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2020年2月の記事一覧

2020.02.29

冷凍の林檎をおろす小鍋にはいずれジャムなる飽和の冬だ

道徳の栞がゆれるパピプペポ

だからって理由をつけた師匠のことはわすれない覚えているの

揚げ物をするのですかと大量のキッチンペーパー売り上げ伸ばす
#パピプペポ川柳 #短歌 #現代短歌 #時事短歌

2020.02.28

真夜中にかけるアイロンの熱さがやわらぐ朝(行ってらっしゃい)

したつもり 仮定のなかで寝落ちて目覚め断定と気づいて存在
#短歌 #現代短歌

2020.02.27

巷では賑わうコロナゆえ便乗しているLINE「マスクしてる?」

お似合いよってレプリカのメガネの蜻蛉が手鏡を見ているの

短歌うたよみん『虫』

ビリリって裂いたビニールのケースはぺろぺろぺこちゃんかとじっと見る
#短歌 #現代短歌

2020.02.24

ここだよって22ページの付箋の色は愛想もないよなパープルで。

受け取りのパスタが有意義に "巻きとりました” と内覧の会になる

いつもとは違う席に居座り学生と一緒に学ぶサンマルク
#短歌 #現代短歌

2020.02.24

あまりにも耐えられなくて着信拒否する彼と彼側の事情

2020.02.23

星のないプラネタリウムが眼裏にチカチカ光を宿してる

眠る猫(こ)のららばい謡う真夜中にララバイバイなんて言わないで
#短歌 #現代短歌

2020.02.23

外環の風吹く道路にビル風が。知らないままで知らない夜で

渋滞のながれを避けてこのかどをまがればきみのいるテリトリー
#短歌 #現代短歌

2020.02.22

いつだって読めない空気が誇ってる "ツイートをさらに表示" って

囚われてセルリアンブルーの、うたを いろを。なんとかつくりたかった

風に乗りながれる煙り避けていく受動喫煙さえも一緒に
#短歌 #現代短歌

2020.02.21

いつのまに Appたちが揺らしてる寝落ちのときを知るかのように

2020.02.20

おおあくび三回もするその機能 お は よ ぉ って な み だ がたまる

ささくれのとげとげパンダを飼うママのゆびにハンドクリームを塗る

余暇のあれこれトングでなぞる癖なんてお痛(イタ)な手だ パチンと叩く

来週も再来週も変わらない髪の長さを記憶に止めて

短歌うたよみん『髪』

見てごらん あの斜め上の茶髪にニット帽を被せて想像

短歌うたよみん『髪』
#短歌 #現代短歌

2020.02.19

視野の中すべてから生まれるうたが時間(とき)をともにしているのです

焼きたてのパウンドの香をいちじかん放って包む。洒落てランデブー
#短歌 #現代短歌

2020.02.18

二日目の yuzu oil が堂々と先頭をきる前髪でした

コロコロとコロがるコロナ侵略が移行へつづく勤務体制
#短歌 #現代短歌

2020.02.18

ストックの三分の二が『断じて準備中です』と頑張るマスク

Fからのノートを整理していくつもり引き出しの書類のように

短歌うたよみん『変化』
#短歌 #現代短歌

2020.02.16

パンプスがあげた悲鳴を玄関に置き去りにしたワタシは今日も

短歌うたよみん『変化』

閑散としてるパン屋が物語る不景気の波がシャッター街に。

短歌うたよみん『変化』
#短歌 #現代短歌