対スピリット最終決戦兵器。
インスタントタイミングでの展開を阻害し、絆魂によりダメージレースを破壊することができます。スピリットのシェア率が高まってきたらまた採用しようと思います。
毎ターン2点のダメージを与え、軽い墓地対策を行うエンチャント。
コントロールなどの展開が遅いデッキ相手に着地するとこれによりかなりのダメージを稼ぐことができます。破壊不能なので除去されにくいのも優秀です。
しかし一度に大量の墓地を追放できないので、このカードを墓地対策として過信しすぎるのは良くないと考えています。
リアニメイトやデッキからの踏み倒しを妨害するアーティファクト。
一見《白日の下に/Bring to Light》と相性が悪そうに見えますが、《白日の下に/Bring to Light》はデッキから選んだカードを追放領域に送り、そこからカードを唱えるので、《風化したルーン石/Weathered Runestone》の効果範囲外となります。なのでこのデッキでも採用することができます。
消耗戦の果てに出てくる強力なクリーチャー。
十分ゲームを決めきる性能を秘めていますが、対ミッドレンジにはこのカードがなくても比較的優位に立ち回れるため現在は採用を見送っています。
コントロールがより多い環境なら採用したいところ。
疑似的なリアニメイトと破壊耐性をもつクリーチャー。
このカードもゲームを決める性能を持っていますが、やはり墓地が肥えていないと働かず、ゲーム序盤に引きたくないのと出したターンに能力を使うには合計で9マナもかかる為かなりのマナ食い虫であったことから現在は採用していません。
オルゾフ絶対〇すマン。
しかし、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》や《絶望招来/Invoke Despair》のパイオニア加入によりプロテクションの信頼性が落ちたので現在は採用していません。
ロータスコンボや赤単などにサイドインしたいカード。
ただし現在の環境的に赤単は少なく、ロータスコンボは《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City》でこのカードをバウンスしてからコンボを始動する為、刺さるかと言われたあまり効果を得られなかったので現在は採用していません。
多角的に攻められるプレインズウォーカー。
能力は強力なのですが、昼夜の管理が大変でジャッジキルをケアして採用をやめました(は?)。
3ターン目のマナ加速により4ターン目に5マナに到達させます。
ルーティングにより不要牌を有効牌に変えられる可能性を秘めています。
しかし、3ターン目にこのカードを出してタップアウトするほどいまのパイオニアに余裕があるかと言われればそうでもなく、除去とマナ加速とルーティングを同時に構えられる《プリズマリの命令/Prismari Command》のほうが扱いやすいと感じました。これも昼夜の管理が面倒。
マッチアップ・サイドボーディング
2023年1月兄弟戦争環境での代表的なデッキとのマッチアップについて紹介します。有利不利に関してはあくまでも私の主観です。
ラクドスミッドレンジ
【有利】
現在最多勢力のデッキ。
昨年開催されたチャンピオンズカップファイナルサイクル1ではTOP8に6人、私が参加した店舗予選では4人をTOP8に送り出した誰もが認めるパイオニアの王。
ラクドスミッドレンジは手札破壊、除去、優秀なクリーチャーを有した強力なデッキですが、打ち消すことはできない為、トップから降ってきた《白日の下に/Bring to Light》や《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》に対してはどうすることもできません。
また最近は5cニヴに対して有効な《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》の採用が減り、機体を除去するために《パワー・ワード・キル/Power Word Kill》の採用が増えているのが5cニヴにとってより追い風となっています。
先述した通り《パワー・ワード・キル/Power Word Kill》はドラゴンである《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》を除去することができません。
有利とは言え、《思考囲い/Thoughtseize》と《真っ白/Go Blank》を連打され5cニヴ側が有効牌を引く前にライフを削り切られることも普通にあるので油断はできません。
《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》が減っているとは言えゼロではないことに加えサイド後は大量のハンデスを食らうことになるのでトップからマナクリーチャーはあまり引きたくない思いから《森の女人像/Sylvan Caryatid》は全てサイドアウトします。
追加の《復活の声/Voice of Resurgence》と《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》、プレインズウォーカーと《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》に当たる《ドビンの拒否権/Dovin's Veto》をサイドインします。
アゾリウスコントロール
【互角】
由緒正しき青と白のコントロールデッキ。
5cニヴ側は大振りなアクションが多いため一見不利に見えますが、メインからアゾリウスコントロールに対して有効な《復活の声/Voice of Resurgence》と《思考消去/Thought Erasure》を採用しており、サイドからは多くのカードをサイドインできる為、思った以上に互角に戦えます。
ドローソースを使う暇を与えず、早い段階で全体除去を打たせタップアウトさせること目標にしてゲームを進めることを意識します。
ゲームプランとしては5cニヴが押し付けていく側になるので、打ち消しを使ってくれず、いつか全体除去で流されてしまうだけの《森の女人像/Sylvan Caryatid》は全て抜きます。残り4枚は当てる標的がないのでサイドアウト。
空いた枠にクリーチャーとハンデスと打ち消しをサイドインします。
《漂流自我/Unmoored Ego》を入れて《至高の評決/Supreme Verdict》を宣言することで《復活の声/Voice of Resurgence》をより強く使うプランも取ることがあります。
グルール機体
【微有利】
マナクリーチャーから早い段階で《エシカの戦車/Esika's Chariot》や《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》で攻めていくビートダウンデッキ。
ブン回られると追いつけないので最初は不利に感じていたが、《プリズマリの命令/Prismari Command》と《コラガンの命令/Kolaghan's Command》のアーティファクト破壊と2点ダメージが刺さりやすく、《アクロス戦争/The Akroan War》に対してもメインから触ることができるカードが多いので、序盤さえ耐えてしまえばあとは5cニヴ側の土俵となります。
特にハンデスしたいカードがないので《思考消去/Thought Erasure》は全てサイドアウトします。
《ドビンの拒否権/Dovin's Veto》は各機体、《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》、《アクロス戦争/The Akroan War》があるので意外と当てられる的は多いです。
人間
【互角】
優秀な低マナ人間クリーチャーを並べて一気にダメージを削り取る伝統的なウィニーデッキ。
《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》の1マナ要求が《白日の下に/Bring to Light》に対して非常に有効であり、こちらが全体除去を打つ前にゲームを終わらせてくることがよくある負けパターンです。
逆を言えば《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》さえいなければテンポよく除去をしていき5マナのアクションにたどり着くことができるのでそこから巻き返すことができます。
正直先手後手がゲームを決めると言っても過言ではないです。
グルール機体同様に、特にハンデスしたいカードがなく盤面に干渉する必要があるので《思考消去/Thought Erasure》は全てサイドアウトします。
緑信心
【不利】
《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》による莫大なマナから無限コンボをするデッキ。
このマッチアップは《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》が着地するかしないかでほぼ全て決まると言っていいです。メインボードには打ち消しが入っていないため《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》を止めることはできずかなり絶望的です。
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》が着地するとサイドボードから《石の脳/The Stone Brain》を持ってこられ、それにより《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》をデッキから抜かれ攻め手がなくなってしまいます。
サイドからは打ち消しと《漂流自我/Unmoored Ego》を入れて《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》を出させないようにします。これさえ出なければ基本的には5cニヴ側のクリーチャーのほうが緑信心よりも強力なので押し切ることができます。
しかしこちらが対策カードを引く前にマナ加速から《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》を早い段階で展開されてしまうことがほとんどなので、厳しいマッチアップと言えます。
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》を着地させないことを目指します。
《神秘の論争/Mystical Dispute》は相手が先行の場合、1ターン目マナクリから2ターン目の《ビヒモスを招く者、キオーラ/Kiora, Behemoth Beckoner》を防ぐことができる可能性があるためサイドインします。
青単スピリット
【不利】
低マナ域のスピリットクリーチャーで《執着的探訪/Curious Obsession》によるドローソースと《霊灯の罠/Geistlight Snare》等の打ち消しでバックアップをして殴り切るクロックパーミッションデッキ。
ドローを進めながら5cニヴ側の大きいアクションを1マナや2マナで簡単に弾けるので巻き返すのが難しいです。
また《不詳の安息地/Faceless Haven》はクリーチャー化しても無色の土地であるため、どの除去でも対象に取ることができないのも辛いポイントです。
明確にサイドインしたいカードが《神秘の論争/Mystical Dispute》と《引き裂く流弾/Rending Volley》の計4枚。
あまり有効でなく重いカードを2種類サイドアウト。重いカードが少し減ったのでマナクリを2枚抜きます。
正直対戦経験が少ないので明確なサイドボーディングが練られていない状態です。
ロータスコンボ
【不利】
《睡蓮の原野/Lotus Field》を何度もアンタップさせて生んだマナから1ターンで《副陽の接近/Approach of the Second Sun》を2回唱えて勝利することを目指すコンボデッキ。
5cニヴは盤面を処理するのは得意ですが、手札から繰り出されるコンボにはどうすることもできません。
サイドボードから打ち消しハンデスを追加してとにかくコンボが成立する前に殴り切ることしかこちらにやることはありません。
ありとあらゆる除去をサイドアウトします。どこにも当たりません。
ケルーガファイアーズ
【有利】
《創案の火/Fires of Invention》により5マナ域のクリーチャーを踏み倒して《帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King》や《炎の騎兵/Cavalier of Flame》で勝負を決めるミッドレンジデッキです。
5cニヴは盤面に干渉するのが得意なので《創案の火/Fires of Invention》の踏み倒しを防ぐことは容易です。
《消失の詩句/Vanishing Verse》が本当によく機能するマッチアップになります。
このマッチアップでは特に機能しない《復活の声/Voice of Resurgence》と《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》はサイドアウトします。
各種エンチャントと《創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation》とサイドインされるだろう《神秘の論争/Mystical Dispute》に対抗するため、こちらも打ち消しをサイドインします。
アブザンパルへリオン
【有利】
《大牙勢団の総長、脂牙/Greasefang, Okiba Boss》により早い段階で《パルヘリオンⅡ/Parhelion II》等の強力な機体をリアニメイトして大ダメージを与えるコンボデッキ。
5cニヴはインスタントの除去が豊富なので、墓地対策なしに《大牙勢団の総長、脂牙/Greasefang, Okiba Boss》のコンボを妨害することができます。コンボで勝てないならミッドレンジプランを取ってくるのがアブザンパルへリオンというデッキなのですが、ミッドレンジ対決ではより5cニヴが優位にゲームを進めることができるので、有利なマッチアップと言えます。
こちらはコンボに対して構える必要がある為、序盤でタップアウトしがちになる《復活の声/Voice of Resurgence》と《森の女人像/Sylvan Caryatid》はサイドアウトします。
追加の除去、墓地対策、《漂流自我/Unmoored Ego》でコンボを阻止します。《異界の進化/Eldritch Evolution》を見たら《夢を引き裂く者、アショク/Ashiok, Dream Render》もサイドインしてもいいと思いますが、《ラフィーンの密通者/Raffine's Informant》に殴られて落ちやすいので過信は禁物。
最後に
5色ニヴ=ミゼットの解説は以上になります。
このデッキの魅力が少しでも伝わっていれば幸いです。
人によってこのアーキタイプはリストの特色が出るので「俺はこんなカードを入れてるぜ!!」という人がいればぜひTwitterで気軽に話しかけてください。ニヴ談義しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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