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公務員の仕事って何で遅いの?

私は国家公務員である。
が、民間の友達にはよく市役所職員と間違われる。

それもそうだ。
普通に生活してて関わりある公務員は、
警察とか役所の窓口の人くらいだろう。

ということで、公務員は何をしているのか、
なぜ仕事が遅いと言われるのか、
つらつらと書きたいと思う。
(公務員の人にとっては当たり前のことなので逆に読まないでいただきたい。笑)

【国家公務員と地方公務員の違い】

国家公務員=国
 ・・・対企業、対自治体。
  
地方公務員=都道府県、市町村(自治体)
 ・・・対企業、対市民。
    

簡単に言えば、政策の方針(マニュアル)を国(霞ヶ関)が決めるが、
それぞれ地域の実情(人口、年齢層、規模など)があるので、
実際どうやるかは自治体にお任せしているのである。

国が決めた法律に加え、地方の実情に合わせて県や市町村が追加で基準や規定を設けたりする。

国家公務員の中でも、本省(霞ヶ関)と地方局(出先機関)がある。

自治体は、地域をまたいだ運用はできないので、国の地方局が、九州全体の活性化のためのプロジェクトをしたり、
豪雨や地震で被災した地域に補助金を出したりする。

私は、一生福岡に住みたい。
けども生まれ育った長崎を見捨てることには罪悪感がある。
という理由で、九州全体のために働ける、地方局の仕事を選んだ。

【なぜ公務員の仕事は遅いのか】

コロナの渦中で、吉村府知事や小池都知事の
対応や決断の素早さが賞賛されていた。
一方で、国の対応があまりにも遅い、
とより一層非難されていた。

中で働いている身からしたら、
どっちの実情もわかる。

国が政策を決めるためには、

ニーズ集め
→その根拠集め
→素案作成
→こういう場合はどうする、という特殊事例の洗い出し
→審議会、検討会を開いて専門家の同意を得る
→誰が見ても解釈に差が出ないようなマニュアル作成

といった流れの一つ一つに、
数多の関係者が出てきて、
個々の調整、決裁の手続き が死ぬほどだるくて時間がかかるのだ。

さらにその最中、国会の追及に堪えるために、
大臣の答弁資料を作ったり、議員のケアをしないといけない。

なぜ手続きに時間がかかるか。
それはもちろん、過去のお偉いさんが悪いことをしたせいで、
規則がガチガチに決められているからだ。

最近では、桜を見る会など、
文書の管理が指摘されたせいで、
文書の保管状況のチェックが厳しくなったり、
誤字などのほんとに些細なミスでも、
差し替えや修正は許されず、
決裁を最初からやり直ししなければならなくなった。

これが、公務員の仕事が遅い理由である。

緊急事態の場合はいくつかのプロセスをぶっ飛ばすけども、
それでも遅いと非難される。

国家公務員の立場からしたら、
内部も頑張ってるからそんな悪く言わないで。。。
とお昼の情報番組を見ながら思う。

一方で、一国民からしたら、
今更給食マスクが配られてもダサくて使えないし、あれに260億使われたのかと思うとキレたくなる。(私は親にあげた。)

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今回のコロナで、今まで26年間生きてきて、
初めて週間先の未来が見えない、という状況になった。

未曾有の事態で、誰もが納得する正しい決断は難しいと思う。

難しいとは思うけども、
国民の血税を使ってやる以上、
間違った使い方、無駄な使い方をしてはいけないし、
そのために非難を受け続けるのは仕方のないことだ。

その覚悟や責任があって必死に働いている人もいれば、

事なかれ主義で、やる気も無く、大して仕事もしないのに年功序列で課長になっている人もいる。

私の感覚だと、就職氷河期を脱した今に、
民間の高給を諦めて公務員になっている若手は、割と「ちゃんとしよう」という意識はある気がする。

そういう若い力で、
公務員の悪しき伝統や無駄な手続きをなくしたい。
まずハンコ文化は絶対になくすべき。

時代は電子化で、パソコンやネット弱者の使えないおじさんは淘汰されていけばいいと思う。


まとまりなく書いてしまったけど、
意識高くも低くもない公務員ってこんな感じ。

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